EPISODE.40話〘嵐の前の中間発表 ―進捗44%と動き出す展開―〙
急遽1話分の追加投稿します。
翌日、俺たちはロウハさんの家に泊まっていた。
「おはようございます。ロウハさん」
「おはようございます。ロウハさん」
「おお、おはよう。2人共、ちょうど朝食が出来たから食べなさいな。ほれ、従魔達の分も用意してあるから、皆で一緒に食べなされ。」
俺たちはロウハさんのご好意に甘え、朝食をいただいた。
食事を終えた俺たちは、ロウハさんに昨日と同じ仕事をさせてほしいとお願いした。
タダで泊めてもらっている以上、何か手伝いたい――自然とそう思ったからだ。
ロウハさんは嬉しそうに頷き
「それならお願いするよ」と快く了承してくれた。
俺たちは昨日と同じ作業に取りかかり、手慣れてきたこともあって、予定より早く終えることができた。
「ロウハさん、畑の作業を終わりました。」
「こっちも、エナバートを殲滅したっす。」
「そうか。ありがとうよ。」
「俺たち、この後、街を見に行きます。」
「それなら、宿屋の女将のレガミに会ってくれんか?ワシからの紹介と言えば分かるから。」
「分かりました、会ってみます。」
俺たちは街へと向かった。
街にはすでに多くのプレイヤーが集まっていたが、俺たちは気にせず散策を続け、ロウハさんに教えられた宿屋へと向かう。
「いらっしゃい。すみません、今は満室でして。」
「いいえ、実はレガミさんに会いに来ました。いらっしゃいますか?」
受付の女性は奥へと向かい、ほどなくして女将が姿を現した。
「私がレガミですが、何か御用でも?」
「俺たち、実はロウハさんからレガミさんに会ってくれと言われて来ました。紹介していただいたんです。」
「ロウハさんからの紹介なら助かるね。君たちの名前は?」
「トレンです。こちらがリョウです。」
「トレン君にリョウ君ね。実は手伝ってほしいことがあるんだけど、いいかしら?」
依頼クエスト:食糧の買い出し
依頼主:レガミ
来たな――やはり、この街の各所に依頼クエストが配置されている。
「分かりました。手伝います。」
「そうかい、助かるよ。野菜屋の主人には話を通してあるから、取りに行くだけでいいの。ただ量が多くてね、運ぶのが大変なのよ。」
「大丈夫ですよ。従魔達も協力しますので。今から取りに行って来ますね。」
「頼んだよ。」
俺たちは野菜屋へと向かった。
「あの、俺たち、レガミさんに言われて野菜を取りに来ました。」
「お!手伝いか?偉いね!量が多いからな、1週間分だ。この量を頼んだよ。」
提示された量は想像以上だった。普通に運ぶなら何度も往復が必要だろう。
そう考えていると、ペルナギとサクメが俺とリョウの袖を引っ張った。
「どうしたペルナギ?サクメ?」
何かを訴えているようだ。
するとエアネスが代わりに説明してくれた。
「ペルナギとサクメはマジックボックスを持っているので、この量でも問題ないそうです。」
……マジか。本当に頼もしい。
「じゃあ、お願いするよ。ペルナギ、サクメ」
2体は静かに頷き、マジックボックスを展開する。
俺たちは次々と食糧を収納していき、作業を進めた。
数時間後、すべての荷物はきれいに収まり、運搬はあっけなく完了した。
(本当にすごいな……)
念のため重さを確認したが、まったく問題ないらしい。どうやら容量はほぼ無制限のようだ。
俺たちは野菜屋を後にし、宿屋へと戻った。
レガミさんに置き場所を尋ねると、裏の倉庫へ案内された。
指示通り、俺たちはすべての食糧を丁寧に並べていく。
作業を終える頃には、倉庫は見事に満たされていた。
リョウ達をその場に残し、俺はレガミさんのもとへ報告に向かった。
「レガミさん、倉庫に全て入れました。確認をお願いします。」
予想よりも早い報告に、レガミさんは驚いた様子だった。
倉庫を確認した彼女は、整然と並べられた食糧を見て目を見開いた。
「でも本当に助かったわ。従魔達もありがとうね。」
【依頼クエスト完了しました。現在、進捗状況3%】
俺たちは宿屋を後にし、再び野菜屋へと足を運んだ。
「おう!さっきの若造じゃないか。どうした?」
「実はロウハさんの今日の夕食の材料を買いに来ました。泊めていただいているだけでなく、いつも食事も作ってもらっているので、今度は俺たちが作ろうと思って。」
「そうか。ロウハさんの家に泊まってるのか。なら君たちに頼みたいことがあるんだが、どうだ?」
依頼クエスト:各野菜を倉庫に補充
依頼主:野菜屋の主
報酬:野菜を貰える
報酬が野菜……?だが内容は単純だ。
「分かりました、受けます。」
「助かるよ。今日収穫した野菜を倉庫に入れてもらうだけだ。量が多いからな。頼んだよ。」
俺たちはすぐに作業に取りかかった。
数時間後、すべての野菜を整理して倉庫に収め終える。
「終わりました。確認をお願いします。」
「おお、きれいに並べてくれて助かるよ。これならすぐ取り出せるな。ありがとう。報酬は好きなだけ持っていっていいぞ。もちろん代金はいらないからな。」
【依頼クエスト完了しました。現在、進捗状況5%】
順調だ。
このペースなら確実に進捗は伸びていく。
俺たちはロウハさんの家へと戻った。
「ただいま戻りました。ロウハさん」
「おお、お帰り。どうした?その野菜は?」
事情を説明すると、ロウハさんは驚いたように目を細めた。
「そうか、ワシのために夕食を作ってくれるのか?」
「はい。泊めていただいているので、それくらいはさせてください。なあ、みんな。」
「そうっすよ。」
従魔達も頷き、俺たちは夕食の準備に取りかかった。
やがて料理が完成し、全員で食卓を囲む。
「トレン君にリョウ君、それに従魔達よ。本当にありがとうよ。昔みたいに家族で食事ができて楽しかったよ。今は皆出稼ぎでな、ワシはずっと一人で食事していたんじゃ。でも今は君たちが居て本当に良かったよ。」
「いえ、俺たちは一ヶ月ここに滞在するので、泊めていただいているだけでは申し訳なくて。せめてその間はお世話をさせてください。街も見てきましたが、皆さん大変そうでした。全部は無理でも、できる範囲で協力していきたいです。なあ、リョウ。」
「そうっす。協力しますよ。」
ロウハさんは嬉しそうに笑い、食事は穏やかな時間となった。
【現在、進捗状況10%】
それからも俺たちは日々、畑を手伝い、街へ出て依頼クエストをこなしていった。
気が付けば――
【依頼クエスト完了しました。進捗状況44%】
順調すぎるほど順調だ。
だが、そろそろ来る――そう思った矢先。
【イベント開始から15日目、明日16日目より各グループの進捗状況によってストーリーが変化します。進捗状況に応じて難易度も上昇します。】
続けて中間発表が表示された。
第1グループ:44%
第2グループ:21%
第3グループ:18%
第4グループ:30%
第5グループ:16%
第6グループ:27%
第7グループ:20%
第8グループ:10%
第9グループ:35%
第10グループ:14%
【以上になります。明日難易度が変わりますので、それまでに進捗状況を上げてください。】
……俺たちがトップか。
他グループの倍近い進捗になっている。
だが、やることは変わらない。
俺たちは、これまで通り――目の前の依頼をこなしていくだけだった。
今回、急遽2話分、投稿になりました。
本当に読んで頂いてる皆様、登録して頂いてる皆様、評価をして頂いてる皆様、本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ




