EPISODE.220話〘真の試練――リョウに立ちはだかる心の要塞〙
今回は特殊鉱石採掘・リョウ編
をお送り致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
トレンが魔獣四天王を瞬殺した一方、ヴィレダリア洞窟へ向かったリョウと【翠烈陣氷帝】のメンバーたちは、先に向かっていたナナたちと無事に合流した。
[採掘状況は?ナギサ、バレグ]
[今のところは、光銀鉱石だけです。]
リョウは即座に【捜査】と【鑑定】を発動させた。
(この辺りには無いっすね。更に奥へ進めば、光蘭雷鉱石・光金銅鉱石・光氷輪鉱石の三種類がある。だが、採掘場所はかなり険しい場所なんだよな。)
するとギールオルドラが、険しい表情を浮かべるリョウへ声を掛けた。
[どうしたんだよ、リョウ。険しい顔して、問題でも?]
[ギールオルドラさん、実は……]
リョウは三種類の鉱石がある場所を詳しく説明した。
[なる程ね。ローリエナ、ミューレイミ。ちょっといいか]
[どうしたの?私たちを呼んで]
[そうよ、余程の事なんでしょう?]
ギールオルドラは、リョウから聞いた内容を二人へ伝えた。
[そりゃあ断崖絶壁の場所なら厳しいわね。]
[リョウ、その場所は遠いのかしら?]
[今いる場所から300mほど奥へ行けば分かります。]
[分かったわ。ナナたちには私が伝えるわね。]
[お願いします。ミューレイミさん]
ミューレイミはナギサたちへ、この奥に鉱石があることを伝え、リョウたちも一緒に目的の場所まで向かった。
そして目的の採掘場所へ到着すると、断崖絶壁の中腹にぽっかりと開いた横穴の奥が採掘場所だと、ミューレイミがナギサたちへ説明した。
[なっ!……そんな……あの場所まで登れって事?無理よ。]
[私も正直、厳しいですね。ナギサ]
[私たちも無理ね。ナナ]
[無理よ。]
ナギサ、バレグ、マイ、ナナの四人は絶望していた。
しかし、リョウは諦めなかった。
[自分がいくっす。ナナたちは待機してくれっす。ナイトディラン、サクメ、ニーナシュン、シドレア。いくっす。]
ナイトディランの背中へ跨り、従魔たちも乗った。
そしてナイトディランは勢いよくジャンプし、断崖絶壁の中腹にある横穴へ飛び込んでいった。
[ありがと。ナイトディラン、お陰で採掘場所に着いたっすからね。]
リョウはスキルを発動させ、目的の場所まで従魔たちと歩いて行った。
歩くこと五分後、採掘場所へ到着した。
[ここかぁ。さて採掘する……!!ニーナシュン!!【聖天盾】]
ニーナシュンは【聖天盾】を発動し、リョウと従魔たちの周囲をドーム型の聖魔法防御で覆った。
リョウは気配を感じた方向へ向けてスキルを発動していた。
[ギジラ……ギジラ……ギジラァァァァ!]
[やっぱりいたか。最初はヴィレグルア森林樹で嫌な予感しか分からなかったが、ヴィレダリア洞窟入口付近に着いた俺たちへ気付き、洞窟へ身を潜め、魔獣四天王を操っていた首謀者……いや、魔獣王ファルヴァイ!]
そう、トレンとリョウはヴィレダリア洞窟入口付近へ到着した直後、スキルで異変を察知していたのだ。
ハーデスミラーキングとトレンの戦いを傍観し、トレンが苦戦を強いられている隙を狙い、ヴィレダリア洞窟入口へ魔獣四天王三体を配置した。そして洞窟内から再び傍観し、自らの勝利を確信していた。
だが予想外にも、トレンが三体を瞬時に討ち倒したため、ファルヴァイは今いる場所へ身を潜め、隠れていたのだ。
魔獣王ファルヴァイは即座に従魔たちへ狙いを定め、闇属性攻撃を放った。
[しまった!ナイトディランたちと離れて……間に合え!クソがぁ!]
リョウは必死に従魔たちを庇おうと駆け出した。
その瞬間、ナイトディランの後ろから声が響いた。
[ホーリーウォールシールド!!]
従魔たちはドーム型の聖魔法強化防御に包まれ、ファルヴァイの闇属性攻撃を完全に防いだ。
[え?……誰っすか!?]
ナイトディランの後ろから姿を現したのは、ローリエナだった。
[ローリエナさん!?どうやってここに?]
[私は咄嗟に、ナイトディランへ従魔たちが乗った瞬間、誰にも気付かれないよう一緒に乗ったのよ。リョウ、今のあなたは理性を見失っている状態よ。従魔たちから目を離していたでしょう?そろそろ自分自身で気付かなければ、このままでは死ぬわよ。]
ローリエナの厳しい一言を受け、リョウは一呼吸置き、トレンの言葉を思い出した。
[そっか……やっとトレンが言った意味が少しだけ分かったっす。自分自身で答えを探さないとな。]
リョウはローリエナの言葉をヒントに、何かを感じ始めていた。
だが今は、目の前にいるファルヴァイを倒すこと。そして同じ過ちを繰り返さないよう従魔たちを護り抜くこと。
そう覚悟を決めたリョウは集中力を極限まで高め、覚醒限界突破の領域へ入っていく。
装備をチェンジすると、ファルヴァイを鋭く睨みつけた。
[テメーは絶対に許さねぇぞ!クズがぁ!]
そしてリョウはローリエナへお願いした。
[ローリエナさん、従魔たちをお願いします。]
[ええ、分かったわ。従魔たちは私が護るから、あなたはヤツとの戦いに集中しなさい。]
[了解っす。いくぜ!魔獣王ファルヴァイ!!]
こうして、リョウと魔獣王ファルヴァイとの戦いが幕を開けるのであった。
次回もお楽しみに。
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