EPISODE.33話〘空からの死神と、静寂を破る咆哮〙
急遽投稿します。
最後にお知らせがあります。最後まで読んで下さい。
俺たちは今、北西の森林へ向かっている最中だ。
しかも――
またしても、馬車の中だった。
しかも同乗者は、テイマーギルド長メイーファさん。
そして護衛は――【光冥乃氷輪】のメンバー達。
(なんでやねん!!)
前回、商業ギルド長の時と同じパターンじゃねぇか!
違うのはギルド団だけやないかい!
俺は心の中で全力ツッコミをかました。
「そんなに緊張しなくていいよ。気楽にしていいからね、2人とも。」
(いや無理です!!)
前回と同じ状況で気楽にできるか!
そんな俺の心情など関係なく、道中のモンスターは――
すべて瞬殺だった。
(……俺たち、要る?)
そんな疑問を抱えたまま、俺たちは北西の森林入口に到着した。
ここからは徒歩だ。
俺はすぐにスキルを発動する。
(【捜査】、【鑑定】――)
……いるな。
しかも結構多い。
(300m先に6体……その内1体がモンギニアか)
厄介な相手だ。
あいつは叫ぶと仲間を呼ぶ。数は――約30体。
(先に潰すしかないな)
残りはバーキマ、スネークドフラ、ソクラビット、ハガネジロム。
俺はすぐに共有した。
「この先300mに敵が6体。その内1体がモンギニアです。」
「モンギニアだと!?それは本当か?……しかし、なぜ分かる?」
インザクさんの視線が鋭くなる。
(やば……)
【捜査】はレアスキル。軽々しく言えない。
言葉に詰まったその瞬間――
「私の風の精霊たちが情報を集め、私に伝えました。それを主であるトレンさんに共有したのです。」
エアネスがさらりと説明した。
(ナイスフォロー……!)
「……その通りです。説明が遅れて申し訳ありません。」
「いや、問題ない。精霊の情報なら納得だ。」
助かった……本当に。
「では、作戦を立てよう。」
地図を広げ、敵の位置を共有する。
問題はモンギニアだ。
「あいつは気配察知が鋭い。100〜150mで気付く。」
「なら――俺たちが先に動きます。」
「何?」
「先制攻撃で仕留めます。もし失敗したら、その時は援護を。」
「危険すぎるぞ。」
「……手があります。」
俺は作戦を説明した。
数秒の沈黙。
そして――
「……分かった。だが無理はするな。」
「はい。」
俺は従魔たちに視線を向けた。
「ヴィーシュ、ヴェイルガー。この位置にモンギニアがいる。上空から頼む。」
「クヴァ!」
「クワァ!」
「頼んだぞ。」
「作戦開始だ!」
2体は空へと飛び立った。
(頼む……成功してくれ)
数分後――
「クヴァ!クヴァ!」
「クワァ!クワァ!」
戻ってきた。
「どうなんだ?」
「……行けば分かります。」
俺はそうだけ言った。
到着した先
そこにあったのは――
完全に沈黙した敵の群れだった。
「…これは……」
【光冥乃氷輪】のメンバーが驚愕する。
「デス・ポーション……だと?」
そう、俺の作った“失敗作”だ。
上空からばら撒き、強制的に状態異常を付与した。
モンギニアは――
完全に沈黙していた。
(即死……か)
超低確率の状態異常【死の生命滅】が発動したらしい。
他の敵も――
麻痺、毒、凍結、睡眠、炎上。
完全に無力化されていた。
「……凄すぎるぞ、これは。」
インザクさんが呟いた。
(いや、俺も驚いてるんだけどな)
その後、残りの敵を処理し、俺たちは先へ進んだ。
そして――目的地。
湖に辿り着く。
「……綺麗だな。」
「ああ。ここに結晶ラビットがいるはずだ。」
3組に分かれて探索を開始する。
だが――
(……いない?)
【捜査】にも反応がない。
1体も。
「トレンさん、そっちいます?」
「……いや、全くいない。」
嫌な予感がした。
「合流しよう。何かおかしい。」
その瞬間――
何かが飛んできた。
「トルネードエアー!」
巨大な岩が粉砕される。
「上だ!!」
「エアーストリーム!!」
轟音。
衝撃。
そして現れたのは――
巨大な影。
俺は即座に鑑定した。
そして――
「……嘘だろ。」
「まさか……」
「ああ――」
「轟怪猿【モンギレイド】だ。」
親玉。
ボス個体。
「グボォォォォォォ!!」
咆哮が響く。
(だからいなかったのか……)
「リョウ!エアネス!全員戦闘態勢!!」
「了解っす!」
「はい!」
「クヴァ!」
「クワァ!」
「……行くぞ!!」
「討伐開始だ!!」
こうして俺たちは――
轟怪猿【モンギレイド】との戦いに突入した。
この時の俺たちは、まだ知らない。
この戦いが、想像を遥かに超える激戦になることを。
明日、次回は轟怪猿モンギレイド戦編をお送りします。
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