EPISODE.216話〘特殊素材採取――想いを力に、伝説の聖神獣の真・覚醒〙
今回、久しぶりの長文です。
ご了承下さい。
特殊素材採取編・サンダーギドラウルフVSナイトディラン編
をお送り致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
ミラーバタフライの捕獲に成功したトレンたちは、次なる特殊素材『雷光毒牙』を持つ魔物――サンダーギドラウルフを探していた。
トレンはミューレイミへ尋ねる。
[ミューレイミさん、雷光毒牙の素材は、どういう魔物なんですか?]
[雷を操り、牙には魔毒を宿すサンダーギドラウルフよ。その牙が今回の特殊素材なの。]
[しかも見つけても、とにかく速いのよ。捕獲も討伐も厄介な魔物なの。]
ローリエナとミューレイミは、サンダーギドラウルフについて詳しく説明してくれた。
その時――。
[ワォン!]
ナイトディランが鋭く吠えた。
[どうした? ナイトディラン。]
エアネスはナイトディランの傍へ歩み寄り、その意思を聞き取る。
[リョウさん。ナイトディランが、サンダーギドラウルフは自分に任せてほしいと言っています。]
[分かったっす。ナイトディラン、任せたよ。ただし危険だと判断したら俺が指示を出す。それでいいね?]
[ワォン!]
[決まりだな。リョウ、ナイトディラン、サンダーギドラウルフは任せた。俺たちは支援に回るからな。]
[了解っす!]
こうして作戦が決まり、一行はサンダーギドラウルフを探し続けた。
三十分後――。
遂に目的の魔物を発見する。
最初に気付いたナナが静かに指を差した。
[リョウ、見つけたわよ。あそこにいるわ。]
その姿を見たマイも思わず息を呑む。
[遠くから見ても……ヤバいオーラを感じるわね。]
リョウは静かにナイトディランへ視線を向けた。
[ヤツを頼んだよ、ナイトディラン。]
[ワォン!]
ナイトディランは主の期待に応えるように、サンダーギドラウルフへ向かって駆け出した。
ナイトディランはサンダーギドラウルフと静かに対峙した。
互いに張り詰めた空気の中、一歩、また一歩と慎重に間合いを詰めていく。
一瞬たりとも隙を見せれば勝負は決まる――。
そんな極限の緊張感が、その場一帯を支配していた。
離れて見守るトレンたちでさえ、その重圧を肌で感じ取り、思わず息を呑む。
互いの鋭い眼光が交錯する。
そして――。
互いのオーラが触れ合った、その瞬間。
ナイトディランとサンダーギドラウルフは、ほぼ同時に地を蹴り、一気に激突した。
凄まじい速度で互いの攻撃を繰り出し、激しくぶつかり合う。
その衝突によって巻き起こる風圧は凄まじく、離れているトレンたちでさえ思わず身体を踏ん張るほどの突風となって押し寄せる。
ナイトディランは、一歩も退くことなくサンダーギドラウルフとの激戦を繰り広げていた。
主・リョウから任されたナイトディランは、サンダーギドラウルフを一撃で仕留めるため、静かに機を窺っていた。
これまでリョウたちと共に戦いながら、その戦術や間合いを学び続けてきた。
主の為に、もっと強くなりたい。
その想いを胸に、ナイトディランはサンダーギドラウルフとの戦いを続けていく。
ナイトディランとサンダーギドラウルフの戦いは互角だった。
一歩も譲らない攻防が続く。
互いに凄まじい闘気を纏い、その力を激しくぶつけ合っていた。
そして、再び同時に動き出そうとした、その瞬間――。
突然、ナイトディラン以外の全てが停止した。
いや――。
止まっていたのは世界そのものだった。
すると、ナイトディランの目の前へ一頭の神々しい狼が静かに姿を現す。
それこそが、伝説の聖神獣――インフェルウルフだった。
(ナイトディランよ。我が名は伝説の聖神獣・インフェルウルフ。汝の想う力を、今こそ授けよう。最終形態――真なる姿への進化だ。主を護るため、その力を受け継ぐのだ。)
(はい……! 主の為に、もっと強くなりたい。俺は主を護る力を手に入れたい!)
(汝の願い、確かに受け取った。今こそ真なる姿へ進化せよ。そして、その名を叫ぶのだ――。)
(ゴッドホーリーインフェルウルフ!!)
インフェルウルフの身体は眩い光となり、ナイトディランを包み込む。
その神聖な光はナイトディランの闘気と融合し、やがて全身を覆い尽くした。
そして――。
止まっていた世界が再び動き出す。
同時に、ナイトディランは天へ向かって雄叫びを上げた。
[ワォォォォォォォォォォォォォォォォン!!]
轟く咆哮は大地を震わせ、周囲の森林樹を激しく揺らしていく。
その圧倒的な覇気に、離れて見守っていたトレンたちも思わず息を呑んだ。
やがて眩い光がゆっくりと消えていく。
そこにいた誰もが、その姿から目を離せなかった。
光の中から姿を現したナイトディランは、以前とは比べ物にならないほど神々しく、威厳に満ちた姿へと変貌していた。
[ナイトディランが……進化したっすか?]
リョウは、最終形態へと進化したナイトディランの姿に驚きを隠せなかった。
トレンはナイトディランを【鑑定】で確認した。
――――――――――――――――――――――
従魔:【ナイトディラン】
種族:【ゴッドホーリーインフェルウルフ】
基礎Lv60 契約者:リョウ
HP:1500 MP:1000
腕力:1200 体力:1000
俊敏:1500 器用:900
知力:700 精神:500
スキル:
【聖狼王】【広範囲察知】
【聖神獣速】【雷神壁】
【雷轟神撃】【炎煉轟神撃】
【氷炎轟神撃】【水轟爪】
【炎雷神】【氷雷神】
【風雷神】【縁雷神】
奥義:【ゴッドインフェルウルフの雷神轟】
固有加護:【伝説の聖神獣インフェルウルフ】
――――――――――――――――――――――
ハァァァァァァァァ!?
ゴッドホーリーインフェルウルフ!?
しかも……固有加護が伝説の聖神獣インフェルウルフだって……!?
[リョウ……自分で見た方が早い。確認してみな。]
[わかったっすよ。【鑑定】]
ちなみにトレンは【炎國乃黎闘翠】と【翠烈陣氷帝】のメンバー全員へ先に見せていた。
全員が驚愕し、言葉を失っていた。
さらにナナたちへ見せると――。
[[[[えぇぇぇぇぇ!!?]]]]
誰もが唖然と立ち尽くしていた。
リョウが【鑑定】を発動した瞬間――。
[え?………えええぇぇぇ〜!! 伝説の聖神獣インフェルウルフに進化したって事すか!?]
リョウは驚愕のあまり大声を上げた。
その時――。
ナイトディランは【縁雷神】を発動する。
地面から無数の枝が一斉に伸び、サンダーギドラウルフの四肢を絡め取る。
逃げ場を失った瞬間、天から神罰のような轟雷が降り注いだ。
[ガァァァァァ!!]
サンダーギドラウルフは、一撃で撃ち倒された。
[……一撃で仕留めたみたいっすよ、トレン。]
[ああ……普通の攻撃で瞬殺かよ。]
トレンたちは、ナイトディランの圧倒的な力に唖然としていた。
ナイトディランはサンダーギドラウルフを咥えたまま、リョウの元へ戻ってくる。
[ナイトディラン、進化したんだね。]
ナイトディランはエアネスへ想いを伝える。
[主の為に強くなりたい――その想いだけで戦い続けていたそうです。]
[そして戦っている最中、全ての風景が止まり、伝説の聖神獣が現れ、今の真なる姿へ進化したそうです。]
トレンは『真の姿』という言葉が気になり、エアネスへ尋ねた。
[すると、それが『真の姿』で、これ以上進化しないという事なのか、ナイトディランに聞いてくれないか? エアネス。]
[わかりました。聞いてみます。]
エアネスはナイトディランへ確認する。
すると、今の姿こそ最後の進化であり、真の姿なのだそうだ。
[そうっすか。ナイトディラン、今の姿が最終進化で真の姿なんっすね。]
[ああ、そうみたいだ。リョウ、ナイトディランに労いの言葉を掛けてこいよ。]
するとナナたちも後押しする。
[そうよ。早く行きなさいよ、リョウ。]
[私たちはサンダーギドラウルフの牙を解体するから、リョウはナイトディランのところへ行きなさい。]
[ほら、従魔たちも「行きなさい」ってジェスチャーしているわよ。ね、バレグ。]
[そうですよ。]
[わ……わかったっすよ。]
リョウは皆に背中を押され、ナイトディランの元へ歩み寄る。
[ナイトディラン……お疲れっす。進化は本当にびっくりしたけど……。]
[ありがとう。俺なんかのために、ここまで強くなってくれて。本当にありがとう。]
[これからも共に一緒っすよ、ナイトディラン。]
リョウは優しくナイトディランの頭を撫でた。
ナイトディランも嬉しそうに目を細め、喉を鳴らした。
トレンはリョウとナイトディランをそっと見守りながら、他のメンバー全員と共にサンダーギドラウルフの解体を始める。
その間、リョウとナイトディランは二人だけの時間を過ごし、互いを労いながら、誰にも邪魔されない穏やかな時間を過ごすのであった。
次回もお楽しみに。
これまで読んて頂いてる皆様、評価して頂いてる皆様、本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ
これも、ひとえに読んで頂いてる皆様のお陰です。本当にありがとうございます。
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