EPISODE.281話〘水の精霊の里での一日――託された新たな依頼〙
今回もお読みいただきありがとうございます。
今回は、再び【水の精霊の里】を訪れたトレンとリョウ、そして初めて里を訪れたナナとマイの一日になります。
美しい街を楽しむ中、トレンとリョウの元へ水の大精霊ウンディーメードが訪れ、新たな依頼を託します。
そしてナナとヴィーナに関する話も、少しずつ動き始めます。
それでは本編をお楽しみください。
俺とリョウは再び【水の精霊の里】を訪れ、ナナとマイは初めて見る街並みに驚いていた。
「綺麗な街ね。水の都って感じね、マイ。」
「本当にそうね。水の街で綺麗ね。従魔たちも喜んでいるわ。」
ナナとマイがそう言うと、ウンディーメード様は嬉しそうに微笑んだ。
「そう言ってもらえると嬉しいわね。」
そしてウンディーメード様は俺たちに宿の場所を教えてくれた。
「宿の主人には話を通してあるから、ゆっくり休むといいわよ。ナナ、マイ、街の散策も自由だし、武器・防具・アイテムも購入出来るから安心して楽しんでいきなさい。」
「「わかりました。ウンディーメード様。」」
俺たちはウンディーメード様に案内され、宿屋へ向かった。
宿屋へ入ると、主人が俺たちを出迎えてくれた。
ナナとマイは荷物を置くと、初めて訪れた【水の精霊の里】を散策するため街へ向かった。
俺とリョウは部屋へ入り、のんびりとくつろいでいた。
すると――。
コンコン。
突然、部屋の扉をノックする音が聞こえた。
「トレン、リョウ。いるかしら?」
「「ウンディーメード様!?」」
俺は慌てて扉を開けた。
そこにはウンディーメード様が立っていた。
「ごめんなさいね。突然来て。」
「大丈夫です。中へどうぞ。」
俺はウンディーメード様を部屋の中へ招いた。
ウンディーメード様が椅子へ座ると、俺は用件を聞いた。
「ウンディーメード様、来られた用件は?」
「実は、ある湖の調査をトレンとリョウにお願いしたいのよ。もちろん報酬は出すわ。」
「湖の調査ですか?」
俺がそう聞いた瞬間――。
俺とリョウの目の前に突然画面が現れた。
――――――――――――――――――――――
特殊イベント:【レドヴァース湖の調査】
場所:【パームレグ森林】
報酬:???
――――――――――――――――――――――
「特殊イベント……?」
俺は表示された内容を見る。
【パームレグ森林】は西エリアにある森林だったはずだ。
何故、水の大精霊ウンディーメード様が西エリアにある湖の調査を俺たちへ依頼するんだ?
俺はウンディーメード様に理由を聞いた。
「ウンディーメード様、何故俺たちに?」
「実は、そこにいる我が水の精霊達からの反応が無いのです。」
「「!!!?」」
俺とリョウは驚きを隠せなかった。
水の精霊達からの反応が無い。
その言葉を聞いた瞬間、俺は嫌な予感を感じていた。
リョウを見ると、同じ事を考えているような表情をしている。
精霊喰らい……。
これまで俺たちは、精霊を襲う精霊喰らいのボス級と何度も闘ってきた。
今回も同じとは限らない。
だが、水の精霊達から反応が無いと聞けば、どうしてもその存在が頭をよぎってしまう。
俺はリョウに相談しようとした。
「リョウ、この特殊イベント……。」
「言わなくてもいいっすよ。受けるつもりっすよ。断る訳ないっすからね。」
「わかったよ。それじゃ受けるぞ。」
俺たちは特殊イベントを受ける事を選択した。
すると画面が切り替わる。
【特殊イベント『レドヴァース湖の調査』を受注しました】
「ありがとう。本当に感謝するわ。トレン、リョウ。」
ウンディーメード様は俺たちに感謝を伝えた。
「いえ。水の精霊達に何か起きているなら、俺たちも放っておけませんから。」
「そうっすよ。」
そして俺は、今回【水の精霊の里】へ来たもう一つの目的をウンディーメード様へ話す事にした。
「ウンディーメード様、実はナナとマイの依頼が【水薬草】なんです。それで素材採取の許可をお願いするために、今回ここへ来たんです。」
「そしてナナのヴィーナが、異常過ぎるくらいテンション高かったっす。」
ウンディーメード様は少し驚いた表情を見せた。
「詳しく聞かせてもらえますか?」
「わかりました。」
俺たちはウンディーメード様に、ここへ来るまでの経緯を説明した。
ナナとマイが商業ギルドで【水薬草×5】の採取クエストを見つけた事。
そのクエストを見る度に、ヴィーナが何かを訴えるように異常なくらいテンションが高くなっていた事。
そして俺とリョウが【水薬草】は【水の精霊の里】で採取出来る素材だと二人に教え、今回協力する事になった経緯まで話した。
更に今日、クエストを受注したヴィーナが再び興奮してしまい、昔のペルナギとサクメと同じような状態になっていた事も伝えた。
ウンディーメード様は俺たちの説明を聞きながら、何かを考えるような表情をしていた。
そして少しすると、ウンディーメード様は意外な返答をした。
「事情はわかったわ。その件は私に任せてもらっていいかしら?」
「お願いします。ウンディーメード様。」
「お願いするっす。ペルナギとサクメの時も同じ感じだったから、もしかしたらと思って相談したっす。」
「わかったわ。こちらで少し確認してみるわね。」
「「よろしくお願いします。」」
ウンディーメード様は俺たちとの話を終えると、部屋を後にした。
その後、俺とリョウは部屋でのんびりとくつろいでいた。
しばらくすると、街の散策を終えたナナとマイが宿屋へ戻って来た。
「二人ともおかえり。」
「ただいま。トレン、リョウ。」
「本当に綺麗な街だったわよ。色々なお店もあったし、見ているだけでも楽しかったわ。」
「初めて来たから、ついつい長く見て回っちゃったわね。」
ナナとマイは楽しそうに話していた。
その後、俺たちは四人で明日の予定について話し合った。
「それじゃ【水薬草】の採取は明日にするか?」
「ええ。それでお願いするわ。」
「私も大丈夫よ。」
「自分も問題無いっす。」
明日は四人で【水薬草】の採取へ向かう事に決まった。
その後はそれぞれ部屋へ戻った。
こうして俺たちは、明日の【水薬草】採取に備えて、それぞれ就寝するのであった。
だがこの採取が、ナナとヴィーナにとって大きなきっかけになる事を、この時の俺たちはまだ知らないのであった。
今回もお読みいただきありがとうございます。
今回は、再び【水の精霊の里】を訪れたトレンとリョウ、そして初めて里を訪れたナナとマイの一日となりました。
街を散策するナナとマイとは別に、トレンとリョウは水の大精霊ウンディーメードから新たな特殊イベント【レドヴァース湖の調査】を託される事になります。
さらに、ヴィーナが【水薬草】のクエストに強く反応していた理由についても、ウンディーメードへ相談する事になりました。
明日は四人で【水薬草】の採取へ向かいます。
ナナとヴィーナにとって、この採取がどのようなきっかけになるのか、引き続き見守っていただければと思います。
最後になりますが、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、今後の執筆の励みになります。
これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。




