↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?  作者: うさだデジ子
西エリアの街・ギレンバラの街・オークション編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

238/274

EPISODE.237話〘次の継承者に託す技術、最後の万能ポーション〙

いつも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をお読みいただき、ありがとうございます。


今回はギレンバラオークション・アイテム出品の最後を飾る、特別な出品物が登場します。


トレンとリョウがどのような決断をするのか、ぜひ最後までお楽しみください。


それでは、本編をどうぞ。

オークション会場の熱気に驚きながらも、俺たちは競りの流れを大体理解していた。


[リョウ、俺たちも欲しい物があれば参加しようぜ。]


[そうっすね。所持金は気にせず参加するってことっすね。]


[ああ、お互いに欲しい物があれば競りに参加するってことで。]


[了解っす。]


俺たちが話をしていると、次の出品が始まった。


俺たちはその後も競りの様子を見守っていた。


状態異常回復ポーションやステータス上昇ポーションなど、さまざまなポーションが次々と出品され、会場はそのたびに大きな盛り上がりを見せていた。


落札金額も数十万Gから数百万Gにまで跳ね上がる品もあり、改めてオークションの凄さを実感する。


だが、俺たちが欲しいと思える品は最後まで現れなかった。


気が付けば、アイテム部門もいよいよ最後の出品となっていた。


[皆様、お待たせいたしました。それでは、本日最後のアイテム出品をご紹介いたします。]


[本日最後のアイテム出品は――『万能ポーション』×5個です。]


その言葉が響いた瞬間、会場内が一気にざわつき始めた。


[おい……まさか万能ポーションだと!?]


[噂では、もう製作していないと聞いていたが……まさかオークションへ出品されるとは。]


[しかも万能ポーションが五個も出品されるなんて……。]


商人や錬金術師たちは驚きを隠せず、会場内は大きなどよめきに包まれた。


主催者は会場を見渡すと、静かに口を開いた。


[こちらの万能ポーションは、現在この世界で製作できる者がただ一人しか存在しない、超希少なポーションです。]


[使用すると、あらゆる状態異常を回復し、さらに全ステータスを五十%上昇させる効果があります。なお、その効果は一回の戦闘のみ有効となります。]


[入手は極めて困難であり、本日出品されるこの五個が最後の万能ポーションとなります。]


会場内は再びざわめき始めた。


主催者はその様子を見渡すと、さらに続けた。


[そして今回は、万能ポーションだけではございません。製作者のご厚意により、万能ポーションの製作レシピも付属いたします。]


その言葉が響いた瞬間、先程以上のどよめきが会場を包んだ。


[な、何だって!? 製作レシピまで出品されるのか!?]


[万能ポーションだけでも奇跡だというのに、製作レシピまで手に入るというのか……。]


[これは何としても競り落とさなければならん!]


会場内は興奮と驚きの声で包まれ、誰もが壇上へ視線を向けていた。


主催者は静かに頷くと、改めて口を開いた。


[今回は特別に、万能ポーションの製作者ご本人より、皆様へお伝えしたいことがございます。どうぞご登壇ください。]


会場の視線が壇上の奥へ集まる中、一人の老錬金術師がゆっくりと姿を現した。


深々と一礼した老錬金術師は、穏やかな表情で参加者たちを見渡した。


[皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます。私が万能ポーションを製作してきた者です。]


[長年この万能ポーションを製作してまいりましたが、年齢には勝てません。これ以上製作を続けることは難しいと判断いたしました。]


[本日出品した五個の万能ポーションが、私が製作した最後の品となります。]


[そして、この技術を途絶えさせたくはありません。そのため、私が長年培ってきた製作レシピも併せて出品することを決意いたしました。]


老錬金術師の言葉を聞き、会場は静まり返っていた。


俺はその姿を見つめながら、小さく息を吐く。


(俺なら……作れるのだろうか。)


スキルレベルもある程度ある。

工房もある。


だが、万能ポーションはまだ一度も製作したことのない未知のポーションだ。


それでも、不思議と不安よりも好奇心の方が強くなっていた。


(一度、挑戦してみたい……。)


[それでは、競り開始価格五百万Gから開始いたします。]


[五百万G!]

[七百万G!]

[一千万G!]

[千五百万G!]


万能ポーションと製作レシピを手に入れようと、参加者たちは次々と競り額を上げていく。


その勢いは今までの出品とは比べものにならず、競り額はさらに跳ね上がっていった。


[三千万G!]

[五千万G!]

[一億G!]


主催者は会場を見渡し、声を張り上げる。


[ついに一億Gを突破いたしました! まだまだ競りは続いております!]


俺は静かに壇上を見つめる。


(やっぱり……ここまで上がるか。)


その時、一人の錬金術師が意を決したように立ち上がった。


[くっ……一億二千万G!]


会場内から驚きの声が上がる。


しかし、それを見ていた一人の商人は小さく笑みを浮かべた。


(まだ想定内だ。この金額なら競り勝てる。)


商人は迷うことなく声を上げる。


[一億三千万G!]


その表情には、勝利を確信した余裕が浮かんでいた。


俺は小さく息を吸い込み、ゆっくりと手を挙げる。


[一億五千万G。]


その一言に、会場内は一瞬静まり返った。


[なっ……一億五千万Gだと!?]


商人は悔しそうに拳を握り締める。


(これ以上は利益が出ない……。ここは諦めるしかないか。)


錬金術師も静かに首を横へ振った。


主催者は会場全体を見渡しながら確認する。


[一億五千万G、他にご入札はございませんか?]


会場は静まり返り、誰一人として札を上げる者はいなかった。


[一億五千万G……他にございませんね?]


主催者は大きく頷き、高らかに宣言した。


[それでは、一億五千万Gで落札です!]


会場から大きな拍手が沸き起こり、万能ポーションと製作レシピの競りは幕を閉じた。


主催者は会場を見渡し、静かに口を開く。


[皆様、これにて本日のアイテム出品は全て終了となります。]


[続きまして、武器と防具の出品へ移らせていただきます。]


俺は小さく息を吐き、リョウへ視線を向けた。


[リョウ、とりあえず目的の品は手に入ったな。]


[そうっすね。二億Gは覚悟していたっす。]


[俺も同じ考えだった。一億五千万Gで落札できたのは運が良かったな。]


[そうっすね。それに、まだ所持金には余裕があるっす。]


俺は小さく頷いた。


[ああ。だからといって無駄遣いはできないけどな。次の出品にも欲しい物があるかもしれない。]


[了解っす。それじゃ気を引き締めていくっす。]


俺たちは気持ちを切り替え、次に始まる武器と防具の出品へ視線を向けるのであった。


最後までお読みいただき、ありがとうございました。


今回はアイテム出品の締めとなる、万能ポーションと製作レシピを中心に描きました。


次回からはいよいよ武器・防具の出品が始まります。


どのような装備が登場するのか、ぜひ楽しみにお待ちいただけると嬉しいです。


よろしければ、ブックマークや評価、ご感想をいただけると、今後の執筆の励みになります。


これからも『VRMMOでスローライフするつもりがなぜかソロ最強プレイヤー?』をよろしくお願いいたします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。