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VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?  作者: うさだデジ子
第1エリア〜東エリア・バグヴァラの街編

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EPISODE.261話〘二人の出会い――ゲームが繋いだ大切な絆〙

いつも読んでいただきありがとうございます。


今回は、ナナとマイのSideストーリーとなります。


二人がどのように出会い、ゲームを通してどのような関係を築いていったのかを描いたお話になります。


二人の始まりを、最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、第261話をお楽しみください。

私の名は七瀬麗花。


超大手企業【七瀬グループ】の関連会社で、社長をしている。


そして、私の秘書をしているのが井野麻衣。


麻衣とは大学時代からの付き合いだ。


同じ学部で、たまたま隣同士になった事がきっかけで話すようになった。


最初は普通に話す程度だったけど、不思議と話が合い、いつの間にか一緒にいる事が多くなっていた。


大学を卒業する頃、私は麻衣にあるお願いをした。


「麻衣、卒業したら私の秘書になってくれないかしら?」


「え? 私が麗花の秘書に?」


「ええ。これから会社を一から作っていくつもりなの。だから、私が一番信頼出来る麻衣にお願いしたいのよ」


麻衣は突然のお願いに驚いていた。


だけど――。


「分かったわ。麗花がそこまで言ってくれるなら、私も一緒に頑張るわよ」


「ありがとう、麻衣」


こうして大学卒業後、麻衣は私の秘書になった。


私は父親の会社の関連子会社を一から立ち上げ、社長として仕事を始めた。


もちろん、最初から順調だった訳ではない。


会社を一から作る以上、色々な苦労もあった。


それでも私は、父親のコネを使うつもりはなかった。


自分自身の実力で会社を成長させたかったからだ。


そして麻衣にも支えてもらいながら仕事を続け、五年後――。


会社は急成長し、売り上げも大きく伸ばす事が出来た。


今では多くの社員を抱える会社になっている。


だけど、そんな麻衣には大学時代から意外な趣味があった。


それは――ゲームだ。


しかも、ただゲームが好きという程度ではなかった。


後から麻衣本人に聞いた話では、高校時代はプロ並みの格闘ゲーマーとして有名だったそうだ。


「麻衣って、そんなにゲームが上手かったの?」


「まあね。高校の時は格闘ゲームばかりやっていたから」


「だったら、プロになろうとは思わなかったの?」


私がそう聞くと、麻衣は少し考えながら答えた。


「誘われた事はあったわよ。でも、私はプロにならず大学へ進む事にしたの」


「どうして?」


「……嫌になったのよ」


「ゲームが?」


「違うわ。ゲームは今でも好きよ」


麻衣が嫌になったのは、ゲームそのものではなかった。


高校時代、一緒に遊んでいた友達やゲーマー仲間たちとの関係だったそうだ。


勝った、負けた。


誰が強い、誰が弱い。


そして負ければ、誰かのせいにする。


そんな言い合いが何度も続いていた。


「最初はみんなで楽しんでいたはずなのに、いつの間にか勝ち負けばかりになっていたのよ」


「そうだったのね……」


「ええ。それが嫌になって、プロになる話も断って大学へ進んだの」


私はその時、初めて麻衣がゲームから少し離れようとした理由を知った。


そんな麻衣が、ある日突然、私に聞いてきた。


「麗花、一緒にゲームやらない?」


「ゲーム?」


「そう。たまには仕事や勉強以外の事もやってみない?」


「でも私、ゲーム自体やった事ないわよ?」


「え?」


麻衣は驚いた顔で私を見ていた。


「本当に一度も?」


「ええ。子供の頃からほとんどやった事ないわね」


「それなら、なおさらやりましょう」


「なんでそうなるのよ」


思わず私は笑ってしまった。


こうして私は、麻衣に教えてもらいながら初めてゲームをする事になった。


最初は何をすればいいのか分からなかった。


操作方法も分からない。


ボタンを押し間違える。


思った通りにキャラクターを動かす事すら出来ない。


「麻衣、ちょっと待って。これどうやって動かすのよ」


「だから、さっき説明したでしょ」


「覚えられないわよ」


「大丈夫よ。最初はみんなそんなものだから」


麻衣は笑いながら、一つ一つ教えてくれた。


そして、色々なゲームを一緒に遊ぶようになった。


格闘ゲーム。


冒険するゲーム。


協力して敵を倒すゲーム。


最初は麻衣についていくだけだった私も、少しずつ操作に慣れていった。


そして――。


「麻衣、もう一回やりましょう」


「え? さっき終わりって言ってなかった?」


「今度は勝てそうなのよ」


「麗花……完全にハマってるじゃない」


「うるさいわね。楽しいんだから仕方ないでしょ」


麻衣はそんな私を見て笑っていた。


でも、その時の麻衣は以前より楽しそうにゲームをしていた。


勝ったから喜ぶ。


負けたから悔しがる。


それだけじゃない。


一緒に遊んで笑う。


失敗しても笑う。


また挑戦する。


私はゲームを始めたばかりだったけど、麻衣と一緒に遊ぶ時間が楽しくなっていた。


そして麻衣も、私とゲームをするようになってから、以前より楽しそうにしていた。


後になって麻衣から聞いた。


「麗花とゲームをするようになって、思い出したのよ」


「何を?」


「ゲームって、本当はこうやって楽しむものだったんだなって」


「そうなの?」


「ええ。勝つ事だけじゃない。一緒に遊んで、笑って、楽しむ。それを忘れていたみたい」


私はその言葉を聞いて嬉しくなった。


麻衣が私をゲームへ誘ってくれた。


そして私は、ゲームの楽しさを知った。


だけど同時に、私と一緒にゲームをする事で、麻衣も昔忘れていた大切な事を思い出していたのだ。


それからも私たちは、暇な時間を見つけては一緒にゲームを続けていた。


大学を卒業してからも、それは変わらなかった。


仕事が忙しい時もある。


社長と秘書という立場になっても、二人でゲームをする時間だけは、大学時代と変わらなかった。


そんなある日の事だった。


麻衣がネットを見ながら、私へ声を掛けてきた。


「麗花、これ見て」


「何?」


「凄いゲームが発表されたみたいよ」


「凄いゲーム?」


私は麻衣が見せてきた画面を見る。


そこには――。


これまでのゲームとは全く違う、次世代のVRMMOゲームが発表されたという記事が表示されていた。


この時の私はまだ知らなかった。


このゲームとの出会いが、私と麻衣にとって新たな世界への始まりになる事を。


そして、のちにトレンとリョウと出会い、私たちのVRMMOでの物語が大きく変わっていく事も――。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回は、ナナこと七瀬麗花と、マイこと井野麻衣の出会いから、二人が一緒にゲームを楽しむようになるまでを描いたSideストーリーとなりました。


ゲームをほとんどしたことがなかった麗花が麻衣を通してその楽しさを知り、そして麻衣も麗花と遊ぶことで、忘れかけていたゲーム本来の楽しさを思い出していきました。


大学時代から始まった二人の関係が、やがて次世代VRMMOとの出会いへ繋がっていきます。


次回も引き続き、ナナとマイのSideストーリーを描いていきますので、二人にどのような出来事が待っているのか楽しみにしていただけたら嬉しいです。


最後になりますが、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、今後の執筆の励みになります。


これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。

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