EPISODE.271話〘トレンVS魔神アイムフィロゼ――長き激闘との終焉〙
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、トレンと魔神アイムフィロゼとの長い戦いが、ついに大きく動いていきます。
互いに譲らない最後の戦いがどのような結末を迎えるのか、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
それでは、EPISODE.271話をお楽しみください。
魔神アイムフィロゼは俺の挑発に乗り、更なる力を解放しようとしていた。
「殺す!!……貴様だけはこの俺様が殺すぅぅぅ!!」
アイムフィロゼの全身から、凄まじい漆黒のオーラが溢れ出していく。
そして――。
その姿が徐々に変わり始めた。
やがて漆黒のオーラの中から、アイムフィロゼの姿が現れた。
「なっ……あれが本当の姿か……」
顔は般若のような恐ろしい形相へ変わり、角からは黒い怨呪のオーラが溢れ出している。
だけど、それだけじゃない。
アイムフィロゼから感じる魔力の中に、俺は何か嫌なものを感じ取った。
(これは……精霊たちの……怨念?)
俺には、魔力を喰われた精霊たちの怨念が見えるような感じがしていた。
(ヴィグロッガズ、一撃で倒す。魔力を喰われた精霊たちが俺には見える感じだ……許せねぇ……)
すると【黎緑月麗光ヴィグロズナックル】に宿るヴィグロッガズが答えた。
(俺も同じ意見だ、トレン。ヤツは精霊の魔力を吸収して、自分自身を強化する魔神なんだ)
(精霊の魔力を……)
(ああ。精霊を捕獲して魔力を吸収し、自分の力に変えている。他の魔神四天王も、それぞれ違うタイプなんだ)
俺はその言葉を聞いた瞬間――。
怒りが一気に込み上げてきた。
洞窟内で見た、無惨な姿となった精霊たち。
アイムフィロゼは自分自身を強くするためだけに、精霊たちの魔力を奪っていた。
「許さない……」
俺の全身からオーラが溢れ出す。
「許さないぞ! クズがぁぁぁぁぁぁ!!」
凄まじい威圧が洞窟内へ広がっていった。
すると――。
アイムフィロゼの表情が僅かに変わる。
「……なっ……何だ……」
俺を見ていたアイムフィロゼが、何故か一歩後ろへ下がった。
「下等人間に……この威圧……この悪寒は……」
アイムフィロゼは自分自身の身体を見る。
「俺が………怯えてる……?」
だが次の瞬間――。
「ふざけるなぁぁぁ!! 人間が俺様に勝てるわけないだろうがぁぁぁ!!」
アイムフィロゼは怒りを爆発させながら構えを取った。
「一撃で貴様らを消してやる! 下等人間がぁぁぁ!!」
俺もアイムフィロゼを見ながら構える。
「奇遇だな。俺も一撃で倒すつもりだから」
「殺す!!……貴様だけはこの俺様が殺すぅぅぅ!!」
俺とアイムフィロゼは互いに一撃へ集中していた。
互いから溢れ出すオーラが洞窟内でぶつかり合う。
…………。
カツーン――。
岩壁から、小さな岩の欠片が地面へ落ちた。
その瞬間――。
俺とアイムフィロゼは同時に動いた。
「死ねやぁぁぁぁ!! 人間どもがぁぁぁぁ!! 奥義【暗黒魔空陣天翔虚空】!!」
アイムフィロゼの前に巨大な魔法陣が現れた。
そして魔法陣から暗黒の渦が広がっていく。
その中から一体の巨大な闇龍が姿を現した。
「消えろぉぉぉぉ!!」
闇龍の口から、凄まじい闇の虚空砲が放たれた。
俺は即座に召喚を発動させる。
「いでよ! 『炎虎』『水虎』『地虎』召喚!!」
俺の前に三体が姿を現した。
「「「ガォォォン!!」」」
「ヤツの攻撃を相殺してくれ!」
三体が同時に動く。
炎虎は全身から炎を放出する。
水虎は大量の水を放出する。
そして地虎も地の力を一気に放出した。
三つの力が重なり――。
俺たちの前に三重の障壁防御壁を作り上げた。
次の瞬間。
アイムフィロゼの闇虚空砲が三重の障壁へ直撃する。
ドゴォォォォォォォォォーン!!
「ト……トレン!!」
リョウの声が聞こえる。
凄まじい爆発が洞窟内を包み込み、辺り一帯が煙で何も見えなくなった。
やがて少しずつ煙が晴れていく。
だが――。
そこに俺の姿は無かった。
「フフフフ……」
アイムフィロゼが笑い始める。
「アハハハハハハッ!! 粉々に死んだな! 俺様を舐めるからこうなるんだよぉぉぉ!!」
だが――。
次の瞬間。
「……なっ!?」
アイムフィロゼの表情が変わった。
「バカな……」
周囲を何度も見渡している。
「俺様の奥義を喰らって、生きているはずがない……」
俺の姿は見えていない。
だけど――。
俺の気配だけは感じ取っていた。
「どこだ……」
アイムフィロゼは周囲を見渡す。
「どこにいるぅぅぅ!!」
姿が見えない。
それなのに、俺の気配だけは確実に存在している。
見えない恐怖に、アイムフィロゼは戦慄していた。
「何故だ!! ヤツが生きているんだよぉぉぉ!! 下等人間がぁぁぁ!!」
その時だった。
俺はアイムフィロゼの背後にいた。
三重障壁へ闇虚空砲が直撃する直前――。
俺は【ワープ】を使い、アイムフィロゼの背後へ移動していた。
アイムフィロゼは、まだ俺に気付いていない。
俺は拳へ全ての力を集中させた。
そして――。
「喰らいやがれ! アイムフィロゼぇぇぇ!!」
「なっ――!?」
アイムフィロゼが振り返ろうとする。
もう遅い。
「奥義【魔闘神滅殺瞬獄乱舞】!!」
ドシュッ!!
俺の姿が一瞬で消える。
「……バ……バカな……一体……何処に……い……」
アイムフィロゼは、何が起きているのか理解出来ていなかった。
誰一人として、俺の動きを目で追う事は出来なかった。
凄まじい速度で、連続蹴撃をアイムフィロゼの全身へ叩き込んでいく。
ドゴッ!!
ドガッ!!
ドゴォォォン!!
「グッ……ガハッ……!!」
まだ終わらない。
「ハァァァァァァァァ!!」
最後の蹴撃をアイムフィロゼへ叩き込んだ。
ドゴォォォォォォーン!!
「グワァァァァァ……!?」
グシャッ!!
全身を粉砕され、アイムフィロゼの身体が崩れていく。
「バ……バカ……な……俺様が……人間……ごとき……に……」
そして――。
断末魔すら最後まで上げ切ることなく、魔神アイムフィロゼは消滅していった。
…………。
俺はその場に立ちながら、アイムフィロゼが消滅した場所を見つめていた。
「……終わったか」
ようやく終わった。
だけど――。
「自分はまだまだ未熟だな。ヴィグロッガズのお陰だよ。もちろんリョウも、クライザーヴァイザも……みんなの力があったから勝てたんだ」
するとヴィグロッガズが答える。
(そうだな。俺たちだけの勝利じゃないからな)
「ああ」
俺は振り返り、リョウのところへ向かった。
こうして俺は、魔神四天王アイムフィロゼとの長い戦いに決着をつけたのであった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、トレンと魔神アイムフィロゼとの長い戦いに、ついに決着がつきました。
精霊たちの魔力を奪っていた事実を知り、怒りを力に変えたトレンは、最後の奥義でアイムフィロゼを討ち倒します。
次回は、長い戦いを終えたトレンたちのその後を楽しんでいただけたら嬉しいです。
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これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。




