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VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?  作者: うさだデジ子
西エリアの街・ギレンバラの街・オークション編

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EPISODE.238話〘現れた北エリアの大商人――静かなるサンオン登場〙

いつも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をお読みいただき、ありがとうございます。


今回から武器と防具のオークションが始まります。

思わぬ人物の登場により、会場の熱気はさらに高まっていきます。


ぜひ最後までお楽しみください。


それでは、本編をどうぞ。

アイテム出品が終了すると、主催者たちは次の武器と防具の出品準備に取り掛かっていた。


会場内も次にどのような武器や防具が出品されるのかと、期待に満ちた空気に包まれている。


その時だった。


ギィィ――。


会場の扉が静かに開いた。


一人のプレイヤーがゆっくりと会場内へ足を踏み入れた瞬間、会場のあちこちからざわめきが広がっていく。


[お……おい、まさか……。]


[あの人は……。]


ざわめきは次第に大きくなり、会場全体へと広がっていった。


そして、そのプレイヤーの姿をはっきりと目にした参加者たちは、一斉に驚きの声を上げる。


[サ、サンオンだ!]


[本当に来られたのか!?]


会場内は先ほどまでとは比べものにならないほどの熱気とどよめきに包まれていた。


その様子を見た俺とリョウは思わず顔を見合わせる。


[リョウ……誰だ?]


[俺も知らないっす。あんなに会場がざわつくなんて、ただ者じゃなさそうっすね。]


その時、一人の参加者が俺たちの会話を聞いたのか、苦笑しながら口を開いた。


[知らないのか? サンオンは北エリアじゃ知らない者はいないほど有名な商人だ。]


[普段は北エリアの街・スローヴォラの街を拠点に活動していて、滅多に他のエリアへ来られる方じゃない。]


[しかも、大商人リオポゼの技術と意思を受け継いだ継承者としても知られている。]


その説明を聞き、俺は思わずサンオンへ視線を向けた。


(そんなに有名だったのか……。)


すると、別の参加者も興奮気味に口を開く。


[サンオンが来られたってことは、今回の武器と防具のオークションは間違いなく当たりだ!]


[ああ! 資金を全部使ってでも競り落とす価値がある!]


[今日は絶対に手ぶらでは帰れないぞ!]


会場内の熱気はさらに高まり、参加者たちの期待は最高潮へと達していた。


俺とリョウは再び顔を見合わせる。


[リョウ、思っていた以上にすごい人みたいだな。]


[そうっすね。ここまで周りが騒ぐってことは、本物ってことっすね。]


俺たちは自然とサンオンへ視線を向けながら、これから始まる武器と防具のオークションを静かに待つのであった。


すると、サンオンはこちらへ視線を向けると、小さく一礼をした。


[……俺たちに?]


[みたいっすね。]


その仕草を見た俺は、思わず目を見開く。


(あの人……プレイヤーだったのか。)


サンオンが席へ着くと、会場内も次第に静けさを取り戻した。


主催者は参加者たちを見渡すと、大きく頷く。


[皆様、お待たせいたしました。これより武器と防具の出品を開始いたします。]


会場からは期待に満ちた拍手が響き渡る。


主催者はゆっくりと最初の出品物を紹介した。


[最初の出品物は――『赤精霊盾』です。]


その名が告げられると、参加者たちの視線が一斉に壇上へ集まった。


[こちらの赤精霊盾は、火の精霊の里でしか手に入らない超希少な盾です。]


[現在でも火の精霊の里の所在を知る者はほとんどおらず、市場へ流通することは極めて稀となっております。]


[なお、今回の出品は、長年愛用されてきた出品者様が引退を決意されたことにより、特別に出品された品となります。]


会場内から感嘆の声が漏れる。


[それでは、競りを開始いたします。]


[開始価格は百万円Gからです。]


[百万円G!]

[五百万G!]

[一千万G!]

[千五百万G!]


競りは開始直後から勢いよく進み、会場の熱気は一気に高まっていく。


俺は思わず息をのんだ。


[リョウ……上がり方が異常じゃないか?]


[そうっすね。でも、サンオンが来ただけで、ここまで変わるとは思わなかったっす。]


競り額はなおも勢いを緩めることなく上昇を続ける。


[三千五百万G!]

[三千八百万G!]


その時だった。


静かに様子を見守っていたサンオンが、ゆっくりと手を挙げる。


[四千五百万G。]


その一言が響いた瞬間、会場内は大きなどよめきに包まれた。


[サンオンが動いたぞ!]

[やはり狙っていたのか!]


しかし、一人の参加者も負けじと声を上げる。


[四千六百万G!]


会場の視線が再びサンオンへ集まる。


サンオンは表情を変えることなく、静かに口を開いた。


[五千万G。]


その落ち着いた一言に、会場は静まり返る。


誰一人として、それ以上の金額を口にする者はいなかった。


主催者は会場全体を見渡しながら確認する。


[五千万G、他にご入札はございませんか?]


静寂だけが会場を包む。


[五千万G……他にございませんね?]


主催者は大きく頷き、高らかに宣言した。


[それでは、『赤精霊盾』は五千万Gで落札です!]


会場からは大きな拍手が沸き起こり、サンオンは静かに一礼を返した。


会場内には、先ほどの競りの余韻が色濃く残っていた。


俺たちは静かにその様子を見つめていた。


[凄かったっすね、トレン。]


俺は小さく頷く。


[ああ。武器と防具は参考にさせてもらうよ。俺たちには俺たちらしいオリジナル武器と防具があるからな。]


[そうっすね。どれも大切な装備っす。それに、俺たちなら新しい武器や防具を製作してみたいっすからね。]


俺はリョウの言葉に笑みを浮かべ、小さく頷いた。


[ああ。そのためにも、今日はしっかり参考にさせてもらおう。]


俺たちは次に出品される防具へ視線を向けながら、それぞれの思いを胸にオークションを見守るのであった。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回は武器と防具オークションの幕開けと、新キャラクター「サンオン」が初登場しました。


次回は引き続き、防具の出品と競りが続いていきます。


どのような希少装備が登場するのか、楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。


よろしければ、ブックマークや評価、ご感想をいただけると、今後の執筆の励みになります。


これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。

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