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VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?  作者: うさだデジ子
初めてプレイする、VRMMO。第1エリア〜始まりの街編〜

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EPISODE.27話〘背負い込まないと誓った絆〙

ギルドの宿舎に泊まった翌日。


俺たちはすっかり体調も回復し、ルージュギルド長に会うためギルド長室を訪れていた。


[ルージュギルド長、三日間も治療して頂き、本当にありがとうございました。ご迷惑をおかけしました]


[いやいや、むしろこちらが感謝したいくらいだよ。念願だった[風鋼鉱石]を発見してくれたんだからな。……さて、それじゃあこれにサインをしてくれ]


そう言って差し出された書類を見て、俺たちは首を傾げた。


[……採掘権利証?]


[ああ。グラディア山岳の洞窟を調査した結果、あそこは未採掘区域だった。つまり、最初に発見し採掘した君たちに所有権が発生するんだ]

[えぇっ!?]


俺たちは驚きながらも、説明を受けて書類へサインをする。


[これで君たちは洞窟採掘の正式な所有者だ。他の冒険者がその洞窟で採掘を行った場合、売却額の40%が君たちへ入る。採掘した冒険者側には60%だ。ギルド側は鉱石素材の流通が目的だから問題はない]


俺たちは思わぬ権利に驚きつつも、納得して頷いた。

そして本題へ移る。


[それで、鍛冶錬金工房+露店販売店の権利証の件ですが……購入しようと思います]


[お、決断したか]

[はい。相談して決めました]


[よし。それじゃあ手続きを始めようか]

[お願いします]


ギルド長が秘書へ指示を出すと、数分後には必要書類が運ばれてきた。


俺たちは書類へサインを行い、現金100万Gを支払う。


[これで購入手続きは完了だ。設置はホームで自由に行ってくれ。それと、受付で指名依頼完了の手続きも忘れずにな]


[わかりました。本当にありがとうございました]

俺たちは一礼し、ギルド長室を後にした。


その後ホームへ戻り、工房と露店販売店の設置場所を相談して決める。

一通り終えた所で、俺は一旦ログアウトした。


[ふぅ……流石に疲れたな]

時計を見ると、既に夕方になっていた。


[今日はもうここまでにするか]

風呂へ入り、夕食を済ませた後、俺は何となく西石へ電話をかけた。


LINEでも良かったが、今日は声を聞きたい気分だった。


[もしもし、東条先輩? どうしたっすか?]

[ああ、今日はもうログインしないで休もうと思ってな。何となく電話したくなった]


[そうだったんすね。実は自分も、今日はもうプレイする気分じゃなかったっす]

[……西石もか?]


少し意外だった。

いつもの西石なら、次の素材採取や討伐の相談を真っ先に始めるタイプだからだ。


[どうした? いつもの西石なら、次の予定を話し始めるだろ?]


西石は少し黙った後、静かに話し始めた。

[……今回ばかりは流石に堪えたっす]

その声は、いつもよりずっと真剣だった。


[採掘が終わった後、突然[黒炎翼ラウザーバード]が乱入してきたじゃないっすか。東条先輩、真っ先にギルド長を逃がすよう指示したっすよね]

俺は黙って聞いていた。


[東条先輩とエアネスちゃんが魔法で足止めして、自分とナイトディランで渾身の一撃を入れた。協力魔法まで決まって、あと少しだと思ったんす]


だが――


[瀕死だったはずの[黒炎翼ラウザーバード]が狂気状態になって、体力まで回復した時、自分、本気でヤバいと思ったっす]


西石の声が少し震える。


[しかも東条先輩が吹き飛ばされて、岩壁に叩きつけられて……距離が遠くて、自分じゃ間に合わなかった。あの時、本当に東条先輩が殺られると思ったっす]


俺は静かに息を吐いた。

[……ああ、俺もあの時は死ぬと思ったよ]


正直に答える。


[倒されたらホームへ戻される。ステータスペナルティも、所持金半分没収もある。それでも、あの時の俺は冷静じゃなかった]


草原が黒炎で焼き払われた光景を思い出す。

[完全に頭に血が上ってた。勝てないと分かってても挑んでたんだ]


[東条先輩……]

[でも、【月乃轟璃雷】のみんなが助けてくれた。だから勝てたんだよ]


もし一人だったら、確実に負けていた。

俺はそう思っていた。


しばらく沈黙が続いた後、西石がゆっくり口を開く。


[……東条先輩、約束して下さい]

[ん?]


[自分やエアネスちゃん、ナイトディランを守ろうとして、一人で全部背負わないで下さい]


その言葉に、俺は目を見開いた。


[東条先輩、自分を犠牲にしてまで守ろうとしないで欲しいっす。戦う時は、自分も一緒っすから]


西石の声は真っ直ぐだった。

[……約束っす]


俺は少しだけ笑う。

[……ああ、わかった。約束するよ]


電話を切った後、俺は静かに天井を見上げた。

本当に、良い仲間に巡り会えた。


もちろん、エアネスもナイトディランも含めてだ。


俺は改めてそう心に誓い、そのまま眠りについたのだった。

これまで読んて頂いてる皆様、本当に感謝です。

ありがとうございます。

投稿出来ない日は必ずお知らせします。

今後ものんびり、投稿していきたいと思います。

よろしくお願いします(`・ω・´)ゞ

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