EPISODE.24話〘黒炎翼との極限戦闘と従魔進化〙後編
前話の後編です。
前編で一部修正をしましたm(_ _)m
黒炎翼ラウザーバードへ挑む俺たちは、ルージュギルド長の護衛をSS級ランク最強ギルド団【月乃轟璃雷】へ任せ、討伐へ集中していた。
[いくぞ!! リョウ!! エアネス!! ナイトディラン!! この草原を焼いた黒炎翼ラウザーバードを殲滅するぞ!!]
俺の号令と共に戦闘が始まる。
[いくぜ!! 我が名はトレン――精霊よ、我を護る守護精霊よ!! 我に力を授けたまえ!! 【風圧】!!]
俺が魔法を放つと同時に、エアネスも続けて詠唱した。
[我が名はエアネス。風よ、精霊よ、我らを護り、防げ!! 【エアーショット】!!]
[グギャアァァァァァァァ!!]
二つの風魔法が同時に命中し、黒炎翼ラウザーバードが悲鳴を上げる。
――だが、その時の俺は、いつもと違っていた。
怒りで我を忘れているはずなのに、不思議なほど冷静だった。
感情は激しく燃えている。
それなのに頭は極限まで冴え渡り、次の行動が自然と見えてくる。
まるで、無意識のまま極限集中状態――“ゾーン”へ入っているようだった。
しかし、その事に俺自身は気付いていない。
[リョウ!! ナイトディラン!! 攻撃が命中した!! 黒炎翼が落下する地点へ向かえ!! 例の魔法を撃つ!! 30秒間だけ攻撃を叩き込んでくれ!!]
[了解っす!!]
[ワォン!!]
リョウとナイトディランは即座に移動し、落下地点へ到着する。
[いくぜぇ!! 【闘魂】!! 【剣術】斬撃波!!]
[グルルルル……ワォォォォン!!]
ナイトディランの【雷撃】が黒炎翼ラウザーバードへ直撃する。
[ギシャァァァァァァァ!!]
空中でバランスを崩した黒炎翼ラウザーバードは、連続攻撃によって回避不能状態へ追い込まれていた。
そして――
俺はエアネスへ視線を向ける。
エアネスも頷いた。
[[我が名はトレン!!]]
[[我が名はエアネス!!]]
[[風の大精霊シルフフィムの名の下に、我らへ力を授けよ!!]]
[[協力魔法!! 【メテオエアーウィンド】!!]]
巨大な暴風の塊が黒炎翼ラウザーバードへ直撃する。
その瞬間、リョウとナイトディランはギリギリで離脱した。
轟音と共に黒炎翼ラウザーバードが地面へ叩きつけられる。
[やったっす!! これで決まりっすね!!]
[いや、まだだ!! 戦闘態勢を解くな!!]
俺の叫びと同時に、瀕死の黒炎翼ラウザーバードが再び立ち上がった。
そして――。
[ギャォォォォォォォォォォォォ!!]
狂気の雄叫びを上げた瞬間、その巨体が消える。
[左に避けろ!!]
咄嗟に叫んだ。
だが――。
俺だけが回避しきれなかった。
[がはっ……!!]
黒炎翼ラウザーバードの突撃をまともに受け、俺は岩壁へ吹き飛ばされる。
[やば……い……このままじゃ……]
その瞬間、俺の集中状態は完全に切れていた。
死を覚悟し、目を閉じる。
だが次の瞬間――
轟音と共に、黒炎翼ラウザーバードが地面へ叩きつけられた。
[若手を死なせる訳にはいかねぇだろ!!]
声の方を見ると――
【月乃轟璃雷】リーダー、イザギーラが立っていた。
さらに、その背後には【月乃轟璃雷】メンバー全員が集結していた。
[全く……若手だけに任せるなって話だ。アージェラ!! トレンの回復を頼む!!]
[わかりました。――【ヒール】]
柔らかな光が俺を包み込み、傷が癒えていく。
回復を施してくれたのは、【聖女】アージェラだった。
[黒炎翼より速く動けたぜ。だが、お前……自己犠牲は感心しねぇな]
そう言って笑うのは、【上忍】シンシュン。
先程、黒炎翼ラウザーバードへ神速の一撃を叩き込んだ人物だった。
黒炎翼ラウザーバードは再び起き上がり、嘴から爆炎を放とうとする。
[ゼッキ!!]
[任せろ!! 【ガードシールド】!!]
巨大な防御障壁が展開され、爆炎を完全に防ぎ切った。
[凄ぇ……]
[さすがSS級ギルドっす……]
俺たちは思わず圧倒されていた。
だが、その時。
黒炎翼ラウザーバードが再び咆哮する。
すると全身へ黒いオーラが纏われ始めた。
まだ力を隠していたのか……!?
俺たちが武器を構えた、その時。
イザギーラが俺たちを制止する。
[トレン、リョウ。ここから先は俺たちに任せろ]
[そうそう。お前ら、回復しててもダメージ蓄積ヤバいから休んでろ]
[俺たちより先に挑んで、あそこまで追い詰めたんだ。後は引き継ぐ]
[安心して下さい。私たちが討伐します]
[……お願いします]
俺はそう言うのが精一杯だった。
既に限界寸前だったのだ。
そして、俺たちは【月乃轟璃雷】へ全てを託した。
[エアネス!! 皆に【鎧風纏い】を!!]
エアネスは頷き、魔法を発動する。
[風の息吹を授けよ!! 【エアーストリーム】!!]
風の加護が【月乃轟璃雷】メンバーを包み込む。
[これは……バフか?]
[ああ、防御強化だ。今の俺にできる精一杯だよ]
[十分助かる!! 行くぞ!!]
まず動いたのはシンシュンだった。
[【風神速】!! 【双剣術】奥義――廻天六煉舞!!]
目にも止まらぬ速度で黒炎翼ラウザーバードへ連撃を叩き込む。
[ギシャァァァァァ!!]
続けてイザギーラが飛び込む。
[次は俺だ!! 【闘神】!! 【武闘術】奥義――烈破波動撃波!!]
凄まじい衝撃波が黒炎翼ラウザーバードへ炸裂した。
だが、黒炎翼ラウザーバードも最後の力を振り絞る。
巨大な爆炎を放とうとした、その瞬間――
上空から無数の光が降り注いだ。
[私を忘れてもらっては困りますよ]
アージェラが静かに杖を掲げる。
[我が名はアージェラ――聖なる裁きを与えよ。奥義【ホーリーレイン】!!]
無数の聖光が黒炎翼ラウザーバードを貫いた。
[ギシャァァァァァァァ!!]
黒炎翼ラウザーバードは断末魔を上げながら地面へ墜落する。
そして――静かに消滅した。
[任務完了だ。皆、お疲れさん]
イザギーラが仲間達へ声を掛ける。
その声を聞いた瞬間、俺は全身の力が抜けた。
[終わっ……た……]
意識が遠のく。
倒れそうになった俺を、誰かが支えていた。
[おっと。完全に気を失ったか]
イザギーラの声が聞こえたのを最後に、俺の意識は闇へ沈んでいった――。
――そして。
俺が目を覚ましたのは、二日後だった。
[……ここは?]
[商業ギルド宿舎ですよ。目を覚ましたんですね]
そう言って微笑んでいたのはアージェラだった。
[俺たち……どうやって戻ったんですか?]
アージェラは、その後の出来事を全て説明してくれた。
[……二日も寝てたのか]
[ですが、その間ずっとエアネスさんが看病していたんですよ。ナイトディランさんも、リョウさんの傍を離れませんでした]
俺はエアネスの頭を優しく撫でた。
[ありがとうな、エアネス]
[ありがとうっす、ナイトディラン]
その瞬間だった。
突然、エアネスとナイトディランの身体が光り始めた。
[!? どうした!?]
すると部屋へルージュギルド長達が入って来る。
[まさか、従魔進化の瞬間に立ち会うとはな]
[進化……?]
[一定レベルと条件を満たした従魔は進化する。お前達の従魔は、その条件を満たしたんだ]
[えええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!?]
病み上がり直後。
俺たちは突然の“従魔進化”へ驚愕するのだった。
――のんびりスローライフを送るはずだった俺たち。
だが気付けば、俺たちは普通のプレイヤーとはかけ離れた道を突き進んでいた。
……もっとも。
当の本人達は、まだその事に気付いていないのだが。
読んで頂いてる皆様、本当に感謝しお礼を申し上げます。(`・ω・´)ゞ
ありがとうございます。
明日から3日間(金土日)は投稿は1話しか投稿出来ませんのでご了承下さい。
リアル仕事で忙しいので、無理をせず、ゆっくり投稿していきます。
今後もよろしくお願いします(`・ω・´)ゞ




