EPISODE.205話〘森林樹に潜む気配――六人の特殊イベントの序章〙
トレンたちはナギサとバレグから、特殊イベントについて詳しく話を聞いていた。
[ナギサ、バレグ。特殊イベントって、どういう経緯で発生したんだ?]
[実はスヴァログの街で、資金集めを兼ねて素材依頼を重点的にこなしていたんです。]
[一日まるまる素材依頼だけを、一ヶ月間続けていました。]
[[丸一日、それを一ヶ月間も!?]]
トレンたちは思わず驚いた。
(それは凄すぎる……。俺とリョウでも半日くらいが限界だ。)
[一ヶ月間続けていたら、商業ギルドの受付嬢から「街のアイテム屋から指名依頼を受けませんか?」と声を掛けられたんです。]
[特殊な素材が必要らしく、詳しい話はアイテム屋の主人から聞いてほしいと言われました。]
[それで依頼主に会って、依頼内容を聞いたんです。]
[依頼内容を聞き終えた瞬間、表示画面が現れて特殊イベントが発生しました。]
[しかもペナルティは無かったので、その時は保留にしたんです。]
[資金集めを優先していたので、そのまま依頼を続けていたら魔物に襲われました。]
[これで全部です。]
ナギサとバレグは、特殊イベント発生までの経緯を説明し終えた。
話を聞き終えたトレンとリョウは、特殊イベントが発生した理由を察していた。
その前に、依頼内容を見せてほしいとナギサとバレグへ伝える。
[わかりました。これです。]
――――――――――――――――――――
特殊指名依頼
依頼主:アイテム屋の主人 ナジェル
場所:ヴィレグルア森林樹・ヴィレダリア洞窟
内容:素材六種類・鉱石六種類の採取
【素材採取一覧】
・光蘭花の球根
・ミラーバタフライ ×5匹
・光氷輪花
・光銀薬草
・雷光毒牙
・ミラーアリジロの蜜
【鉱石採掘一覧】
・雷光結晶鉱石
・光銀鉱石
・光氷輪鉱石
・光金銅鉱石
・光結晶鉱石
・光蘭雷鉱石
――――――――――――――――――――
[これは難易度が高い依頼だな。]
[そうっすね。どれも簡単には見つからない素材と鉱石ばかりっすよ。]
するとギールオルドラ達が口を開いた。
[鉱石の採掘場所なら知ってるぞ。]
[素材の場所はローリエナとミューレイミが知っている。そうだろ?]
[ええ、場所はわかるわよ。]
[私も全部知ってるわ。]
[よし、決まりだな。それじゃ行くか。]
[護衛は俺達に任せろ。]
[そうだな。俺達とギールオルドラ達で周囲を警戒する。]
[トレン達は採取と採掘に集中してくれて構わない。]
[わかりました。よろしくお願いします。]
こうしてトレンたちは、特殊イベントの舞台となるヴィレグルア森林樹へ向かうのであった。
一時間後――。
トレンたちはヴィレグルア森林樹の入口へ到着した。
トレンとリョウは、ナナたちに聞こえないよう小声で【捜査】【鑑定】を発動させる。
トレンはギールオルドラたちへ、リョウはレガクロスたちへ、それぞれ結果を伝えた。
[ギールオルドラさん。エリアボスを倒した場所付近から、ヤバい感じがします。]
[わかった。メンバー達にも伝えておく。]
[レガクロスさん。エリアボスを倒した場所付近から、ヤバい感じがするっす。]
[わかった。俺もメンバー達へ伝えよう。]
ギールオルドラとレガクロスは、それぞれ自分達のメンバーへ状況を伝えた。
[それじゃ、先に素材の採取から行きましょう。]
こうしてトレンたちは、特殊指名依頼の素材を探すため、ヴィレグルア森林樹の奥へと進んで行くのであった。
だが、この時のトレンとリョウは、まだ知らなかった。
この特殊指名依頼が、やがて自分達にも深く関わる出来事へと繋がっていく事を――。
次回もお楽しみに。
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