EPISODE.256話〘火霊結晶雫鉱石――白熱する争奪戦〙
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今回も【火霊結晶雫鉱石】の競りの続きになります。
残る四個の【火霊結晶雫鉱石】を巡り、再び競りが始まります。
果たしてどのような争奪戦になるのか。
最後までお読みいただけたら嬉しいです。
第一回目の【火霊結晶雫鉱石】一個の競りが終わり、次は二個の競りとなった。
一個でも四十六億Gまで上がった希少幻鉱石。
それが今度は二個。
俺とリョウも、どこまで金額が上がるのか予想もつかなかった。
そして主催者が、二個の競り開始を告げようとしていた。
「それでは皆様、お待たせいたしました! 続いて【火霊結晶雫鉱石】二個の競りを開始いたします!」
主催者が二個の【火霊結晶雫鉱石】へ手を向ける。
「開始価格は――五億Gからです!」
競りが始まった直後、すぐに入札が入った。
「十億G!」
「二十億G!」
「三十億G!」
そして――。
「五十億G!」
「五十億Gです!!」
僅かな時間で五十億Gまで跳ね上がり、会場内がざわつき始める。
だが、ここから各エリアの商人たちが本格的に動き始めた。
まず手を挙げたのは、東エリアの商人だった。
「六十五億G!」
すると、西エリアの商人もすぐに続く。
「七十五億G!」
「八十五億G!」
北エリアの商人が金額を上げると、今度は南エリアの商人が手を挙げた。
「九十五億G!」
「九十五億Gです!! 遂に百億G目前まで上がりました!」
主催者も興奮した様子で声を張り上げる。
俺とリョウも、あまりの勢いに驚きながら競りを見守っていた。
九十五億G。
もう少しで百億Gだ。
だが――。
今度は各エリアの鍛冶師たちが動き始めた。
東エリアの鍛冶師が手を挙げる。
「百億G!」
その瞬間――。
会場内から大きなどよめきが上がった。
「ひゃ、百億Gです!! 遂に三桁億へ突入しました!」
主催者の声が会場内へ響き渡る。
しかし、競りはまだ終わらない。
西エリアの鍛冶師がすぐさま手を挙げた。
「百五億G!」
続いて北エリアの鍛冶師。
「百二十億G!」
そして南エリアの鍛冶師も勝負に出る。
「百三十億G!」
「百三十億Gです!!」
会場内がさらに騒然となった。
「百三十億Gだと!?」
「まだ上がるのか!?」
「希少幻鉱石とはいえ、とんでもない金額になってきたぞ……」
それまで競っていた商人たちも、この金額になると次々と手を引き始める。
鍛冶師たちも互いの様子を窺いながら、慎重になっていた。
百三十億G。
さすがにここまでかと思った――その時だった。
それまで静かに競りを見守っていたサンオンが、ゆっくりと手を挙げる。
そして、普段と変わらない落ち着いた口調で金額を告げた。
「百五十億G。」
一瞬――。
会場内が静まり返った。
俺とリョウも、思わずサンオンへ視線を向ける。
「ひゃ……百五十億Gです!!」
主催者も驚きを隠せない様子で声を張り上げた。
次の瞬間、会場内から大きなどよめきが巻き起こる。
「百五十億G!?」
「一気に二十億Gも上げたぞ!?」
「二個で百五十億Gだと……!?」
南エリアの鍛冶師はサンオンへ視線を向けた後、しばらく考えていた。
だが、それ以上手を挙げることはなかった。
他の商人や鍛冶師たちからも、新たな入札はない。
主催者は会場内を見渡す。
「百五十億Gです! 他にご入札はございませんか!?」
しばらく待っても、誰一人として手を挙げなかった。
そして――。
「それでは、【火霊結晶雫鉱石】二個――百五十億Gで落札です!!」
こうして二回目となる【火霊結晶雫鉱石】二個の競りは、サンオンによって百五十億Gで競り落とされた。
そして――。
残る【火霊結晶雫鉱石】二個の競りが始まろうとしていた。
主催者は会場内を見渡すと、再び大きく声を張り上げる。
「それでは皆様、最後となる【火霊結晶雫鉱石】二個の競りを開始いたします!」
主催者が壇上に並べられた二個の鉱石へ手を向けた。
「開始価格は、先ほどと同じく五億Gからです!」
競りが始まった直後――。
「十五億G!」
いきなり金額が跳ね上がった。
続けて別の参加者が手を挙げる。
「三十億G!」
「四十億G!」
僅かな時間で四十億Gまで上がった。
主催者もその勢いに驚きながら声を張り上げる。
「開始早々、いきなり二桁億へ突入しました!! 四十億Gです!!」
会場内が再びざわめき始める。
だが――。
ここから各エリアの鍛冶師たちが本格的に動き始めた。
「六十億G!」
「八十五億G!」
そして――。
「百億G!」
その金額が告げられた瞬間、会場内から大きなどよめきが上がった。
「ひゃ、百億Gです!!」
主催者も興奮を隠せない様子で声を張り上げる。
「またしても百億Gへ到達しました!! 【火霊結晶雫鉱石】二個、今回も三桁億へ突入です!!」
各エリアの鍛冶師たちは、互いの様子を窺いながら競りを続けていた。
すると――。
それまで静かに見守っていたサンオンが手を挙げる。
「百二十億G。」
その一言で、会場内の空気が変わった。
「百二十億Gです!!」
主催者の声が響き渡る。
先ほどまで競っていた鍛冶師たちは、サンオンへ視線を向ける。
しばらく考えていたが、一人、また一人と手を引き始めた。
これで決まったか。
俺もそう思った――その時だった。
東エリアの最強錬金術師が、静かに手を挙げる。
「百四十億G。」
会場内が再びざわつく。
サンオンは東エリアの最強錬金術師へ視線を向ける。
そして――。
迷う様子もなく、再び金額を上げた。
「百七十億G。」
「ひゃ、百七十億Gです!!」
主催者も完全に興奮した様子で声を張り上げる。
会場内にいる商人や鍛冶師たちも、二人の競りを固唾を呑んで見守っていた。
百七十億G。
さすがに、これ以上は上がらないだろう。
そう思った次の瞬間――。
東エリアの最強錬金術師が、普段と変わらない落ち着いた表情のまま口を開いた。
「二百億G。」
一瞬――。
会場内が静まり返った。
俺とリョウも、思わず東エリアの最強錬金術師へ視線を向ける。
「に、二百億Gです!!」
主催者の声が会場内へ響き渡った。
次の瞬間、大きなどよめきが巻き起こる。
「二百億G!?」
「遂に二百億Gまで上がったぞ!!」
「希少幻鉱石二個に二百億Gだと……!?」
サンオンはしばらく壇上の【火霊結晶雫鉱石】を見つめていた。
だが――。
それ以上、手を挙げることはなかった。
東エリアの最強錬金術師も、静かに壇上を見つめている。
主催者は会場内を見渡した。
「二百億Gです! 他にご入札はございませんか!?」
誰一人として手を挙げない。
そして――。
「それでは、【火霊結晶雫鉱石】二個――二百億Gで落札です!!」
こうして最後の【火霊結晶雫鉱石】二個は、東エリアの最強錬金術師によって二百億Gで競り落とされた。
【火霊結晶雫鉱石】五個の落札総額は、三百九十六億G。
そして、これまで出品した五つの落札総額二百三億Gを合わせると――。
合計五百九十九億G。
「……トレン、もう六百億G目前っすよ」
「ああ……俺も計算して驚いたよ」
俺とリョウは、想像を遥かに超えた落札総額に驚きながら、残る二つの出品を待つのであった。
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、残る【火霊結晶雫鉱石】四個の競りとなりました。
二回に分けて行われた競りも終わり、トレンとリョウの出品は残り二つとなります。
ここまでの落札総額は、二人の予想を遥かに超えるものとなりました。
次回も引き続き、シークレット出品の続きをお届けします。
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