EPISODE.23話〘指名依頼と潜む影黒炎の翼〙前編
今回のストーリーは、
ルージュギルド長の指定依頼主のクエストの話しです。
前編 後編にして2話分になってます。m(_ _)m
前編をお送りします。
イベント開催前――。
俺たちは商業ギルドに来ていた。
受付へ向かうと、受付嬢さんが俺たちを見るなり声を掛けてきた。
[こちらが指名依頼になります。受ける際は、こちらの指名依頼書へサインをお願いします。]
俺たちは依頼内容を確認した。
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指名依頼クエスト: 【グラディア山岳・鉱石採掘】
依頼主: 商業ギルド長ルージュ
報酬: 採掘した鉱石に応じて支払う
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……ルージュギルド長。
前に話してた“未発見鉱石探し”、本気だったんかい!?
俺は心の中で思わず叫んでいた。
[わかりました。依頼を受けます。]
俺たちはサインを終え、待ち合わせ場所のギルド長室へ向かった。
部屋へ入ると、ルージュギルド長が笑顔で待っていた。
[待っていたよ、トレン、リョウ。それにエアネス君とナイトディラン君も。では、グラディア山岳へ採掘に向かおう。]
……いや待て。
ギルド長の威厳どこ行ったん!?
今いるの、 “商業ギルド長ルージュ”じゃなくて、 普通の依頼主ルージュさんやんか!!
俺は思わず心の中でツッコミを入れていた。
俺たちは馬車でグラディア山岳へ向かっていた。
しかも馬車の周囲には護衛付き。
……そこまではまだ分かる。
問題は、その護衛だ。
最上級ランク冒険者ギルド団、 SS級ランク最強【月乃轟璃雷】。
……いやいやいやいや。
何で最強クラスの冒険者達が普通に護衛してるん!?
俺とリョウは馬車の中でガチガチに緊張していた。
対して当の本人――ルージュギルド長は普通にくつろいでいた。
……絶対おかしいって!!
移動中に現れた敵は、 【月乃轟璃雷】メンバー達が瞬時に討伐していく。
しかも全部一撃。
俺たちが攻撃する暇すら無い。
……って敵、 攻撃する前に瞬殺されてるんだけど!?
そのまま馬車は、グラディア山岳入口へ到着した。
[到着したな。ではトレン、以前採掘した場所まで案内を頼む。]
[了解です。]
……って護衛の人達まで一礼するん!?
いやいや、 何で俺らが案内役みたいになってるんだよ!?
緊張するんだけど!?
俺たちはグラディア山岳へ入っていった。
しばらく進み、 数時間後。
以前、俺たちが巻き込まれた中間草原へ到着した。
[ここが以前、魔草採取を終えた後に山岳ボスと遭遇した場所です。採掘場所はこの先の洞窟になります。]
俺が説明している間、 【月乃轟璃雷】メンバー達は周囲を静かに見渡していた。
まるで戦闘跡から何かを感じ取っているようだった。
説明を終えた直後、 一人の男が前へ出た。
[【月乃轟璃雷】リーダー、イザギーラだ。少し質問していいか?]
[どうぞ。答えられる範囲なら]
[俺のスキル【サイコメモリー】で、君達の戦闘記録を少し見させてもらった。]
……え? そんなスキルあるん!?
[特にトレン君。君は戦闘中、一瞬動きが止まっていた。従魔のエアネス君もだ。だが、その直後――急激に強くなっていた。あれは何だったんだ?]
その質問に、俺は少しだけ黙った。
そして静かに答えた。
[……すみません。その話は後でお願いします。先に採掘を終わらせたいので。]
俺はルージュギルド長へ視線を向けた。
[え? あ、ああ。そうだな。まずは採掘だ。案内を頼む。]
[了解です。]
俺はそれ以上答えなかった。
今は採掘を優先したかった。
そして目的地の洞窟へ到着した。
[ここが以前採掘した場所です。]
[おお……ここか。確かに私が過去に採掘した場所とは違うな。]
ルージュギルド長は周囲を見渡しながら頷いた。
そして俺は前から気になっていた事を聞いた。
[ギルド長、探している未発見鉱石って何なんですか?]
ルージュギルド長は腰の剣に触れながら静かに答えた。
[【風鋼鉱石】だ。見つかりにくい希少鉱石でね。この剣を新しく作り直す為に必要なんだ。]
その後、 俺たちは採掘を開始した。
俺は小声でスキルを発動する。
[――【捜査】]
すると、 薄緑色の点滅反応を発見した。
……これ、もしかして。
俺は慎重に掘り進める。
そして鉱石を取り出し、 即座に【鑑定】した。
次の瞬間――。
[……見つけたぁぁぁ!!風鋼鉱石だ!!]
[本当か!?トレン!!]
ルージュギルド長が駆け寄ってきた。
俺は鉱石を渡す。
[…………本物の風鋼鉱石だ。]
ギルド長は本気で驚いていた。
[もしかしたら、この周辺まだあるかもしれません。]
[よし!全員この周囲を採掘だ!!]
その後、 俺たちは大量の風鋼鉱石を発見した。
採掘を終えた後、 各鉱石を確認した。
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トレン・リョウ
【鉄鉱石】×60 【風鉱石】×30
【地鉱石】×30 【翡翠鉱石】×30
【浮遊石】×20 【風鋼鉱石】×50
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どうやら俺たちが発見した場所は、 かなり貴重な採掘地点だったらしい。
[この場所は未発見採掘地点だ。つまり発見者である君達が“採掘所有主”となる。]
ルージュギルド長は説明を続けた。
採掘所有主になった場合、 他の冒険者が採掘する際はギルドへの申請が必要になる。
さらに、 売却額の一部が所有主へ支払われる仕組みらしい。
……いや待て!?
これ普通にヤバい採掘場所なんじゃないか!?
[さて、目的の風鋼鉱石も手に入ったし街へ戻るか。]
ルージュギルド長がそう言った瞬間。
ナイトディランが突然吠えた。
[ワォォォン!!]
同時に俺は【捜査】を発動する。
そして――凍りついた。
[……来る。]
しかも、 虹翼ルガーギス以上の反応。
ヤバい。
本能が警鐘を鳴らしていた。
俺は即座に叫ぶ。
[敵襲!!しかもヤバいぞ!!全員警戒しろ!!]
その瞬間、 全員が戦闘態勢へ移行した。
そして次の瞬間――。
巨大な黒い翼が空を覆った。
[……黒炎翼ラウザーバード!?]
ありえない。
火山火口周辺にしか現れない魔物だ。
何でこんな場所にいるんだ!?
[来るぞ!!下がれぇぇ!!]
ルージュギルド長の叫びと同時に、 黒炎翼ラウザーバードが嘴を開いた。
次の瞬間、 爆炎が草原を焼き尽くした。
俺は、その光景を見て――ブチ切れた。
[……許さねぇ。]
草原が黒く焼け焦げていく。
[これ以上、この草原を燃やされてたまるか!!]
俺は武器を構え、叫んだ。
[リョウ!!ナイトディラン!!エアネス!!黒炎翼ラウザーバードを殲滅するぞ!!]
[[了解!!]]
こうして俺たちは、 再び壮絶な戦いへ突入するのだった。
次回は後編をお送りします。(`・ω・´)ゞ




