↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?  作者: うさだデジ子
西エリアの街・ギレンバラの街・オークション編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

253/323

EPISODE.252話〘シークレット出品――マジックポーション〙

いつもお読みいただき、ありがとうございます。

今回もシークレット出品の続きになります。


次に出品されるのは【マジックポーション】。


果たしてどのような競りになるのか。


最後までお読みいただけたら嬉しいです。

【ポーション・極】五本の競りが終わり、北エリアの商人によって三十億Gで落札された。


先ほどの【リフレクトポーション】五本と合わせれば、これで落札総額は三十五億G。


俺とリョウは未だ信じられない気持ちのまま、次の出品を待っていた。


そんな中、壇上では次の出品物の準備が進められていた。


【ポーション・極】が運ばれていき、代わりに二本のポーションが壇上へ並べられる。


その光景を見た参加者たちが、再び壇上へ視線を向け始めた。


主催者も準備が整ったことを確認すると、会場内へ向けて声を上げる。


「それでは皆様、続いての出品物をご紹介いたします!」


主催者が壇上に並べられた二本のポーションへ手を向けた。


「続いての出品物はこちら――【マジックポーション】二本です!」


その名前が告げられた瞬間――。


会場内の商人や錬金術師たちが一斉にざわめき始めた。


「マジックポーションだと!?」


「おい……まさか、これも……」


「ああ。ギルド四天王しか持っていない代物だぞ……」


【リフレクトポーション】。


そして【ポーション・極】。


それに続いて、今回の【マジックポーション】もギルド四天王しか持っていない代物として知られていたらしい。


だが、先ほどまでとは少し反応が違っていた。


参加者たちは驚きながらも、何かを察したように俺とリョウへ視線を向けている。


そして主催者は、そんな参加者たちの反応を見ながら説明を続けた。


「皆様もすでにお気づきかもしれません。今回の【マジックポーション】二本も、トレン様とリョウ様が製作し、出品されたものとなります!」


やっぱりか。


そんな声が会場内のあちこちから聞こえてくる。


「やっぱり二人だったのか……」


「これで三種類目だぞ……」


「ギルド四天王が持っている特殊なポーションは、一体どれだけ二人が製作しているんだ……?」


商人たちの視線が再び俺とリョウへ集まる。


俺たちはその視線を受けながらも、何も言わず壇上を見守っていた。


主催者は会場内が落ち着くのを待つと、【マジックポーション】の効果について説明を始める。


「それでは、こちらの【マジックポーション】の効果についてご説明いたします!」


「効果は至ってシンプルです。使用した者のMPを――完全回復させます!」


その瞬間、魔法を扱う参加者たちを中心に驚きの声が上がった。


「MPを完全回復だと!?」


「残りのMPに関係なく全て回復するのか!?」


「魔法職にとっては、とんでもないポーションじゃないか……」


【マジックポーション】の効果は、ただMPを完全回復させるだけだ。


だが、MPを大量に消費する戦闘では、その効果が大きな意味を持つらしい。


そして今回の【マジックポーション】が希少とされている理由は、効果だけではなかった。


主催者は続けて、製作に使用される素材について説明を始める。


「【マジックポーション】の製作に使用されている素材は、【魔力草】【魔力水】――そして【濃縮魔翠】です!」


【濃縮魔翠】。


その名前が告げられた途端、一部の錬金術師たちの表情が変わった。


「濃縮魔翠……」


「まさか、あれまで使っているのか……」


主催者はそんな錬金術師たちの反応を前に、【濃縮魔翠】について説明を続ける。


「【濃縮魔翠】は、非常に希少な【魔力翠結晶】を加工することで作られる素材となります!」


「そして【魔力翠結晶】が生成される場所は――各エリアに生息するドラゴンの巣となっている洞窟です!」


会場内が再びざわつき始める。


「ドラゴンの巣だと……?」


「そんな場所まで行かなければ手に入らないのか……」


主催者はさらに説明を続けた。


「ドラゴンの巣となる洞窟の奥には湖が存在します。その湖へ長い年月をかけてドラゴンの強大な魔力が浸透し、凝縮され、結晶化することで生まれるのが【魔力翠結晶】です!」


「その【魔力翠結晶】を加工することで、【マジックポーション】の製作に必要となる【濃縮魔翠】が作られます!」


その説明を聞いた参加者たちから、次々と驚きの声が上がる。


「なるほど……だから市場でもほとんど見かけないのか」


「そもそもドラゴンの巣へ入らなければ採掘すらできないじゃないか……」


「素材を手に入れるだけでも命懸けだぞ」


俺とリョウは、そんな声を聞きながら顔を見合わせた。


……そんなに入手するのが難しい素材だったのか?


俺たちはこれまで、ボス級のドラゴン系とも何度か戦っている。


その時にドラゴンの住処となっていた洞窟へ入り、奥にある湖から【魔力翠結晶】を普通に採掘していた。


だから俺もリョウも、そこまで珍しい素材だとは思っていなかった。


だが、会場にいる商人や錬金術師たちの反応を見る限り――。


どうやら、俺たちが普通だと思っていたことは、世間では全く普通ではなかったらしい。


しかも、難しいのは素材の入手だけではなかった。


一人の錬金術師が壇上の【マジックポーション】を見つめながら声を上げる。


「だが、素材を揃えたところで簡単に作れる物じゃないぞ」


その言葉に、周囲の錬金術師たちも頷く。


「ああ。【魔力草】【魔力水】【濃縮魔翠】の三種類を配合する工程が非常に難しい」


「我々錬金術師でも、製作に成功する確率は僅か五%ほどだ……」


「貴重な【濃縮魔翠】を用意できたとしても、ほとんどが製作に失敗する。それが【マジックポーション】だ」


成功率、五%……?


俺は思わず壇上の【マジックポーション】へ視線を向けた。


俺たちは、そこまで難しい製作だと思ったことはなかった。


素材を揃え、いつものように従魔たちと協力して製作していただけだ。


だが、当然ながら従魔たちが持つスキルについて説明するつもりはない。


俺とリョウにとって普通だった採掘。


そして普通だと思っていた製作。


どうやら、そのどちらも世間では普通ではなかったようだ。


主催者は錬金術師たちの話を聞いた後、改めて二本の【マジックポーション】へ手を向ける。


「素材そのものの入手が非常に困難! さらに製作成功率も僅か五%とされる【マジックポーション】!」


「今回は、その貴重な二本をまとめて出品いたします!」


その言葉を聞き、各エリアの商人たちが一斉に周囲の様子を窺い始めた。


先ほどまでとは明らかに空気が違う。


【リフレクトポーション】。


【ポーション・極】。


そして今回の【マジックポーション】。


二度の競りを経たことで、各エリアの商人たちは俺たちの出品物を完全に狙い始めていた。


主催者もその空気を感じ取ったのか、会場内を見渡して大きく息を吸う。


そして――。


「それでは、【マジックポーション】二本の競りを開始いたします! 開始価格は――五千万Gからです!」


競り開始の宣言と同時に、すぐさま手が挙がった。


「一億G!」


続けて別の参加者が手を挙げる。


「二億G!」

「三億G!」


そして――。


「四億G!」


僅かな時間で、開始価格の五千万Gから四億Gまで跳ね上がった。


「四億Gです! 今回も競り開始から一気に四億Gまで上がりました!」


主催者も興奮した様子で声を張り上げる。


「他にご入札はございませんか!?」


その直後――。


北エリアの商人が手を挙げた。


「MPを完全回復できるポーションを逃すわけにはいかない。八億G!」


一気に倍。


会場内からどよめきが広がる。


だが、すぐに東エリアの商人が動いた。


「製作成功率僅か五%の代物だぞ。十二億Gだ!」


「じゅ、十二億G!?」


「また一気に四億Gも上がったぞ!」


驚きの声が上がる中、今度は西エリアの商人が手を挙げる。


「次に手に入る保証などない。ここで勝負に出る。十六億G!」


「十六億Gです!!」


主催者の声が響き渡る。


俺とリョウは、静かに競りの行方を見守っていた。


……また、とんでもない金額になってきたな。


【マジックポーション】は二本しか出品していない。


それなのに、すでに十六億G。


各エリアの商人たちは、それでも競りを止める様子を見せなかった。


そして――。


最後に南エリアの商人がゆっくりと手を挙げる。


先ほどの【ポーション・極】では、北エリアの商人に競り負けている。


その南エリアの商人が、今度は迷うことなく金額を告げた。


「先ほどは競り落とせなかったが、今度こそ譲るつもりはない。二十億G!」


その瞬間――。


会場内が大きなどよめきに包まれた。


「に、二十億G!?」


「二本だけで二十億Gだと!?」


「一本あたり十億Gじゃないか!」


主催者も興奮を隠せない様子で声を張り上げる。


「二十億Gです!! 【マジックポーション】二本に、遂に二十億Gが提示されました!!」


北エリアの商人は少し考えた後、静かに首を横へ振る。


東エリア、西エリアの商人からも、それ以上の入札はなかった。


主催者は会場内を見渡す。


「二十億Gです! 他にご入札はございませんか!?」


しかし、誰も手を挙げない。


しばらく待った主催者は、大きく頷いた。


そして――。


「それでは、【マジックポーション】二本――二十億Gで落札です!!」


主催者の落札宣言と同時に、会場内から大きな拍手が沸き起こった。


こうして俺とリョウが出品した三つ目のアイテム【マジックポーション】二本は、南エリアの商人によって二十億Gで競り落とされた。


リョウが俺に聞こえるくらいの小さな声で呟いた。


「凄いことになったっすね、トレン」


「ああ。多分、次の出品は【エリクサーポーション】だろうけど……こりゃ予想以上の競りになりそうだな」


【マジックポーション】二本で二十億G。


ここまででも十分すぎるほど、とんでもない金額になっている。


それでも、俺たちの出品はまだ終わっていない。

次に何が起こるのか。


俺とリョウは、静かに次の出品を見守るのであった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回は、三つ目の出品となる【マジックポーション】について描かせていただきました。


トレンとリョウにとって普通だと思っていた素材の採掘や製作も、実際はそうではなかったことが明らかになりました。


そして二本の【マジックポーション】は、二十億Gという高額で落札される結果となりました。


しかし、二人の出品はまだ続きます。


次に控えているのは【エリクサーポーション】。


果たしてどのような競りになるのか、楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。


最後になりますが、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、今後の執筆の励みになります。


これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。