EPISODE.251話〘四大エリア商人の争奪戦――ポーション・極〙
いつもお読みいただき、ありがとうございます。
今回は、【ポーション・極】五本を巡る競りがいよいよ始まります。
トレンとリョウの出品物へ狙いを定め始めた各エリアの商人たち。
果たして【ポーション・極】を競り落とすのは誰なのか。
ぜひ最後まで楽しんでいただけたら嬉しいです。
【ポーション・極】の説明が終わり、いよいよ競りが始まろうとしていた。
先ほどの出品物が落札されたことで、各エリアの商人たちの目つきも明らかに変わっていた。
俺とリョウも予想できないまま、競りの開始を待っていた。
主催者は会場内を見渡し、参加者たちが競りの開始を待っていることを確認すると、大きく声を張り上げた。
「それでは、【ポーション・極】五本の競りを開始いたします! 開始価格は――一千万Gからです!」
また一千万Gからか。
先ほどの【リフレクトポーション】と同じ開始価格に、俺とリョウは顔を見合わせる。
だが、今回は驚いている暇もなかった。
主催者の競り開始と同時に、参加者たちが次々と手を挙げる。
「五千万G!」
「一億G!」
早くも一億Gを超えた。
しかし、今回はそれでも勢いが止まらない。
「二億G!」
「四億G!」
一気に四億Gまで跳ね上がった瞬間、会場内から大きなどよめきが広がった。
主催者も予想以上の上がり方だったのか、驚きながら声を張り上げる。
「よ、四億Gです!! 開始から僅かな時間で、四億Gまで上がりました!!」
「他にご入札はございませんか!?」
俺とリョウは何も言わず、競りの行方を見守っていた。
先ほど【リフレクトポーション】が五億Gで落札されたばかりだ。
そのため、今回は億を超えても多少は冷静に見ていられる。
……とはいえ、もう四億Gだけどな。
そんなことを考えていた、その時だった。
東エリアの商人が勢いよく手を挙げる。
「これほどのポーション、二度と手に入る保証はない! 八億Gだ!」
「は、八億G!?」
「一気に倍になったぞ!」
会場内から驚きの声が上がる。
俺も思わず東エリアの商人へ視線を向けた。
……八億G?
さっきの落札額をもう超えたぞ。
主催者も興奮した様子で、提示された金額を繰り返す。
「八億Gです!! 先ほどの【リフレクトポーション】五本の落札額、五億Gを早くも超えました!!」
だが――。
それだけでは終わらなかった。
今度は西エリアの商人が立ち上がる。
「他の出品物は諦める! 私はトレン様とリョウ様の出品に賭けるぞ! 十二億Gだ!」
その言葉と金額に、会場内が再び大きくざわめいた。
「じゅ、十二億G!?」
「今度は四億Gも上げたぞ!」
「他の出品を諦めてまで狙うのか!?」
どうやら先ほどの【リフレクトポーション】を見たことで、商人たちは俺たちの出品物を本気で狙い始めたらしい。
主催者も十二億Gという金額に興奮を隠せず、声を張り上げる。
「十二億Gです!! 遂に十億Gを突破しました!!」
「他にご入札はございませんか!?」
すると、今度は南エリアの商人が動いた。
「我々も同じだ! トレン様とリョウ様の出品は、まだ控えているかもしれない! こちらを優先する! 十五億G!」
十五億G。
その金額が告げられた直後――。
北エリアの商人も静かに手を挙げた。
「私も同じ考えだ。十八億G!」
「十八億Gです!!」
主催者の声が会場内へ響き渡る。
俺とリョウは表情こそ変えず、静かに競りを見守っていた。
だが、内心は全く静かじゃない。
……おい。
どこまで上がるんだよ。
もう十八億Gだぞ?
隣にいるリョウへ視線を向ける。
リョウも俺を見て、小さく首を傾けた。
どうやらリョウも、ここまで上がるとは思っていなかったようだ。
そして十八億Gまで到達したことで、東エリアと西エリアの商人は競りから手を引いた。
残ったのは――。
北エリアと南エリアの商人。
互いに譲る気はないらしく、二人は静かに視線を交わしていた。
会場内にも緊張した空気が広がっていく。
主催者が二人の様子を見ながら声を上げる。
「十八億Gです! 他にご入札はございませんか!?」
少しの沈黙。
そして――。
南エリアの商人が勝負に出た。
「……二十五億G!」
その瞬間――。
「に、二十五億G!?」
「一気に七億Gも上げたぞ!!」
「本気で競り落とすつもりだ!」
会場内が大きなどよめきに包まれる。
主催者も提示された金額に驚きながら、興奮した様子で声を張り上げた。
「二十五億Gです!! 遂に二十五億Gまで上がりました!!」
南エリアの商人は北エリアの商人へ視線を向ける。
一気に七億Gも引き上げたことで、これで決着する。
誰もがそう思い始めていた。
だが――。
北エリアの商人は競りから降りる様子を見せなかった。
ゆっくりと手を挙げる。
そして、落ち着いた口調で告げた。
「三十億G。」
一瞬――。
会場内が静まり返った。
そして次の瞬間。
「さ、三十億G!?」
「ポーション五本に三十億Gだと!?」
「また最高額を更新したぞ!!」
会場内がこれまで以上のどよめきに包まれる。
俺とリョウも、さすがに何も言えなかった。
……三十億G。
いやいや。
ちょっと待て。
さっきの【リフレクトポーション】が五億Gだったんだぞ?
それでも十分すぎるほど驚いたのに……。
今回は三十億G?
主催者も興奮を抑えきれない様子で、会場全体へ向けて叫ぶ。
「三十億Gです!! 【ポーション・極】五本、遂に三十億Gへ到達しました!!」
「そして――アイテム出品の最高額を再び更新です!!」
会場内から大きな拍手と歓声が沸き起こる。
主催者はその興奮が収まらない中、南エリアの商人へ視線を向けた。
「三十億Gです! 他にご入札はございませんか!?」
南エリアの商人はしばらく考えていた。
しかし、やがて小さく息を吐くと、静かに首を横へ振った。
これ以上は出さないようだった。
他の参加者たちからも入札はない。
主催者は会場全体を見渡す。
しばらく待っても、誰一人として手を挙げる者はいなかった。
そして――。
主催者は大きく頷き、高らかに宣言した。
「それでは、【ポーション・極】五本――三十億Gで落札です!!」
その宣言と同時に、会場内から盛大な拍手が沸き起こった。
こうして、俺とリョウが出品した二つ目のアイテム【ポーション・極】五本は、北エリアの商人によって三十億Gで競り落とされた。
俺とリョウは、しばらく何も言えずに壇上を見つめていた。
先ほどの【リフレクトポーション】が五億G。
そして今回の【ポーション・極】が三十億G。
二つ合わせれば――三十五億G。
まだ俺たちの出品は、二つしか終わっていない。
「……トレン。」
「……なんだ?」
「まだ俺たちの出品、残ってるっすよね?」
「……ああ。」
分かってる。
分かってるんだけど……。
俺はこれから出品される残りのアイテムを思い浮かべながら、心の中で呟いた。
……これ、本当にどこまでいくんだよ。
俺とリョウは早くも三十五億Gという落札総額に驚きながら、次の出品を待つのであった。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
今回は、【ポーション・極】五本を巡り、東・西・南・北エリアの商人たちによる激しい競りを描かせていただきました。
一千万Gから始まった競りは、最終的に三十億Gまで上昇。
北エリアの商人が【ポーション・極】を競り落とし、アイテム出品の最高落札額を再び更新する結果となりました。
【リフレクトポーション】と合わせて、早くも落札総額は三十五億G。
しかし、トレンとリョウの出品物はまだ残っています。
次は一体どのような競りになるのか、楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。
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これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。




