EPISODE.303話〘八人集結と従魔たち――始まりの街で待ち受ける前兆〙
いつもお読みいただきありがとうございます。
今回は、始まりの街へ向かうための従魔編成から、八人が再び集結するまでのお話です。
さらに、ナギサとバレグの従魔たちの能力も明らかになります。
それでは、EPISODE.303話をお楽しみください。
俺はグループチャットを確認したあと、そのままゲームへログインした。
いつものホームへ降り立ち、数分後、リョウもログインしてくる。
「従魔を連れて行く編成しないとな」
「そうっすね」
俺は従魔たちを見ながら、今回連れて行くメンバーを考える。
エアネス、ヴィーシュ、セフィラ、ファヴァン、レイネス。
この五体で行くことにした。
リョウも編成を決めたようだ。
ナイトディラン、ヴェイルガー、シドレア、ヴァルーラ、レヴァリィ。
こちらも五体だった。
残った従魔たちには、ホームで留守番をしてもらう。
俺とリョウはそのことを従魔たちに伝え、それぞれ頭を撫でていく。
すると従魔たちは、嬉しそうに鳴き声を上げたり、身体を寄せてきたりしながら喜んでいた。
従魔たちの編成を終えた俺たちは、サンオンとバウトのホームへ向かうことにした。
まずはバウトのホームへ向かう。
俺たちがホームへ向かって歩いていると――
偶然、前からバウトとサンオンが一緒に歩いてくるのが見えた。
バウトの傍にはルーレイとフィーレイ。
サンオンの傍にはミューローズとセラヴァルの姿もあった。
俺たちが近づくと、サンオンがファヴァンとヴァルーラを交互に見る。
「ところでトレン、ファヴァンとリョウのヴァルーラの姿が変わっているけど」
「火の精霊の里では別行動していたから知らなかったんだな」
俺は二人に、ファヴァンとヴァルーラが進化した経緯を説明した。
大精霊に呼ばれ、その後ファヴァンとヴァルーラが突然進化したこと。
そして、進化条件については俺たちにも分かっていないことを伝える。
もちろん、俺とリョウは本当の理由については話さなかった。
話を聞き終えたサンオンとバウトは驚いた表情を浮かべ――
「「えええぇぇぇ〜そうだったの!?」」
二人同時に声を上げた。
「自分たちも進化に驚いたっすよ」
「そうだったんですね」
バウトは少し考えるようにしてから口を開いた。
「進化条件はいろいろなトリガーがありそうですね」
「バウトの言う通りですね。もしかしたら、それぞれの従魔たちに進化条件が数個はありそうですね」
「それじゃ始まりの街へ向かうか」
「「「了解」」」
こうして俺たちは、バグヴァラの街を出た。
街から俺たちの姿が見えなくなったところで、ワープを使おうとしたその時――
レイネス、レヴァリィ、ルーレイ、ミューローズの四体が、何かを訴えるように俺たちを見ていた。
するとエアネスが、四体の言いたいことを伝えてくれる。
「自分たちがワープを出すそうです、と言っています」
「わかった。お願いするよ」
俺がそう答えると、レイネス、レヴァリィ、ルーレイ、ミューローズの四体がワープを発動させた。
目の前に現れたワープを見て、リョウが驚いたように声を上げる。
「四体で発動したワープは凄いっすね」
「トレンのワープも凄かったけど、従魔たちも凄いですね」
サンオンも感心した様子でワープを見ていた。
「優秀すぎますね。サンオン、トレンたちが里を教えたくない理由がわかった気がするよ」
「確かに、これはそう簡単には教えられないですね」
俺たち四人は、そのまま四体が発動させたワープへ入る。
そして――
始まりの街の手前まで、一気にワープで移動した。
始まりの街へ入る前に、俺は一度足を止めた。
「街に入る前に、火の精霊と闇の精霊には姿を隠してもらおう」
「そうっすね」
火の精霊と闇の精霊は、街の中で連れて歩けばかなり目立つ。
それに、今のところ闇の精霊を連れているのは俺たち四人だけらしい。
俺がそのことを説明すると、サンオンとバウトもすぐに理解した。
「わかりました」
「それなら隠した方がいいですね」
二人も了承し、火の精霊と闇の精霊には街の中では姿を隠してもらうことにした。
準備を終えた俺たちは、そのまま始まりの街へ入る。
そして冒険者ギルド前へ向かって歩いていると――
背後から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
振り返ると、そこにいたのはナギサとバレグだった。
二人の傍には二体の光の精霊。
そしてナギサの傍には九尾狐のナギア、バレグの傍にはシヴァータイガーのファルギマもいる。
こうして近くで見ると、やはり二体の存在感は凄かった。
周囲のプレイヤーたちも、ナギアとファルギマを気にしながら通り過ぎていく。
――そりゃあ、九尾狐とシヴァータイガーが街を歩いていたら見るよな。
俺も納得しながら二体を見た。
せっかくだ。
俺はナギサの傍にいる九尾狐へ【鑑定】を使った。
――――――――――――――――――――――
【ナギア】
種族:九尾狐
基礎Lv20 契約者:ナギサ
HP346 MP406
腕力260 体力298
俊敏301 器用279
知力314 精神258
スキル:
【朧影身】【陽炎】
【朧月炎鳳】【炎鳳盾】
【朧炎流水】【九尾炎斬刃】
奥義【四属鳳凰狐炎舞】
――――――――――――――――――――――
「……やっぱり、とんでもないな」
基礎Lv20でこのステータス。
しかも奥義まで持っている。
続いて、バレグの傍にいるシヴァータイガーへ【鑑定】を使った。
――――――――――――――――――――――
【ファルギマ】
種族:シヴァータイガー(別名:氷獣虎)
基礎Lv20 契約者バレグ
HP358 MP378
腕力307 体力300
俊敏325 器用286
知力251 精神249
スキル:
【氷斬爪】【氷帝纏い】
【フリーズレイガン】【零結氷壁】
【零氷砲】【斬影牙突氷】
奥義:【零氷獣牙狼乱舞殺】
――――――――――――――――――――――
「こっちも凄いな……」
ナギアとは違った強さを持っている。
そして俺は、ナギサとバレグの傍にいる二体の光の精霊にも【鑑定】を使った。
――――――――――――――――――――――
【レナミ】 契約者:ナギサ
【ミュラス】 契約者:バレグ
――――――――――――――――――――――
種族:【天使】
基礎Lv15
HP86 MP102
腕力46 体力65
俊敏74 器用80
知力73 精神55
スキル:
【光魔術・上級】【浮遊】
【聖光大盾】【回復魔術・上級】
【聖魔術・上級】【聖光障壁】
【鍛冶錬金育成EX】【雷魔術・初級】
――――――――――――――――――――――
「なるほど……こっちは防御と支援が中心なのか」
「しかも光魔術と聖魔術まで上級っすね」
ナギアとファルギマとは違い、レナミとミュラスは仲間を守りながら支援するタイプのようだった。
俺たちはナギサとバレグと合流し、そのまま冒険者ギルド前へ向かった。
そこには、すでにナナとマイが待っていた。
「お待たせ」
俺たちが声をかけると、二人はこちらへ振り返る。
そしてナギサとバレグの従魔たちに気づくと、その場で目を見開いた。
「……凄い」
ナナが思わず声を漏らす。
「本当に九尾狐とシヴァータイガー……改めて見たら凄い威圧オーラを感じるわ」
マイもナギアとファルギマを見ながらそう呟いた。
――まあ、九尾狐とシヴァータイガーを目の前で見たら、そうなるよね。
俺たちもさっき同じような反応をしていたくらいだ。
しかも、その傍には光の精霊までいる。
これだけ揃っていれば、街中で目立たない方がおかしいだろう。
こうして八人全員が揃った俺たちは、そのまま冒険者ギルドの中へ入った。
受付へ向かい、俺は受付嬢に声をかける。
「ドムバスギルド長に面会したいんだけど」
「かしこまりました。少々お待ちください」
受付嬢は一度その場を離れ、しばらくして戻ってきた。
「ドムバスギルド長がお待ちです。ご案内します」
俺たちは受付嬢の案内で、ギルド長室へ向かった。
扉をノックすると、中から返事が聞こえる。
俺たち八人が部屋へ入ると、そこにはドムバスギルド長と秘書が待っていた。
受付嬢は一礼し、そのまま部屋を退出する。
扉が閉まると、ドムバスギルド長は秘書へ視線を向けた。
「遮断障壁を頼む」
「かしこまりました」
秘書がスキルを発動する。
【遮断障壁】
次の瞬間、部屋全体が障壁に包まれた。
これで外から会話を聞かれる心配はない。
ドムバスギルド長は障壁が張られたことを確認すると、俺たちへ視線を戻した。
こうして俺たち八人は、ドムバスギルド長からエリアボスについての説明を聞くのであった。
だが――
この時の俺たちは、まだ知らなかった。
エリアボスだけではなく、八人それぞれに別の特殊イベントが待ち受けていることを――。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、始まりの街へ向かうための従魔編成から始まり、バウトとサンオン、そしてナギサとバレグ、ナナとマイが合流し、八人が揃うお話となりました。
さらに、ナギサとバレグの新たな従魔たちの能力も明らかになりました。
そして八人は、ドムバスギルド長からエリアボスについての説明を聞くことになります。
しかし、その先では八人それぞれに別の特殊イベントが待ち受けています。
どのような展開が待っているのか、楽しみにしていただけたら嬉しいです。
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今後とも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。




