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VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?  作者: うさだデジ子
西エリアの街・ギレンバラの街・オークション編

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EPISODE.243話〘最後の出品――波乱を呼ぶ暗黒闇結晶〙

いつもお読みいただき、本当にありがとうございます。


今回は、オークション最後の出品となる『暗黒闇結晶』が登場します。


白熱する競りの行方、そして思わぬ展開を楽しんでいただけたら嬉しいです。


それでは、EPISODE242をお楽しみください。

会場内は静まり返り、参加者たちの視線は一斉に壇上へ集まっていた。


主催者はゆっくりと会場を見渡し、静かに口を開く。


[皆様、お待たせいたしました。]


[次の出品が、最後の出品です。]


[最後を飾る出品をご紹介いたします。]


その言葉に、会場内の空気が一変する。


参加者たちは期待と緊張が入り混じった表情で壇上を見つめていた。


やがて、一つの漆黒に輝く結晶がゆっくりと運び込まれる。


主催者は静かに結晶へ手を添えた。


[こちらは『暗黒闇結晶』です。]


その名が告げられた瞬間、会場内がざわめく。


[この暗黒闇結晶は、東エリア・ウォーバイムの街外にある『暗黒の森林』、別名『光の無い森林』に生息する魔物『スコープバッド』からのみ入手できる超希少結晶です。]


参加者たちは真剣な表情で耳を傾ける。


[スコープバッドの背中は結晶で覆われており、討伐する際に結晶へ少しでも傷が付いた瞬間、結晶は粉々に砕けてしまいます。]


会場内から小さなどよめきが広がる。


[さらに魔法攻撃が結晶へ触れた場合、結晶が反応し、その魔法を放った者だけが状態異常を受けます。]


[そして、この暗黒闇結晶には、麻痺・バーサーク・ダーク・超猛毒の四種類の状態異常効果が宿っております。]


[その四種類は同時に発動し、発動率はいずれも百パーセントです。ただし、ボス級の魔物に対しては瀕死状態でなければ効果は発揮されません。]


[非常に扱いが難しく、回収方法も特殊なため、超最高難易度の結晶とされています。]


参加者たちは思わず息を呑んだ。


主催者は静かに頷く。


[なお、出品者の意向により、二個まとめてではなく、一個ずつオークションを行います。]


その説明に、参加者たちは互いに顔を見合わせた。


主催者は会場全体を見渡し、高らかに宣言する。


[それでは、『暗黒闇結晶』一個目の競りを開始いたします。開始価格は三千万Gからです。]


その言葉と同時に、参加者たちが次々と声を上げる。


[五千万G!]

[八千万G!]

[一億G!]


競り額は、あっという間に一億Gへ到達した。


主催者も興奮した様子で声を張り上げる。


[またも一億Gです! 他にご入札はございませんか!?]


その声に応えるように、競り額はさらに上がっていく。


[一億五千万G!]

[二億G!]

[二億三千万G!]

[二億五千万G!]


会場内の熱気はさらに高まっていく。


その時だった。


サンオンが静かに手を挙げる。


[四億G。]


その一言に、会場内が大きくざわめく。


[またサンオンが動いた!]


[さすが武器・防具の完全生産職だ……!]


主催者も思わず声を張り上げる。


[本日二度目となる四億Gです! 他にご入札はございませんか!?]


その瞬間、一人の錬金術師が静かに口を開いた。


[四億五千万G。]


再び会場内がざわめく。


しかし、サンオンは表情一つ変えない。


静かに手を挙げる。


[五億G。]


その金額に、会場内はどよめきに包まれた。


[五億Gだと!?]


[これでサンオンで決まりだな……。]


誰もがそう確信し、主催者も大きく頷く。


[五億G! 他にご入札は――]


その時だった。


一人のプレイヤーが静かに立ち上がる。


会場内の視線が、一斉にその人物へ集まった。


そして、落ち着いた口調で言い放つ。


[まだだ。倍の十億Gだ。]


その一言に、会場内は一瞬静まり返る。


次の瞬間――。


大きなどよめきと歓声が会場を包み込んだ。


[じ、十億Gだと!?]


[まさか倍額だなんて……!]


[あのプレイヤーは……『東エリアの最強錬金術師』だ!]


主催者も興奮を隠しきれない。


[十億G! 遂に二桁へ到達しました! 他にご入札はございませんか!?]


サンオンは静かにそのプレイヤーを見つめると、小さく息を吐き、静かに手を下ろした。


会場内は静寂に包まれる。


主催者は会場全体を見渡し、大きく頷いた。


[十億G……他にございませんね?]


そして、高らかに宣言する。


[それでは、『暗黒闇結晶』一個目は十億Gで落札です!]


会場内には、なおも大きなどよめきが広がっていた。


俺は思わず、そのプレイヤーへ視線を向ける。


隣にいたリョウも、小さく首を傾げた。


[トレン、東エリアの最強錬金術師ってそんなに有名なんすか?]


[いや……俺も初めて聞いた。]


すると、近くにいた一人の参加者が俺たちの会話を耳にし、小さく笑みを浮かべる。


[知らないのかい。]


俺たちは、その参加者へ視線を向けた。


[『東エリアの最強錬金術師』は、東エリアじゃ知らないヤツはいないほど有名なプレイヤーだ。]


[錬金術に関しては右に出る者はいないとも言われている。]


その言葉に、俺とリョウは再び壇上へ視線を向ける。


(東エリアの最強錬金術師……か。)


俺は静かに、その姿を見つめていた。


十億Gで暗黒闇結晶を落札した『東エリアの最強錬金術師』は、静かに席へ腰を下ろす。


会場からは盛大な拍手が沸き起こっていた。


やがて拍手が静まり、主催者は笑みを浮かべながら会場全体を見渡す。


[皆様、大変お待たせいたしました。]


[続きまして、『暗黒闇結晶』二個目の競りを開始いたします。]


[開始価格は、一個目と同じ三千万Gからです。]


その言葉が響いた瞬間だった。


[一億G!]


開始価格を大きく上回る金額が、会場内へ響き渡る。


続けざまに声が上がる。


[一億五千万G!]

[二億G!]


競り額は、一気に二億Gへ到達する。


主催者も興奮を隠せない。


[いきなり一億Gを突破です! さらに二億Gへ到達しました!]


会場内の熱気は、先ほど以上に高まっていく。


競りは勢いを止めることなく続いた。


[三億G!]

[四億G!]

[五億G!]


誰もが暗黒闇結晶を手に入れようと、次々と入札していく。


さらに競り額は上昇する。


[七億G!]

[八億G!]


そして――。


[十億G!]


会場内から大きなどよめきが巻き起こる。


主催者も思わず声を張り上げた。


[またも二桁へ到達しました! 他にご入札はございませんか!?]


その熱気は、まだ終わる気配を見せてはいなかった。


会場内は熱気に包まれていた。


十億Gへ到達してもなお、競りが終わる気配はない。


その時だった。


サンオンが静かに手を挙げる。


[十五億G。]


その一言に、会場内は一気にざわめいた。


[じゅ、十五億Gだと!?]


[どこまで上がるんだよ……。]


主催者も興奮を隠せない。


[十五億Gです! 他にご入札はございませんか!?]


すると、一人のプレイヤーが静かに口を開く。


[十八億G。]


会場内の視線が一斉にその人物へ集まる。


[『東エリアの最強錬金術師』も動いたぞ!]


参加者たちは息を呑みながら競りの行方を見守る。


しかし、サンオンは表情を変えることなく静かに手を挙げた。


[二十億G。]


その瞬間、会場内は今日一番の歓声とどよめきに包まれる。


[に、二十億Gだと!?]


[遂に二十億Gまで来たぞ!]


主催者も興奮した様子で声を張り上げた。


[二十億G! さらに更新されました! 他にご入札はございませんか!?]


誰もが、この金額で決着したと思っていた。


[流石に二十億Gが限界だろう……。]


[これでサンオンに決まりだな。]


主催者も大きく頷き、落札を宣言しようとした、その瞬間だった。


一人のプレイヤーが静かに立ち上がる。


会場内は一瞬で静まり返った。


そして、落ち着いた口調で告げる。


[二十五億G。]


その一言が響いた瞬間――。


会場内は大歓声とどよめきに包まれた。


[に、二十五億Gだと!?]


[まだ上がるのかよ!]


[さすが『東エリアの最強錬金術師』だ……。]


主催者も驚きを隠せず、思わず声を張り上げる。


[二十五億Gです! 本日の最高額を大きく更新しました! 他にご入札はございませんか!?]


サンオンは静かに『東エリアの最強錬金術師』へ視線を向ける。


そして、小さく息を吐くと、ゆっくりと手を下ろした。


その姿を見た参加者たちは、静かに息を呑む。


会場内は再び静寂に包まれた。


主催者は会場全体を見渡し、大きく頷く。


[二十五億G……他にございませんね?]


静寂だけが会場内を包み込む。


やがて主催者は、高らかに宣言した。


[それでは、『暗黒闇結晶』二個目は二十五億Gで落札です!]


その宣言と同時に、会場内から今日一番の大きな拍手が沸き起こった。


参加者たちは最後の出品『暗黒闇結晶』が繰り広げた白熱の競りに、興奮を隠せずにいた。


十億G、そして二十五億G――。


誰もが予想しなかった落札額に、会場内の熱気はまだ冷める気配を見せない。


そんな様子を見つめながら、俺は静かに息を吐いた。


隣にいたリョウも、興奮した様子で口を開く。


[トレン、本当に来て良かったっすね。]


俺は小さく笑みを浮かべながら頷く。


[ああ。本当にそうだな。]


[まさか最後の出品が、ここまで盛り上がるとは思わなかった。]


リョウも大きく頷く。


[そうっすね。でも、オークションはまだ残ってるっすからね。]


その言葉に、俺は静かに壇上へ視線を向ける。


そして、小さく笑みを浮かべた。


[ああ。俺たちの出品が楽しみだな。]


こうしてオークションは、なおも続いていくのであった。


だが、この後に始まるシークレット出品で、予想外の衝撃と驚きの光景を目にすることを、トレンとリョウはまだ知らないのであった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回のオークションでは、暗黒闇結晶を巡る白熱した競りを描きました。


サンオンと『東エリアの最強錬金術師』の競り合いはいかがでしたでしょうか?


次回はいよいよシークレット出品です。


トレンたちも予想していない展開が待っていますので、ぜひ楽しみにしていただけたら嬉しいです。


最後になりますが、ブックマークや評価、ご感想をいただけますと、今後の執筆の励みになります。


これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。

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