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VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?  作者: うさだデジ子
第1エリア〜東エリア・バグヴァラの街編

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289/323

EPISODE.288話〘二人からの相談――製作への不安とトレンのアドバイス〙

いつも読んでいただきありがとうございます。


今回は、西石が出張で不在の中、仕事を進める東条が久しぶりに掲示板を確認するところから始まります。


そして仕事を終えた後、ナギサとバレグから製作した武器について相談を受けることになります。


現実側では、出張中の西石と若い社員が進めている大型契約にも動きがあります。


最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、EPISODE.288話をお楽しみください。

翌日――。


俺はいつも通り会社へ向かい、仕事を始めていた。


一方、西石は若い社員と一緒に他県へ出張している。


三条グループとの最終契約を行うため、相手側の本社へ向かっていた。


そのため俺は、自分の仕事をこなしながら西石の仕事も進めていた。


「さすがに二人分は結構あるな……。」


とはいえ、専務や秘書にも協力してもらっているため、仕事は順調に進んでいた。


そして昼休み――。


俺は今日はVRMMOへログイン出来ないため、久しぶりに掲示板を確認する事にした。


「さて……最近の掲示板はどうなってるかな。」


俺はそう呟きながら、掲示板を開いた。


――――――――――――――――――――――


【VRMMO総合掲示板】


1:名無しの冒険者

最近、攻略組かなり苦戦してないか?


2:名無しの冒険者

してる。

新しいエリアに進もうとしても普通に魔物強い。


3:名無しの冒険者

それなのにエリア解放のアナウンスだけは結構流れるよな。


4:名無しの冒険者

だいたいトレンとリョウじゃね?


5:名無しの冒険者

またあの二人かよ。


6:名無しの冒険者

ほとんどあの二人がエリア解放してる気がする。


7:名無しの冒険者

素材採取師とは何だったのか。


8:名無しの冒険者

もうそこは考えるな(笑)


9:名無しの冒険者

それよりトレンとリョウの従魔かっこよくない?


10:名無しの冒険者

分かる。

種類も多いし戦闘してるところ一回見てみたい。


11:名無しの冒険者

従魔欲しくなってテイマーギルド通い始めたわ。


12:名無しの冒険者

従魔関係なら最近変な噂あるぞ。


13:名無しの冒険者

何?


14:名無しの冒険者

街のNPCと仲良くしてたら突然イベント発生したって奴がいるらしい。


15:名無しの冒険者

NPCの友好関係もイベント条件なのかよ。


16:名無しの冒険者

このゲーム本当に何がトリガーか分からんな。


17:名無しの冒険者

俺は冒険者ギルドの依頼をずっとこなしてたらイベント発生した。


18:名無しの冒険者

俺は商業ギルドだった。


19:名無しの冒険者

テイマーギルドでも発生したって話聞いたぞ。


20:名無しの冒険者

じゃあ各ギルドの依頼を一定数こなすとか?


21:名無しの冒険者

分からん。

ランクなのか依頼回数なのかNPCとの友好度なのか条件が多すぎる。


22:名無しの冒険者

しかも普通に依頼受けてるだけなのに、途中で予想外の襲撃イベント起きる時あるぞ。


23:名無しの冒険者

あるある。

採取依頼だから安全だと思ってたら突然魔物の群れに襲われたわ。


24:名無しの冒険者

俺も護衛依頼で予定に無いボスっぽい奴出て来た。


25:名無しの冒険者

怖すぎだろ。


26:名無しの冒険者

逆にそういう予想外が特殊イベントに繋がるんじゃないか?


27:名無しの冒険者

ありそう。


28:名無しの冒険者

そう考えると、トレンとリョウって何回そういうの引いてんだよ。


29:名無しの冒険者

数えるのやめとけ。


30:名無しの冒険者

やらかしの数ならトッププレイヤーだろ(笑)


31:名無しの冒険者

本人たち見てたら怒られるぞ。


32:名無しの冒険者

でも最近攻略組が苦戦してる間に、あの二人が別方向からエリア解放していくの面白いよな。


33:名無しの冒険者

戦闘だけが攻略じゃないって事なんだろうな。


34:名無しの冒険者

ギルド依頼、NPC友好関係、従魔、特殊イベント。

やる事多すぎるわ。


35:名無しの冒険者

だからこのゲームやめられないんだけどな。


――――――――――――――――――――――


俺は掲示板を読みながら、思わず苦笑していた。


「……好き勝手に書いてるな。」


でも掲示板を見ている限り、他のプレイヤーたちも少しずつNPCとの友好関係や、各ギルドの依頼から発生するイベントに気付き始めているようだった。


俺はそのまま掲示板を確認していった。


だが、【精霊の里】について詳しく書かれている情報は見当たらなかった。


「精霊の里については出てないな……。」


その代わり、削除された書き込みがかなり多くなっていた。


「…結構削除されてるな。」


以前、運営側は記者会見を行い、問題を起こした六人に対して徹底的に対応すると宣言していた。


それだけではなく、弁護士を通して詳しく調査し、損害が確認された場合には損害賠償を請求すると発表していた。


しかも問題は掲示板だけではなかった。


掲示板以外でも別の方法で情報を広めようとしていた事が発見され、運営側はその件についても記者会見を行っていた。


「運営も本気で徹底してるな……。」


前の六人の件もあったから、運営側も同じ事を繰り返させないように対応しているのだろう。


俺は削除された書き込みを見ながら、そんな事を考えていた。


そして掲示板を一通り確認し終えると、午後からの仕事に取り掛かった。


西石が出張でいないため仕事量は多かったが、専務や秘書にも協力してもらいながら順調に仕事を進めていった。


そして十八時――。


俺は仕事を終えて会社を退社し、自宅へ帰ろうとしていた。


その時だった。


スマホが鳴り、画面を確認すると井澤渚さんからだった。


「もしもし、東条です。」


「渚です。東条さん、今どちらにいらっしゃいますか?」


「今、会社を出たところですが?」


「今からそちらへ向かいますから、少し待っていてもらえますか?」


「分かりました。待っていますね。」


「ありがとうございます。急いで向かいます。」


電話が切れた。


「何だ? 急に……。とりあえず待っているか。」


俺は会社の前で井澤さんが来るのを待つ事にした。


それから十分ほど経った頃――。


一台の車が会社の前に停まった。


見覚えのある車だった。


井澤さんの車だ。


車から馬場さんが降りて来て、俺のところへやって来た。


「東条さん、お待たせしました。どうぞ乗って下さい。」


「分かりました。」


俺は馬場さんに案内され、車へ乗った。


そのまま車は走り出し、向かった先は昨日と同じ井澤さんの行きつけの店だった。


「またここなんですね。」


「はい。落ち着いて話せますから。」


俺たちは店の中へ入り、店員に案内されて個室へ向かった。


個室へ入り、俺たちはそれぞれ席に座った。


俺は昨日より少し気楽に話す事にした。


「今日はフラットに話させてもらうよ。それでナギサ、俺に用件は何だ?」


するとバレグが口を開いた。


「実は光属性専用武器が完成したんです。ただ、完成した武器の性能を見たら、ちょっとチート過ぎるんじゃないかと思いまして……運営側へ問い合わせをしたんです。」


「それで、運営側の回答は?」


「問題無いとの回答でした。」


「だろうな。正規ルートで製作した武器なら、運営も問題無いって答えるだろうしな。」


俺はそう言いながら、二人へ尋ねた。


「それで、製作した武器は杖と何だ?」


「長剣です。」


「長剣か。」


するとナギサが、完成した二つの光属性専用武器のステータス画像を俺に見せてくれた。


――――――――――――――――――――――


【雷神帝杖】

レア度★10 品質★10


耐久:50000

効果:攻撃4600 知力2500 体力1500


スキル:

【光魔法・極】【雷魔法・極】

【回復魔法・極】

【ライトシールド】【サンダーレイン】

【サンダーウェーブ】

【ホーリーストーム】


奥義:【雷神帝召喚】


――――――――――――――――――――――


【雷帝神抜刀剣】

レア度★10 品質★10


耐久:70000

効果:攻撃5500 腕力3500 俊敏2500


スキル:

【雷神剣】【雷帝盾】

【迅雷抜刀】【疾風轟雷剣】

【雷速斬】【神雷虚空刀】


奥義:【雷帝神斬鉄抜刀剣】


――――――――――――――――――――――


俺は二つの武器のステータスを見ながら、しばらく固まっていた。


なんつう武器を製作してんだよ、二人は……。


そりゃあ、チートだと思うわな。


運営側へ問い合わせたのは正解だよ。


俺は心の中でそう思いながら、改めて二つの武器のステータスを見ていた。


「…確かにこれは、運営へ問い合わせたくなる性能だな。」


「ですよね? 自分たちも完成した時は流石に驚きましたから。」


バレグも少し困ったように笑っていた。


「それにしても、二人とも【鍛冶】と【錬金】のレベルはいくつなんだ?」


俺が尋ねると、ナギサが答えた。


「私は【鍛冶】Lv20、【錬金】Lv18よ。バレグも同じよ。」


「相当やり込んでるな。」


俺がそう言うと、今度はバレグが俺へ尋ねてきた。


「トレンはどれくらいなんですか?」


「俺は【鍛冶】Lv64、【錬金】Lv64だ。」


「「え?」」


ナギサとバレグは一瞬固まった。


「レベル高っ!! それなら強い武器を作れるはずよ!!」


ナギサは驚きながら俺へツッコんでいた。


するとナギサは、少し真剣な表情になった。


「私たち、初めて製作した武器が完成してから実際に使ってみたのよ。攻撃力が凄くて、魔物を一撃で倒してしまったの。」


「一撃か……。」


「はい。それで自分たち、この先の武器や防具、アイテム製作が少し不安になりまして……。トレンに一度相談したかったんです。」


俺はナギサとバレグの話を聞きながら、これまでの事を思い出していた。


「俺たちも似たような経験をしてきたよ。武器や防具を製作して強くなったと思っても、実際に魔物と戦っていくと予想外の事ばかり起きたからな。」


「予想外の事?」


「ああ。壁を乗り越えたと思ったら、また新しい試練が来る。その繰り返しだったよ。」


俺は今まで戦ってきたボス級魔物や、何度も経験した奇襲や襲撃を思い出していた。


「強い武器を作ったから、それで終わりじゃない。実際に使って戦っていけば、今度は自分たちに足りない物が見えてくる。その時にまた考えて製作すればいいんじゃないか? 俺たちもそうしてきたからな。」


ナギサとバレグは、俺の話を静かに聞いていた。


「トレンに相談して良かったわ。正直、これからどうすればいいのか少し不安だったから。」


「自分もです。話を聞いて少し安心しました。ありがとうございます。」


俺は二人の言葉を聞くと、少し考えてから口を開いた。


「ナギサ、バレグ。俺から最初で最後のアドバイスだ。」


「「アドバイス?」」


二人は俺の言葉を聞き、真剣な表情になった。


「ナギサとバレグは今、光の大精霊エンジェルクライズ様から【始まりの試練】を受けている。それを乗り越えたら、また新しい試練が来ると思う。」


俺は今まで自分たちが経験してきた事を思い出しながら続けた。


「でも、それとは別に目には見えない本当の試練が来る時もある。これはナギサとバレグ自身にしか分からない事だ。いつかその時が来たら、今日の話を思い出してくれ。これが俺からのアドバイスだ。」


ナギサとバレグは、俺の言葉を聞いて静かに頷いた。


「ありがとう。不安だったから、やっぱりトレンに相談して良かったわ。」


「トレンのアドバイスはちゃんとメモしておきました。これなら忘れないので大丈夫です、ナギサ。」


「バレグ……いつの間にメモしてたのよ。」


俺はそんな二人を見ながら少し笑っていた。


その後、俺たち三人は色々と雑談をしながら、閉店まで楽しく飲んでいた。


そして井澤さんの車で自宅まで送ってもらい、就寝するのであった。


二日後――。


俺はいつも通り会社で仕事をこなしていた。


午後になった頃、西石と若い社員が三日間の出張を終えて会社へ戻って来た。


「東条本部長。ただいま出張から戻りました。」


「三日間お疲れ様。それでどうなった? 西石部長。」


俺が尋ねると、西石は少し笑って答えた。


「はい。お蔭様で無事に契約を取る事が出来ました。」


その言葉を聞いた瞬間、部署内から大きな拍手が起こった。


若い社員は少し照れながらも、嬉しそうな表情をしていた。


俺は若い社員のところへ向かった。


「大型契約おめでとう。かなり重圧もあっただろう。それでもよく頑張ったな。お疲れ様。後の事は俺と西石部長でやっておくから、今日はもう退社しなさい。」


「ありがとうございます。これも西石部長が色々とアドバイスをしてくれたお蔭で契約する事が出来ました。」


若い社員はそう言って、西石へ頭を下げた。


すると西石は、若い社員を見ながら口を開いた。


「いや、最後に三条グループと話して契約を取ったのはお前だからな。そこは自信持っていいぞ。」


「はい。ありがとうございます。」


若い社員は嬉しそうに頭を下げた。


その後、俺と西石は専務室へ向かい、三条グループとの契約が無事に決まった事を報告した。


「そうか。無事に契約出来たか。二人ともお疲れ様。社長には私から報告しておくよ。」


「ありがとうございます。」


「ありがとうございます。」


俺と西石は専務へ一礼し、専務室を出た。


その後も仕事を進め、社員たちは十六時前になると次々と退社していった。


俺と西石も十八時には仕事を終え、会社を退社した。


そして俺たちは、そのままいつもの居酒屋へ向かった。


「三日間お疲れさん、西石。」


「無事に契約出来ましたからね。正直、途中までは契約無理かなって思ったっすよ。予想外の出来事もあったっすからね。」


「予想外? 何かあったのか?」


「出張中、若い社員と居酒屋で飲んでたんすよ。そしたら偶然、三条グループの担当者と三条社長が店に来たんす。」


「三条社長が?」


「そうっす。それで三条社長から、一緒に飲まないかって誘われて、四人で座敷で飲む事になったっす。」


「それは二人とも緊張しただろうな。」


「自分も最初はそう思ったっす。でも意外だったんすよ。仕事の時とは全然違って、凄く和む雰囲気の人だったっす。気付いたら自分も三条社長と意気投合してたっすからね。」


「なるほどな。仕事とプライベートをしっかり分ける方なんだな。」


「そうみたいっすね。それに若い社員も担当者の人と意気投合してたっす。あの時間があったから、契約の時も少し緊張が和らいだんじゃないかって思うっすよ。」


「そうか。本当にお疲れさん、西石。今日は俺が奢るから飲もう。」


「アザース。遠慮なく飲むっすよ。明日は休みっすからね。」


「ほどほどにな(笑)」


こうして俺たちは、三条グループとの大型契約が無事に決まった事を喜びながら、楽しく飲んでいた。


そして飲み終えた俺たちはそれぞれ帰宅し、就寝するのであった。

今回もお読みいただきありがとうございます。


今回は、久しぶりに掲示板を確認したトレンが、攻略組の状況や各ギルドから発生するイベントなど、他のプレイヤー達の動きを知ることになりました。


そしてナギサとバレグからは、完成した【雷神帝杖】と【雷帝神抜刀剣】について相談を受けることになりました。


製作した武器の強さに不安を感じる二人へ、トレンは自分とリョウがこれまで経験してきた試練を振り返りながら、自分なりのアドバイスを伝えました。


現実側では、西石と若い社員が三条グループとの大型契約を無事に終え、若い社員にとっても大きな経験となりました。


最後になりますが、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、今後の執筆の励みになります。


これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。

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