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VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?  作者: うさだデジ子
第1エリア〜東エリア・バグヴァラの街編

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EPISODE.268話〘圧倒する魔神アイムフィロゼ――トレンの新たな試練〙

いつも読んでいただきありがとうございます。


今回は、トレンとリョウが魔神アイムフィロゼとの戦いを続けていきます。


更なる力を見せる魔神を前に、トレンがどのように立ち向かっていくのか。


新たな試練にも注目しながら、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、EPISODE.268話をお楽しみください。

魔神アイムフィロゼから感じる威圧が、更に強くなっていた。


俺とリョウはアイムフィロゼから目を離さず、更に集中力を高めていた。


その時――。


「…【暗黒魔弾丸】」


アイムフィロゼの拳から、闇の弾丸が放たれた。


速い!


「まずい! 【魔氷炎連弾】!!」


俺は即座に【魔氷炎連弾】を放つ。


ドドドドドォォォン!!


二つの攻撃が激突し、そのまま相殺した。


だけど――。


「まだまだいくぞぉぉぉ! 【暗黒魔弾丸】!!」


アイムフィロゼは両拳から【暗黒魔弾丸】を素早く連続で放ってきた。


「くっ! 【魔氷炎連弾】!!」


俺も負けじと連続で攻撃を放っていく。


ドドドドドドドドドォォォン!!


洞窟内で互いの攻撃が何度も激突する。


だが――。


徐々に俺の攻撃が押され始めた。


(マジかよ……)


アイムフィロゼの【暗黒魔弾丸】が俺の攻撃を次々と打ち消していく。


そして――。


ドゴォォォン!!


「ぐッ!」


遂に一発の攻撃を喰らった。


更に次々と【暗黒魔弾丸】が俺へ向かってくる。


ドドドドドォォォン!!


「ぐっ……なんつう威力だ……防ぎきれない……」


俺は何とか防ごうとする。


だが、アイムフィロゼは俺の隙を逃さなかった。


「【超魔神速】!!」


ドッシュッ!!


「なっ!?」


一瞬でアイムフィロゼが俺の目の前へ現れた。


「終わりだ! 死にやがれ! 【魔神爆雷撃破】!!」


「しまっ……!」


俺は咄嗟に腕を構えてガードする。


ドゴォォォォォォーン!!


「グハッ!!」


防ぎきれない。


俺は凄まじい勢いで吹き飛ばされ、そのまま岩壁へ激突した。


ドゴォォォン!!


「ぐっ……」


その時だった。


リョウがアイムフィロゼの背後へ回り込んでいた。


「喰らいやがれ! 【魔人剣】!!」


だが――。


「……無駄だ! 【暗闇盾】!!」


アイムフィロゼの前に闇の盾が現れた。


リョウの【魔人剣】が闇の盾へ激突する。


ドゴォォォン!!


しかし――。


【魔人剣】の威力が一気に殺されていく。


「なっ!? 【魔人剣】の威力を簡単に殺した……バカな!」


「無駄に死ね! 人間がぁぁぁ! 【魔神拳】!!」


アイムフィロゼの拳がリョウの腹部へ直撃した。


「ガハッ!!」


ドゴォォォォォォーン!!


リョウも凄まじい勢いで吹き飛ばされ、岩壁へ激突した。


俺は何とか身体を起こす。


「グハッ……強い……本気で……これ程かよ」


力を上げたアイムフィロゼの攻撃。


前に戦ったヴァイレファールスとは違う。


そしてリョウも腹部を押さえながら、ゆっくりと立ち上がろうとしていた。


「ゴフッ……一撃の……攻撃が……重い」


アイムフィロゼは俺とリョウを見ながら笑っていた。


「オイオイ、まだ本気を出したばかりだぜ! その程度でくたばるなよ。まだまだ楽しませろよな」


そして――。


「【超魔神速】!!」


再びアイムフィロゼが動いた。


(つ……強い……)


俺は迫ってくるアイムフィロゼを見ながら、一瞬そう思った。


(前の魔神とは違う相手だ……勝てない)


本当に一瞬だった。


だけど――。


俺は諦めるつもりなんて無かった。


勝ちたい。


こんなところで諦めたくない。


諦めるぐらいなら――。


(弱くても……ヤツを道連れにしてでも倒したい!)


俺は心の中で強く思った。


己の弱さを力に――。


その瞬間だった。


…………。


全てが止まった。


俺へ向かって来ていたアイムフィロゼも。


少し離れた場所にいるリョウも。


洞窟内の全てが止まっていた。


「な……何だ?」


俺だけが動ける。


すると――。


『全く。ようやく気付いた様だな。トレン』


突然、聞き覚えのある声が聞こえてきた。


「なっ!………闇の大精霊アゼルオメガ様!?」


俺の前に現れたのは――。


【闇の大精霊アゼルオメガ】だった。


『トレンよ。ようやく己の真の弱さに気付いた様だな』


「真の……弱さ?」


『左様。本能的に己の弱さが出れば、本来の力も極端に落ちる』


俺はアゼルオメガ様の言葉を黙って聞いていた。


『己の弱さ、強い意志、諦めない信念。四つある内、今までのお前は三つしか持っていなかった。それでは本来の力を引き出せても一瞬だ』


「四つ目……」


『そうだ。お前自身が気付いていなかった最後の一つだ』


アゼルオメガ様は俺を見ながら話を続ける。


「それは――弱くても勝つという信念だ」


「弱くても……勝つ信念」


「トレンよ。先ほどお前が本能的に思った本音を思い出せ」


俺は自分がさっき思ったことを思い返した。


『諦めるぐらいなら、弱くてもヤツを道連れにしてでも倒したい』


『それこそが、お前に足りなかった最後の一つ。弱くても勝つという信念だよ』


「俺に足りなかった……最後の一つ……」


ようやく分かった。


俺は今まで、諦めるつもりなんて無かった。


強くなりたいとも思っていた。


だけど――。


自分より圧倒的に強い相手でも、弱いままでも勝つ。


その覚悟が足りなかったんだ。


アゼルオメガ様は少し離れた場所で止まっているリョウへ顔を向けた。


『ただ、リョウはまだ気付いていないみたいだしね』


「リョウも?」


『自身で探さないと、この先は厳しい場所だからな』


アゼルオメガ様は再び俺へ顔を向ける。


『トレンよ。リョウには自分自身で見つけさせるのだ』


「……分かりました」


俺が答えると、アゼルオメガ様は頷いた。


『そしてトレン。お前は自分自身を覚醒させるのだ』


「覚醒……」


『【闇属性・極】を授けよう。そして我が加護も、お前だけに授けよう』


その瞬間――。


俺の身体を闇の光が包み込んだ。


【おめでとうございます。闇の大精霊アゼルオメガの加護により7つの加護を達成しました。これにより【素材採取師】から【素材採取精霊師】に進化しました。】


「なっ!?」


更にシステムメッセージが続く。


【おめでとうございます。副職【錬金召喚術師】から【錬金術従魔師】に進化しました。】


職業が……進化した?


俺が驚いていると、アゼルオメガ様が俺を見ながら話した。


『行くのだ、トレン。お前自身の力で勝ってみせろ』


「はい!」


その瞬間――。


アゼルオメガ様の姿が消えていく。


そして――。


止まっていた全てが再び動き始めた。


「死ねぇぇぇぇぇ!!」


アイムフィロゼが俺へ向かって迫ってくる。


だけど――。


さっきまでとは違う。


俺の身体から、今まで感じたことのない力が溢れ出していた。


俺は迫ってくるアイムフィロゼを真っ直ぐ見据える。


そして俺は、新たな力と共に覚醒するのであった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回は、魔神アイムフィロゼの圧倒的な力を前に、トレンとリョウが苦戦する戦いとなりました。


そんな中、トレンは自分自身の真の弱さに気付き、闇の大精霊アゼルオメガから新たな力を授かることになります。


次回は、覚醒したトレンがどのような戦いを見せるのか、楽しんでいただけたら嬉しいです。


最後になりますが、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、今後の執筆の励みになります。


これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。

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