EPISODE.293話〘ファヴァンとヴァルーラの導き――二体が導く大切な場所〙
今回も『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をお読みいただき、ありがとうございます。
今回はクラムヴァの街を出発したトレンたちが、火の精霊の里へ向けてデヴァランザ山岳を進んでいきます。
再び訪れる火の精霊の里で、どのような時間を過ごしていくのか、ぜひ最後まで楽しんでいただければと思います。
それでは、EPISODE.293話をお楽しみください。
翌日――。
俺たちはクラムヴァの街を出発した。
そして数時間後――。
俺たちはデヴァランザ山岳の入り口へ到着した。
そこからさらに数時間、山岳を進んでいく。
そして俺たちは、デヴァランザ山岳の中腹へ到着した。
周囲を見渡すと、奥に洞窟が見えていた。
俺たちはそのまま洞窟へ向かい、入り口へ到着した。
「ここから里への案内を頼んだよ。ファヴァン、ヴァルーラ。」
「「……コクコク(頷く)」」
ファヴァンとヴァルーラは頷くと、俺たちを火の精霊の里へ案内するため、洞窟の中を進んでいった。
そして二時間後――。
俺たちは洞窟の中間辺りにある、広い空間へ到着した。
リョウがバウトとサンオンへ説明する。
「この中間辺りは広い空間になっていて、魔物もいないっす。鉱石を採掘する時の拠点にも出来るし、テントを張る場所にも出来るっす。」
「【火霊結晶雫鉱石】【火煉土極鉱石】【火煉雷極鉱石】などは、この周辺で採掘出来る。」
「そうなんですね。」
するとバウトが周囲を見ながら話した。
「でも、以前の自分たちだけでは、ここまで辿り着くのは難しかったでしょうね。今は従魔がいて、信頼出来るパートナーですからね。」
「確かにそうですね。トレンとリョウに出会わなかったら、従魔契約すら出来なかったのですから。感謝しています。」
二人共、謙虚過ぎるって。
俺はバウトとサンオンの話を聞きながら、心の中でそう思っていた。
「それじゃ、さらに奥に火の精霊の里があるから行きましょう。」
こうして俺たちはファヴァンとヴァルーラに案内を再開してもらい、洞窟のさらに奥へ進んでいった。
そして一時間後――。
俺たちは火の精霊の里の入り口へ到着した。
「ここが入り口ですか?」
「そうみたいですね。」
サンオンとバウトが里の入り口を見ていると、突然声が聞こえてきた。
「トレン、リョウ、久しぶりだね。」
「「お久しぶりです。大精霊イフリードライム様」」
「「え!? 火の大精霊イフリードライム様!!」」
バウトとサンオンは、いきなり火の大精霊イフリードライム様が出迎えてくれた事に驚いていた。
「そちらのお二方は初めましてだね。」
「はい、初めまして。大精霊イフリードライム様。私はバウトといいます」
「初めまして、私はサンオンと申します。火の大精霊イフリードライム様」
「そう堅苦しい言い方しないで普通に大丈夫だからね。サンオン、バウト、火の精霊の里へようこそ。歓迎するよ。さあ中へどうぞ。」
「「ありがとうございます。」」
俺たちは火の精霊の里へ入っていった。
バウトとサンオンは、火の精霊の里へ足を踏み入れた。
「凄いですね……これが火の精霊の里か」
「神秘的な街になっていますね。バウト」
そこには、赤く輝く結晶と炎の灯りに包まれた幻想的な景色が広がっていた。
バウトとサンオンは、初めて見る火の精霊の里の景色を眺めていた。
「長旅ご苦労だったな。宿を用意してある。主には話を通してあるから、安心してゆっくりしていくといい」
「サンオンとバウトよ。この里では、武器・防具・アイテムなども購入できる。安心しなさい。もちろん君達も利用可能だ」
「「ありがとうございます。」」
俺達は宿屋へ入り、宿の主に出迎えられた。
その後、それぞれ部屋へ案内され、しばらくゆっくり過ごす事にした。
しばらく部屋で休んでいると、バウトとサンオンが俺たちの部屋へやって来た。
「トレン、リョウ。私たちは少し街を見て回ってこようと思います。」
「せっかく火の精霊の里へ来たので、武器や防具なども見てみたいですからね。」
「分かった。俺たちは部屋でゆっくりしてるよ。」
「そうっすね。今日は長旅だったっすから、俺たちはのんびりしてるっす。」
「それじゃ、火属肥料を集めるのは明日にしようか。」
「私はそれで大丈夫ですよ。」
「私も大丈夫です。」
「じゃあ、明日に決まりだな。今日はゆっくり街を見てくるといいよ。」
こうして火属肥料を集めるのは明日に決まり、バウトとサンオンは火の精霊の里の街を見て回るため宿を出ていった。
俺とリョウはそのまま部屋に残り、のんびりと過ごす事にした。
従魔たちも今までの精霊の里と同じように、自由に街を見て回っている。
するとしばらくして、ファヴァンとヴァルーラが部屋へ戻って来た。
「ファヴァン、ヴァルーラ。みんなと一緒じゃないのか?」
二体は頷いた。
「他の従魔たちは、まだ街を見て回ってるのか?」
二体はもう一度頷いた。
するとファヴァンとヴァルーラは、俺とリョウの袖を引っ張り始めた。
どうやら俺たちを何処かへ連れて行きたいようだ。
俺とリョウは二体についていく事にした。
そして辿り着いた場所は――。
火の大精霊イフリードライム様の館だった。
すると館からイフリードライム様が姿を現した。
どうやらイフリードライム様は、ファヴァンとヴァルーラがここへ来た理由を知っているようだった。
俺たちはイフリードライム様と共に進んでいく。
そこは先程までの里の雰囲気とは違い、静かな場所だった。
そして目の前には、いくつもの墓が並んでいた。
そこは、かつて魔力を吸収されて亡くなった火の精霊たちが眠る墓所だった。
俺とリョウは、その光景に驚きを隠せなかった。
するとヴァルーラが、その中の一つの墓の前で足を止めた。
俺はその姿を見て、ある事を察した。
「ま……まさか、ヴァルーラの兄弟の墓なのか?」
ヴァルーラは墓を見つめたまま、小さく頷いた。
するとイフリードライム様が俺たちへ話した。
「少し違うよ。そこに眠っているのは、ヴァルーラの両親なんだ。」
俺とリョウは驚きを隠せなかった。
そしてイフリードライム様が、ヴァルーラの両親について話し始めた。
「ヴァルーラが魔力を吸収される直前、両親はヴァルーラを助けるため、自分たちの命と引き換えに残された魔力を全て炎へ変えたんだ。」
「そして、その炎を一つの炎玉にして、ヴァルーラの体内へ送り込んだ。」
俺とリョウは、あの時ヴァルーラを助けた時の事を思い出していた。
俺とリョウはヴァルーラ、そしてヴァルーラの両親が眠る墓へ向かって頭を下げた。
「ヴァルーラ……ごめんな。俺たちがもっと早く助けに来る事が出来なくて……。」
「自分もっす、ヴァルーラ……間に合わなくて、本当に申し訳ないっす……。」
その時――。
ファヴァンが俺へ抱きつき、ヴァルーラもリョウへ抱きついてきた。
「トレン、リョウ。頭を上げてくれないか。」
イフリードライム様の言葉に、俺とリョウはゆっくり頭を上げる。
「君たちが謝る必要はないんだよ。むしろ私は、君たちに感謝しているんだ。」
「あの時、ヴァルーラを助けてくれて本当にありがとう。」
俺とリョウの目から、自然と涙が流れた。
「ファヴァンもヴァルーラも、君たちを心から信頼している。だからこそ、これからも君たちと一緒にいたいと思っているんだよ。」
「これからも共に一緒だよ。ファヴァン。」
「わかった、これからも一緒っすよ。」
すると――。
ファヴァンとヴァルーラの身体が、突然光り輝き始めた。
俺とリョウは目の前で起こっている光景を見て――。
「「ええええぇぇぇぇ〜進化!!」」
まさかのファヴァンとヴァルーラの進化に驚きを隠せなかった。
こうして俺たちは進化先を確認するのであった。
今回も最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、トレンたちが再び火の精霊の里を訪れました。
バウトとサンオンにとっては初めてとなる火の精霊の里でしたが、その後ファヴァンとヴァルーラに導かれ、ヴァルーラの両親が眠る墓所を訪れる事になりました。
そこで明かされたヴァルーラの過去と両親の想い、そしてトレンとリョウとの信頼が重なり、まさかのファヴァンとヴァルーラの進化へと繋がりました。
次回は、二体の進化先を確認しながら、火属肥料を集めていきます。
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これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。




