EPISODE.227話〘想いを背負う鎮魂の祈り――そして故郷、光の精霊の里へ〙
いつも読んでいただきありがとうございます。
今回は、光の精霊の里での出来事を描いたお話になります。
トレン達が胸に抱く想いと、その先にある祈りを見届けていただけたら嬉しいです。
それでは、第227話をお楽しみください。
ナナ、マイ、ナギサ、バレグの四人は、光の大精霊エンジェルクライズ様自らが出迎えてくれた事に、唖然としていた。
[待っていたよ。トレン、リョウ、レイディア、ニーナシュン。そしてナナ、マイ、ナギサ、バレグ、【翠烈陣氷帝】と【炎國乃黎闘翠】の皆よ。ようこそ、光の精霊の里へ。さぁ、入りたまえ。君たちを歓迎するよ。]
トレンたちは光の精霊の里へ入って行った。
[うわぁ~凄い光景だな。]
[光り輝く里だな。光の精霊たちっすね。]
[初めて精霊の里に来たけど、本当に神秘的ね。]
[そうですね。トレン、リョウ、ナナ、マイの従魔たちが、これほど喜んでいる姿を見れば、その気持ちもよく分かります。]
[今度は光の精霊の里に来たわね、マイ。]
[ええ、トレンとリョウには本当に感謝よね、ナナ。]
[気に入ってもらい何よりだよ。宿屋はこちらで手配しているから案内しよう。]
俺たちは、大精霊エンジェルクライズ様が用意してくれた宿屋へと案内された。
[宿の主には話を通してあるから、ゆっくり休むといい。街の散策も自由だし、武器・防具・アイテムも購入できるから安心して楽しんでいきなさい。]
俺たちは宿へ入り、宿の主人に出迎えられた。
その後、それぞれ部屋へ案内され、採掘は明日に決まり、しばらく休息を取る事になった。
宿で一息ついた俺とリョウは、窓の外を眺めながら静かに話していた。
[ナナたちは街に行ったっすね。]
[ああ、そうだな。遅くなってしまったけど、やっと里に戻って来れたしな。亡くなった光の精霊たちも……]
自分で口にしたその言葉をきっかけに、俺はあの時の出来事を思い出していた。
あの災害級西エリアボス――光魔竜翼冷翠黎轟ジンライベルエアーバーンは、光の精霊たちを『精霊喰らい』によって体内へ取り込み、魔力を全て吸い尽くしていた。
トレンたちとギルド四天王たちは激闘の末に勝利したものの、救出した時には既に手遅れだった。
光の精霊たちは魔力を奪われ、その命は尽きていたのだ。
トレンとリョウは、同じ過ちを繰り返さないと誓ったはずなのに、悔しさが滲んでいた。
そして今も、自分自身の弱さを痛感させられていた。
俺は再び虹色結晶を取り出し、ナーチに頼んだ。
精霊達を成仏させて欲しい――と。
ナーチは了承し、虹色結晶を砕いた。
砕けた結晶の光が、精霊達の遺体へと降り注ぐ。
すると、柔らかな光が溢れ、精霊達の魂が現れた。
光の精霊達は俺達へ静かに一礼すると、感謝を伝えるように微笑み――そのまま消えていった。
その後、ギルド四天王たちに協力してもらい、『四精霊の樹木』の枝木で棺を作り、精霊達の遺体を丁寧に納めていたのだ。
すると、ドアをノックする音が聞こえた。
[トレン、リョウ、いるかしら?]
[シーラレイさん、ローリエナさん。どうしたのですか?]
すると二人の後ろには、大精霊エンジェルクライズ様がいた。
[[大精霊エンジェルクライズ様]]
[トレン、リョウ、彼女たちから事情は聞いているよ。大精霊の館に来てくれないか。]
[わかりました。行きます。]
俺とリョウ、そしてシーラレイさんとローリエナさんの四人で、大精霊の館へ向かった。
[さあ、中へ入りなさい。]
俺たちは大精霊の館に入り、大精霊エンジェルクライズ様の後について奥まで進むと、光の精霊たちの墓所へと辿り着いた。
[ここに置いてくれないかい。棺まで造ってくれたそうだね。亡くなった精霊たちがこちらへ戻って来ると聞いていた。今は安らかに眠っているよ。]
俺とリョウは、マジックボックスから棺を取り出し、静かに並べていった。
[遅くなってしまったけど、故郷に戻れたね。安らかに眠ってくれ。そして……済まない……助けられず……]
俺はそう言って、涙を流した。
こうしてトレンとリョウは全ての棺を置き終え、静かに黙祷を捧げたのであった。
次回もお楽しみに。
これまで読んで頂いている皆様、評価して頂いている皆様、本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ
これも、ひとえに読んで頂いている皆様のお陰です。心より感謝申し上げます。
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