EPISODE.44話〘さらばロウハさん。託された光の卵〙
今回は1話分たげの投稿です。
最後まで読んて頂けたら幸いです。
亡くなられた御老人の遺言を受け取り、俺たちは地下室から報酬を運び出した。
まず、四つの【マジックボックス】はそれぞれ一人ずつに分配。
問題は、四つの【精霊の契約指輪】だ。
【火】【水】【風】【土】……どの属性を誰が持つか、俺たちは話し合うことにした。
[マイさんとナナさんが先に選んでくれ。俺たちは残ったやつで構わないから。それでいいよな、リョウ]
[もちろっす! 自分たちは後でいいんで、まずは二人に選んでほしいっす]
[わかったわ、トレンさんたちの厚意に甘えさせてもらうわね。ナナ、それでいいかしら?]
[うん。せっかく言ってくれたんだし、そうしよう!]
そうして、まずはマイさんとナナさんが指輪を手に取った。
[うーん、悩むけれど……私は【風の精霊】にするわ。ナナは?]
[私は【水の精霊】にするね!]
女性陣が【風】と【水】を選び、残るは二つ。
[さて、俺たちはどうするかな。これは悩むぞ……]
[そうっすね。……よし、希望を同時に言って決めませんか?]
[お、いいね。それで行こう。……よし、決まったぞ]
[自分もっす。じゃあ、せーの!]
[【土の精霊】っす!]
[【火の精霊】だ!]
[あら、全く被らなかったわね。リョウ君はどうして【土】を選んだの?]
[本当ね。トレンさんが【火】を選んだ理由も気になるわ]
マイさんとナナさんが不思議そうに尋ねてくる。
[理由か。俺は単純だよ。まだ火属性の魔法攻撃を持っていないから、戦力の幅を広げたいと思ってね]
[自分はバランスを重視した結果っす。火の精霊も欲しかったっすけど、まだ見ぬエリアで新しい出会いがあるかもしれないから、今は土を極めるっす!]
それぞれの理由を聞き、二人は納得したように顔を見合わせた。
[やっぱり、掲示板で噂されている通りのプレイヤーだね、ナナ]
[本当だね。ふふふっ]
[ん? 何か言ったか?]
[なーんでもないわよ。ふふふっ]
俺は首を傾げながら、二人に指輪を手渡した。
説明によれば、この指輪ははめた瞬間に精霊と契約を交わし、その役目を終えて消滅するらしい。
今はまだイベント中ということもあり、契約はイベント終了後にゆっくり行おうと四人で決めた。
マイさんたちと一旦別れ、俺とリョウはロウハさんの家へと戻った。
翌日からも、畑作業と街の手伝いを繰り返すいつものルーティンをこなし――。
ついに、イベント最終日を迎えた。
最後の「協力依頼クエスト」が発生する。いつものように畑仕事を終えたその瞬間、足元に巨大な魔法陣が現れ、俺たちは強制転送された。
飛ばされた先は、見慣れた街の噴水広場。そこには、続々と他のプレイヤーたちが集まってきていた。
【これより、最後の協力依頼クエストを開始します。二十名分の依頼を発生させました。内容は全プレイヤーの画面に一覧で表示されます。クエストは一人につき一つ。複数受注や協力プレイは不可能です。では、健闘を祈ります】
提示されたリストを確認する。
難易度「難しい」が4つ、「易しい」が8つ、「普通」が8つか……。
俺たちは周囲のプレイヤーたちを集め、相談を持ちかけた。
[皆さん、聞いてください。この4つの難関クエストを除く16個を、皆さんにお願いしたいんです。なるべく、自分が確実にクリアできるものを選んでください。お願いします!]
俺とリョウが頭を下げると、従魔たちもそれに合わせて深々と一礼した。
すると、プレイヤーたちから意外な声が上がった。
[顔を上げてくださいよ! 今まで俺たちが助けられてきたんだ、今度は俺たちの番ですよ!]
[そうそう。二人が毎日必死に依頼をこなしているのを見て、俺たちも何かしたいって思ってたんだ。な、みんな!]
[[[そうだ! 協力するぞ!!]]]
驚いた。
けれど、その言葉通りプレイヤーたちは次々と依頼を選び、現場へと散っていった。
残ったのは、最高難度の4つ。
俺、リョウ、マイさん、ナナさんの四人でこれに挑む。
[[光月草の採取]、[魔石草の採取]、[黎翠鉱石の採掘]、[黎虹鉱石の採掘]……この4つか。どれも難所にあるな]
[そうっすね。場所は地図で分かりますけど、見つけるのが一苦労っすよ]
俺は地図を開き、【捜索】を発動させた。すると、驚いたことにターゲットの位置がピンポイントで表示された。
スキルのレベルを確認すると、いつの間にかLv8にまで上がっている。
[……よし、これならいける! 地図に詳細な印を付けたぞ]
マイさんとナナさんには[光月草]と[魔石草]の採取を頼み、二人は不思議そうにしながらも指示した場所へと向かった。
リョウは[黎翠鉱石]を求めて鉱山へ。そして俺は、山岳地帯にある[黎虹鉱石]の採掘ポイントへと急いだ。
数時間後。
切り立った崖の上で【鑑定】を使い、ついに[黎虹鉱石]を発見。
すぐさま採掘を終えた俺は、皆が待つ噴水広場へと駆け戻った。
俺が広場に到着した時、どうやら俺が最後の一人だったようだ。
[遅かったっすね、トレンさん!]
[いやぁ、採掘に手間取っちゃって。でも、何とか揃ったぞ!]
俺が納品を完了させた瞬間、空に大音量のアナウンスが響き渡った。
【おめでとうございます! 協力依頼クエスト、クリア達成です。進捗状況は100%に到達しました。制限時間内に完了したため、全プレイヤーに報酬として100万Gを贈呈します。イベント終了までそのままお待ちください】
広場が歓喜の渦に包まれる。
俺とリョウは、騒ぎに巻き込まれて目立つのを避けるため、こっそりと街を抜け出した。
向かうのは、お世話になったロウハさんの家だ。
[ロウハさん!]
[おお、トレン君にリョウ君。どうしたんじゃ?]
[俺たち、今日で一ヶ月の期限なんです。最後にお礼を言いに来ました]
[そうか……ついにお別れか。寂しくなるのう。でも、楽しい一ヶ月じゃった。本当にありがとう。……そうじゃ、これを二人に渡そう。大事に使うんじゃよ]
差し出されたのは――二つの、温かく輝く卵だった。
[これは……卵ですか?]
[【光の精霊の卵】じゃ。お前さんたちなら、正しく導いてくれると信じておるよ]
[……ありがとうございます。大切に育てます! それじゃあ、本当にお世話になりました!]
[達者でな! またいつでも遊びに来るんじゃぞ!]
俺たちと従魔たちは、ロウハさんに最後の一礼をして街へと戻った。
噴水広場で魔法陣が光り輝く。
【これにてイベント終了です。皆様、お疲れ様でした! 結果は後日発表いたします。それでは、元の場所へ転送します】
光に包まれ、視界が白く染まる。
次に目を開けた時、俺たちは懐かしい我が家――ホームに戻っていた。
次回は、南エリア街編の前にすみません。
トレン達のリアル仕事編を少し投稿します。
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評価して頂いてる皆様、
本当にありがとうございます。本当に嬉しいです。
今後もリアル仕事が投稿出来ない日は必ず、皆様にご報告します(`・ω・´)ゞ




