EPISODE.289話〘四精霊の樹木から大樹へ――新たな氷臨樹の苗、そして水属性専用武器製作へ〙
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、休日を迎えた東条と西石がVRMMOへログインするところから始まります。
いつものホームへ戻った二人でしたが、そこで思いがけない出来事が待っていました。
そして二人は、以前から予定していたことを進めていくことになります。
今回も従魔たちとのやり取りを含めながら、物語が進んでいきます。
最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、EPISODE.289話をお楽しみください。
翌日――。
俺はいつも通り朝からランニングをしていた。
ランニングを終えて帰宅すると、シャワーを浴びて朝食を取った。
朝食を食べ終えた俺は、西石へ連絡した。
「もしもし、東条先輩。どうしました?」
「今からログインするけど、西石は?」
「自分も朝食を食ってからログインするっす。」
「分かった。」
俺は電話を切ると、そのままVRMMOへログインした。
そして五分後、リョウもログインして来た。
「来たか。それじゃ前に言ってた水属性専用武器を作るぞ。」
「そうっすね。って……トレン、『四精霊の樹木』が……。」
「え?……は?……。」
俺はリョウが見ている方向へ視線を向けた。
「「ええええええぇぇぇぇぇぇぇ!!」」
そこにあった『四精霊の樹木』が、完全に『四精霊の大樹』へと成長していた。
ギーザーとレガロアの土の精霊が加わり、火・水・風・土の四精霊が揃ってから約四週間。
現実では六日ほど経っていた。
しかも俺たちは三日間ログインしていなかった。
その間にまさか、精霊の里にある大樹と同じくらいまで成長しているとは思わなかった。
すると『四精霊の大樹』にいた従魔たちが俺たちに気付き、次々と降りて来た。
「完全に精霊の里並の大樹になったな。」
「そうっすね。でも、護り大樹みたいな感じっすね。」
「アナウンスも予想外だったけど、『四精霊の樹木』の苗を育成して大樹になるイベントだったとはね。」
すると突然、アナウンスが流れた。
【特殊イベント『四精霊の樹木』をクリア致しました。おめでとうございます。】
「そうみたいっすね。ただ……オークションで落札した苗がね。」
「あっ……。」
そうだった。
俺たちはオークションで落札した『氷臨樹の苗』を、まだ植えずにマジックボックスへ入れたままだった。
俺はマジックボックスから『氷臨樹の苗』を取り出した。
するとペルナギとサクメが何かを訴え始めた。
エアネスが二人の話を聞き、俺たちへ伝えた。
「『氷臨樹の苗』を直に植えてほしいと言っています。」
「どういう事だ? エアネス。」
「詳しくは後でお話しします。今は急いで植えてほしいとお願いしています。」
「?………分かった。」
ペルナギとサクメは『氷臨樹の苗』を植える場所を指定した。
そこは【鍛冶錬金工房】の真裏だった。
位置としては、『四精霊の大樹』と『氷臨樹の苗』の間に【鍛冶錬金工房】があるような形になる。
俺たちは指定された場所に『氷臨樹の苗』を植えた。
すると今度は、ペルナギとサクメが再び何かを訴え始めた。
エアネスが二人の話を聞く。
「【水属肥料】を撒いてほしいと言っています。」
「【水属肥料】か。分かった。」
俺は【水属肥料】を取り出し、『氷臨樹の苗』へ撒いていった。
しかし一袋では足りないらしく、最終的に五袋の【水属肥料】を使う事になった。
「五袋も必要なのか……。」
「結構使うっすね。」
そこでエアネスが、改めて俺たちへ説明した。
「『氷臨樹の苗』を育てるには、それぞれの精霊の里にある各属肥料が必要だそうです。」
「各属肥料は急ぐのか?」
俺がペルナギとサクメに聞くと、二人は左右に首を振った。
エアネスが二人の話を聞き、俺たちへ伝えた。
「急がないそうです。ただ、各属肥料は最低五袋は必要だと言っています。」
「マジっすか? トレン、もしかしてこの『氷臨樹の苗』は……。」
「これも特殊イベントだろうな。」
俺たちは水属性専用武器を製作した後、各精霊の里へ向かう事に決めた。
「それじゃリョウ、水属性専用武器を製作するぞ。」
「了解っす。」
するとガルロードとギーガルスが、俺たちの袖を引っ張っていた。
「どうした? ガルロード、ギーガルス。」
ガルロードとギーガルスは、俺たちに何かを訴えていた。
エアネスが二人の話を聞き、俺たちへ伝えた。
「自分たちも協力したいと言っています。」
「分かった。一緒に製作しよう。」
俺はガルロードと一緒に双剣を製作する。
リョウはギーガルスと一緒に剣を製作する事になった。
ただ、製作を始める前に一つ問題があった。
ガルロードとギーガルスから、使用する鉱石について要望があったのだ。
ガルロードは【水霊氷黎極雫鉱石】を十個。
ギーガルスは【水極鉱石】を十個使ってほしいと訴えていた。
流石に多すぎるため、今回はその要望を断る事を伝えた。
するとガルロードとギーガルスは納得出来ないようで、俺たちへ抗議し始めた。
だが――。
エアネスとナイトディランが表情には出さず、静かな圧をかけるように二体を睨みつけていた。
「ここは主の製作する場所です。あなた達の製作する場所じゃ無いんですよ。いつから偉くなったのかしら?」
「「……ガタガタガタガタ」」
ようやく状況を理解したガルロードとギーガルスは、エアネスとナイトディランの静かな圧に怯えていた。
俺とリョウは、エアネスとナイトディランが従魔たちをまとめてくれるから本当に助かるなと、心の中で思っていた。
「もうその辺にして、製作するぞガルロード。」
「止めてくれて助かったっすよ。ナイトディラン、エアネス。それじゃギーガルス、製作するっすよ。」
そして俺たちは、今回使用する鉱石を準備した。
――――――――――――――――――――――
俺とガルロードが双剣の製作に使用する鉱石は――。
【水鉱石】×15
【水硬鉱石】×15
【水霊氷黎極雫鉱石】×5
【水極鉱石】×5
【水黎氷鉱石】×5
【水氷岩黎轟極鉱石】×6
【水轟極霊氷縁黎雫鉱石】×2
――――――――――――――――――――――
そしてリョウとギーガルスが剣の製作に使用する鉱石は――。
【水硬鉱石】×20
【水霊結晶鉱石】×8
【翠黎氷結晶鉱石】×8
【水霊氷黎極雫鉱石】×5
【水極鉱石】×5
【水氷岩黎轟極鉱石】×4
【水轟極霊氷縁黎雫鉱石】×2
――――――――――――――――――――――
こうして俺たちは、それぞれ水属性専用武器の製作を開始した。
俺はガルロードと一緒に使用する鉱石を炉の中へ入れていく。
高温で鉱石を溶かしながら、それぞれの鉱石を混ぜ合わせていった。
そして完全に溶けた鉱石を取り出し、二本の剣を作るためにそれぞれインゴットへ加工する。
インゴットを再び熱してから型へ流し込み、少しずつ双剣の形を作っていった。
形が出来上がってくると、俺はハンマーを手に取った。
カンッ!
カンッ!
カンッ!
何度も叩きながら形を整えていく。
ガルロードも俺の動きに合わせながら、一緒に製作を進めていた。
一方、リョウもギーガルスと一緒に鉱石を炉へ入れ、溶かした鉱石をインゴットへ加工していた。
そしてインゴットを型へ流し込み、剣の形を作ってから何度も叩き続けていた。
鍛冶錬金工房の中には、俺とリョウが武器を叩く音が響き続ける。
それから数時間後――。
キィィィン――。
俺とガルロードが製作していた双剣が光り始めた。
「完成した……。」
俺たちの水属性専用武器が完成した。
そしてさらに一時間後――。
キィィィン――。
今度はリョウとギーガルスが製作していた剣が光り始めた。
これでお互いの水属性専用武器が完成した。
俺とリョウは、それぞれ完成した武器を【鑑定】する事にした。
俺はガルロードと一緒に製作した双剣を【鑑定】した。
――――――――――――――――――――――
武器:【氷水霊帝極双剣】
レア度:★10 品質:★10
耐久:60000
効果
攻撃:5000 腕力:3000 俊敏:2000
スキル:
【水斬影刃】【氷水流水】
【氷斬双剣】【廻天氷水演舞】
【朧水輪斬】【氷輪連斬】
奥義:【氷水帝瞬獄無双演舞】
――――――――――――――――――――――
そしてリョウも、ギーガルスと一緒に製作した剣を【鑑定】した。
――――――――――――――――――――――
武器:【水霊帝極黎氷縁剣】
レア度:★10 品質:★10
耐久:60000
効果
攻撃:5500 腕力:2500 俊敏:2500
スキル:
【水剣】【氷剣】
【氷水流水】【牙突氷水斬】
【廻天氷水剣】【廻天天舞連撃剣】
【抜刀氷水剣】【虚空牙突一閃】
奥義:【廻天連撃九頭竜抜刀牙突】
――――――――――――――――――――――
俺たちは、それぞれの武器の鑑定結果を確認した。
なんでやねん!!
武器もスキルも強すぎるやんけ!!
警報鳴るだろ普通!!
なんで鳴らないんだよ!!
おかしいだろうが!!
なんでこんな武器が出来るんだよ!!
運営ぃぃぃぃぃ!!
俺は心の中で連射ツッコミをするのであった。
こうして俺とリョウは、予想以上の性能を持つ水属性専用武器を完成させたのであった。
今回もお読みいただきありがとうございます。
今回は、しばらくログインしていなかった間に『四精霊の樹木』が『四精霊の大樹』へと成長し、特殊イベントをクリアすることになりました。
そしてオークションで落札していた『氷臨樹の苗』を植えることになり、ペルナギとサクメから各属肥料が必要だということも分かりました。
その後は、トレンとガルロード、リョウとギーガルスがそれぞれ協力しながら、水属性専用武器を製作しました。
完成した【氷水霊帝極双剣】と【水霊帝極黎氷縁剣】は予想以上の性能となり、最後はトレンが心の中で連射ツッコミをする結果となりました。
最後になりますが、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、今後の執筆の励みになります。
これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。




