EPISODE.277話〘闇の精霊の里を後に――四人との新たな繋がり〙
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、【闇の精霊の里】での出来事を終えたトレンたち四人が、街へ戻るために里を後にするお話となります。
別れの挨拶を交わす中、これまで一緒に行動してきた四人にも新たな繋がりが生まれていきます。
そして長かった一週間の休暇も、いよいよ終わりを迎えます。
最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、EPISODE.277話をお楽しみください。
翌日、俺たちは帰る準備をしていた。
「さて、鉱石も素材もこの里で採掘と採取出来たしな」
「そうっすね。バウトとサンオンは先に宿屋を出るって言ってたっすね」
「そうだな。俺たちも準備出来たし、行くか」
俺たちは宿屋の主にお礼を伝え、宿屋を出た。
そして先に外で待っていたバウトとサンオンと合流した。
「遅くなって済まない」
「大丈夫ですよ。私たちもそんなに待っていませんから」
「お蔭様で特殊イベントも完了しましたので、アナウンスが流れましたので」
バウトの話によると、最初に【闇結晶鉱石】を採掘した時点で、特殊イベント達成のアナウンスが流れていたらしい。
そしてその後、【闇の大精霊アゼルオメガ】様が四体の【闇の精霊】を連れて来たのも、特殊イベントを達成した後の流れだったのではないかとバウトは考えていた。
「そうだったのか。それじゃ街に戻る前にアゼルオメガ様に挨拶してから帰るか」
俺たち四人は【大精霊の館】へ向かった。
そして館に到着したその時、アゼルオメガ様が俺たちを出迎えてくれた。
「どうしたのだ? 四人で私に何か用でもあるのかな?」
「はい。今日街に戻るので、その前にアゼルオメガ様へ挨拶をと思って来ました」
「今回、ここの里に来て良かったっす。それぞれの里に来て、いろんな精霊たちと交流出来て本当に良かったと思っています」
「私も初めて精霊の里に来ましたけど、神秘的で不思議な所だと思いました。そしてトレン、リョウが里を護る想いの理由が分かった気がします。来て良かったと思っています」
「そうですね。私もサンオンと同じ意見ですよ。最初はトレン、リョウがそこまで里を護ろうとする想いが正直理解出来ませんでした。でも実際に里に来て、何となく分かる気がしました。ここに来て本当に良かったと思っています。アゼルオメガ様、いつか必ず里に再び訪問します」
俺たち四人の里に対する想いを聞いたアゼルオメガ様は、嬉しそうに微笑んでいた。
「君たちが街に戻るなら、私から街の手前まで送ってやろう」
アゼルオメガ様の言葉に、バウトとサンオンは不思議そうな表情をしていた。
だが俺とリョウは何をするのか理解していた。
アゼルオメガ様が詠唱を唱えると、俺たちの目の前に空間が出現した。
そう【ワープ】である。
「君たちが契約した精霊たちも使えるからね」
「「え!? そうなの!?」」
そういえばステータスを確認した時、スキルに【ワープ】があったな。
全く気づいていなかったよ。
俺たちは完全にスキルを見落として驚いていた。
「【ワープ】は我々精霊たちが使う特別なスキルなのだよ。精霊以外にも極稀に使える者はいるが、数少ない力だからむやみに見せないようにしているのだ」
アゼルオメガ様は俺とリョウを見た。
「トレンとリョウは、その辺りも理解しているようだね」
「「え? トレンたちは【ワープ】を使えるの?」」
バウトとサンオンは、俺たちが【ワープ】を使えることに驚いていた。
俺は二人に、俺たちが【ワープ】を使えるようになった経緯を簡単に説明した。
ギルド長の指名依頼から【轟怪猿モンギレイド】の襲来。
そして【虹色結晶】を手に入れ、その素材から製作した杖を見せながら説明した。
「なる程、そうだったのですね」
バウトは俺たちの説明を聞いて納得していた。
「だから俺たちは、話さない方がいいと判断したのです」
俺はバウトとサンオンに、【ワープ】のことを簡単に他のプレイヤーへ話さない理由を伝えた。
「それなら私もバウトも同じ意見ですね。精霊たちの【ワープ】も知られたくない事情があるなら、私たちも話すつもりはありません」
俺たちの会話を聞いていたアゼルオメガ様は、嬉しそうに微笑んでいた。
「それじゃ街の手前まで四人を【ワープ】で私が送ってやろう」
アゼルオメガ様は【ワープ】を発動させた。
「アゼルオメガ様、本当にありがとうございます。またいつか訪問します」
「またいつか訪問に来るっす」
「私も同じく訪問に伺います。アゼルオメガ様」
「短い間でしたが楽しい訪問でした。アゼルオメガ様、いつか必ず里に再び伺います。ありがとうございます」
「また会えるのを楽しみにしているよ」
こうして俺たち四人は【ワープ】で【バグヴァラの街】の手前まで移動した。
そしてそのまま街へ戻って行った。
「バウト、サンオン。ここまで協力出来て本当に良かったっす。ありがとうっす」
「そうだな。俺も協力出来て良かったよ」
「いえいえ。私だけでは行けない場所があると今回改めて痛感しました。単独で活動するのも、そろそろ限界だと思いましたので。それにアゼルオメガ様の言われた意味も理解出来ました」
「そうですね。私もバウトと同じ意見ですよ。これからは別のエリアに行き活動する事になるので」
「その時はいつでも俺たちは協力するよ。な、リョウ」
「もちろんっすよ。バウト、サンオンに協力するっす」
こうして俺たちはバウト、サンオンとフレンド登録をした。
そして二人と別れ、俺とリョウはホームへ戻った。
その後、俺はログアウトした。
現実に戻り、時計を確認すると既に夕方になっていた。
「ふぅ〜、もう夕方か。早朝からかなりプレイしてたんだな。この一週間の休暇、本当に楽しんだな。さて、明日から仕事だし切り替えるか」
俺はそう言って夕食と入浴を済ませ、そのまま就寝するのであった。
こうして俺の一週間の休暇は終わり、明日から再び仕事が始まるのであった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
【闇の精霊の里】での出来事を終え、トレンたち四人は街へ戻ることになりました。
実際に精霊の里を訪れたことで、バウトとサンオンもトレンとリョウが精霊たちや里を護ろうとしている想いを少しずつ理解してくれたようです。
そして【ワープ】についても改めて話すことになり、四人の間で新たに共有するものも増えていきました。
最後にはバウト、サンオンとのフレンド登録も済ませ、今回一緒に行動した四人の繋がりもさらに深まる形となりました。
長かった一週間の休暇もこれで終わり。
様々な出来事があった休暇を終え、トレンは再び現実での仕事へ戻っていきます。
最後になりますが、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、今後の執筆の励みになります。
これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。




