EPISODE.43話〘その手紙が繋いだ最期と、破格の報酬〙
2本目の後編です。
最後迄読んで頂けたら幸いです。
エリスさんから手紙を受け取り、俺たちは急いで街に戻っていた。
胸の中に渦巻く嫌な予感。
それはリョウも同じだった。
あの時のエリスさんの涙が、どうしても頭から離れない。
[……急ごう。とにかく、一刻も早く御老人のもとへ]
数時間後、俺たちはようやく御老人の自宅に到着した。
玄関ではマイさんが出迎えてくれたが、彼女の顔色は驚くほど悪い。
俺が事情を尋ねると、返ってきたのは予想していた中で最悪の答えだった。
[御老人を送り届けた後、急に倒れられたの。意識も朦朧としていて……。お医者様を呼んだけれど、もう……長くはないそうよ]
俺たちは言葉を失い、急いで御老人が横たわる寝室へと向かった。
[と、トレンさん……御老人が……]
ナナさんの震える声を聞きながら、俺は枕元に駆け寄り、御老人に声をかけた。
[御老人! エリスさんにペンダントを渡してきました。エリスさんからの手紙も預かっています。しっかりしてください!]
俺の声が届いたのか、御老人がゆっくりと目を開いた。
[エリスに……ペンダントを……。そうか……よかった……]
[これです、手紙を預かってきました。どうぞ]
御老人は震える手でエリスさんの手紙を読み、静かに涙を流した。
[御……御老人?]
[トレンさん、リョウさん……従魔たちよ。そしてマイさん、ナナさん。……ワシを、最期まで見届けてくれて……ありが、とう……]
御老人は涙を流し、安らかな表情を浮かべたまま動かなくなった。
静まり返った室内で、ナイトディランが悲しみに暮れる咆哮を上げた。
[ワォォォォォン……!]
駆けつけた医者が御老人の脈を確認し、静かに告げた。
[御老人は、お亡くなりになりました]
[[[[……っ!]]]]
俺たちは言葉が出ず、ただ自然と涙が溢れた。
ペンダントを渡し終えたことを知り、安心したような、嬉しそうな顔で天国へ旅立った御老人。
ふと見ると、御老人の手の中に一つの指輪が握られていた。
[……これは? 指輪……?]
[それは【遺言の指輪】です。亡くなる直前に身につけることで、遺言を映像として遺せる魔法具ですよ]
医者の説明を受け、俺は促されるままに指輪をはめた。すると、空中に御老人の姿が映し出された。
『……この映像を見ているということは、ワシはもう亡くなっているのだろう。最後に遺言を遺させておくれ。冒険者たちよ、孫にペンダントを届けてくれたことに感謝する。そして、ワシを自宅まで送ってくれた二人も、本当にありがとう。
……さて、君たちへの報酬だが、この引き出しに鍵が入っている。地下室に四人分の報酬を用意してあるから、受け取ってほしい。ワシの寿命はそう長くなかった。君たちに出会わなければ、道中で行き倒れていたかもしれん。だから、ワシが亡くなったことを決して責めないでくれ。前を向いて歩んでほしい。……さあ、報酬を受け取っておくれ……』
映像が消え、俺たちはベッド脇の引き出しから鍵を見つけた。
医者に立会人になってもらい、地下室のドアを開ける。そこには――。
四つの革製のバッグと、四つの指輪が置かれていた。
[確かに遺言通り、報酬が引き渡されたことを見届けたよ。私はこれで失礼する]
医者が去った後、俺はバッグと指輪に【鑑定】を発動した。
その瞬間、俺は思わず叫び声を上げた。
[えっ……えええぇぇぇ〜!? 嘘だろっ!!?]
[どうしたの、急に大声出して!]
[そうよ、びっくりするじゃない!]
[トレンさん……まさかっすか? また「アレ」っすか?]
マイさんとナナさんは不思議そうにしているが、リョウは俺のリアクションだけで、報酬の「ヤバさ」に気づいたようだ。
[……このバッグ、【マジックボックス】だ。しかも容量無限大。
それからこの指輪は……【精霊の契約】。精霊と契約するための指輪だよ。
しかも、火・水・風・土の四属性が揃ってる……!]
[[[……え? ええええええぇぇぇぇ〜〜!!]]]
あまりの衝撃に全員が固まっていると、追い打ちをかけるようにシステムアナウンスが響いた。
【複数依頼クエスト、クリア達成おめでとうございます。全体進捗状況は95%に到達しました。残るは最終日の協力依頼クエストとなります】
(ハァァァァァ!? なんでやねん!! ちょっと待て、空気読めよ! 情報のマシンガンが乱射されすぎなんだよ!! 本当に、喜怒哀楽が激しすぎるだろ……もうええわ!!)
俺は心の中で、自分でも驚くほどの勢いでツッコミを入れまくっていくのであった。
次回はイベント開催編の最終話です。
いろいろ考え過ぎて、書いていたので、誤字脱字はあると思います。ご了承下さい。
ここまで読んで頂き本当にありがとうございます。
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本当にありがとうございます。
次回もお楽しみに




