EPISODE.282話〘ナナとマイの素材採取――そして予想外の収穫〙
今回もお読みいただきありがとうございます。
今回は、ナナとマイが【水薬草】を求めて、水の精霊の里で素材採取を行います。
新しく覚えた【捜査】や【鑑定】を使いながら、二人は少しずつ素材を集めていきます。
そして採取を続ける中で、思いがけない素材を見つける事になります。
それでは本編をお楽しみください。
翌日――。
俺たち四人は宿屋を出て、目的の【水薬草】を採取しに向かおうとした。
その時、大精霊ウンディーメード様が俺たちの前に現れた。
「おはようございます。ウンディーメード様。」
「「おはようございます。」」
「おはよう。みんな、これから【水薬草】の採取へ向かうのね?」
「はい。その予定です。」
ウンディーメード様はそう聞くと、ナナの傍にいるヴィーナへ視線を向けた。
「ナナ、一つお願いがあるのだけどいいかしら?」
「私にですか? 何でしょうか?」
「今日だけ、ヴィーナを私に預けさせてもらえないかしら?」
「ヴィーナをですか?」
ナナは少し驚いた表情をしていた。
「ええ。少しヴィーナと一緒に過ごしたいのよ。」
ナナはヴィーナを見ると、少し考えてから頷いた。
「分かりました。ウンディーメード様にお願いします。」
「ありがとう、ナナ。ヴィーナは私が責任を持って預かるから安心してね。」
「はい。よろしくお願いします。」
するとヴィーナはウンディーメード様の元へ向かった。
ウンディーメード様はヴィーナを連れて、その場を後にした。
俺とリョウは昨日ウンディーメード様と話した事について、何も言わなかった。
これはナナとヴィーナの問題だ。
今はウンディーメード様に任せる事にした。
「それじゃ、俺たちも行くか。」
「そうっすね。【水薬草】を採取しに行くっすよ。」
「「ええ。」」
俺が先頭に立ち、ナナとマイを【水薬草】の採取場所まで案内した。
里を出て三十分後――。
俺たちは目的の採取場所へ到着した。
「この辺りなら【水薬草】が採取出来るよ。」
「分かったわ。それじゃ探してみるわね。」
「私もやってみるわ。」
ナナとマイは早速【捜査】を発動し、続けて【鑑定】を使いながら周囲を探し始めた。
俺とリョウは二人の様子を見ながら待つ事にした。
しばらくすると――。
「あっ、見つけたわ!」
「こっちにもあるわよ、ナナ。」
ナナとマイは【水薬草】を発見すると、早速採取を始めた。
依頼に必要な【水薬草×5】はすぐに集まった。
だが二人はそのまま採取を続け、周辺にある他の素材も次々と集めていった。
それから一時間後――。
ナナとマイが採取した素材を確認する事にした。
――――――――――――――――――――――
【水薬草】×30
【水魔草】×20
【水属肥料】×15
【水精霊の雫】×10
【???】×1
――――――――――――――――――――――
「結構採取したわね。マイ。」
「ええ、二人合わせてかなりの収穫ね。でもナナ、これだけ【鑑定】出来ないわね。何でだろ?」
マイは【???】と表示されている素材を見ながら首を傾げていた。
「トレン、リョウ。ちょっと来て!」
マイが俺たちを呼ぶ声が聞こえ、俺とリョウは二人の元へ向かった。
「どうした? マイ。俺たちを呼んで何かあったのか?」
「これなのよ。私とナナが【鑑定】しても、何なのか全然分からないの。」
マイは俺たちに【???】と表示された素材を見せた。
「二人の【鑑定】のスキルレベルは?」
「私もマイもLv12よ。」
「それなら仕方ないっすね。ある程度【鑑定】のレベルを上げないと、希少以上の素材は鑑定出来ないっすよ。」
「そうなの? ちなみにトレンとリョウは今いくつなの?」
「俺はLv64だよ。」
「自分はLv46っす。」
「「…………高っ!」」
ナナとマイは俺たちの【鑑定】レベルを聞いて驚いていた。
「それじゃトレン、お願いしてもいい?」
「わかった。鑑定するぞ。」
俺はナナとマイが採取した【???】に【鑑定】を使った。
すると鑑定結果が表示された。
「…………え?」
俺は表示された内容を見て、そのまま固まってしまった。
「トレン? どうしたっすか?」
俺の表情を見たリョウは嫌な予感を感じたのか、自分でも【鑑定】を使った。
「…………まじっすか?」
今度はリョウまで鑑定結果を見て固まっていた。
ナナとマイは、そんな俺たちを不思議そうに見ている。
「トレン、リョウ。二人ともどうしたの? 鑑定した結果、それ何なの?」
「そんなに驚くような素材なの?」
俺はもう一度鑑定結果を確認してから、二人に答えた。
「これ……【水臨樹種】だ。」
「「【水臨樹種】??」」
ナナとマイは意味が分からない様子だった。
するとリョウが二人に説明した。
「【水の精霊の里】にあった【水臨大樹】。それの種が、ナナとマイが採取した【水臨樹種】っすよ。」
「「え?……【水臨大樹】の種……。」」
ナナとマイは一瞬固まった。
「「ええええぇぇぇぇ〜!! なんでそんなのが見つかるのよ!!」」
ナナとマイは驚いて叫んでいた。
しばらくして二人が落ち着くと、ナナが【水臨樹種】を見ながら俺に聞いた。
「トレン……これ、私たちが持っていて大丈夫なの?」
「俺にも分からないよ。こういう物は勝手に判断しない方がいいと思う。」
「そうっすね。ウンディーメード様に一度見てもらった方がいいっすよ。」
「そうね。それが一番いいわ。私たちには荷が重いわよ。」
「こんな希少素材は、ウンディーメード様に返還した方が賢明よ。ナナ。」
こうして俺たちは採取を終え、【水の精霊の里】へ戻る事にした。
だが、この【水臨樹種】が後にナナとマイにとって重要なトリガーになる事を、二人はまだ知らないのであった。
今回もお読みいただきありがとうございます。
今回は、ナナとマイが【水薬草】を求めて、水の精霊の里で素材採取を行いました。
新しく覚えた【捜査】や【鑑定】を使いながら素材を集めていく中、二人は【水薬草】だけでなく、様々な素材を採取する事になります。
そして最後に見つけた【???】の正体は、まさかの【水臨樹種】でした。
自分たちでは【鑑定】出来なかった素材が、水の精霊の里にある【水臨大樹】の種だと知り、ナナとマイも驚きを隠せませんでした。
この【水臨樹種】が、今後二人にとってどのような意味を持つのか、これからの物語の中で見守っていただければと思います。
最後になりますが、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、今後の執筆の励みになります。
これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。




