EPISODE.192話〘護る試練から覚醒へ――龍人ゼロドラゴン戦〙
トレン・リョウVS轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴン編・後編(Part1)
をお送り致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
覚醒した轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴンは、その姿を龍人型へと変貌させ、全身から漆黒のオーラを解き放っていた。
トレンとリョウも装備を変更し、集中力を極限まで高める。
二人は既にゾーン領域へ入っていた。
トレンは【黎緑月麗ヴィグロズナックル】を装備。
リョウは【轟緑麗炎雷ヴァイザランサー】を装備する。
二人は覚醒ゼロドラゴンを見据えた。
その存在感は今までの敵とは比べ物にならない。
底知れぬ力。
圧倒的な威圧感。
全身を包み込む禍々しいオーラ。
本能が危険を告げていた。
先に動いたのは覚醒ゼロドラゴンだった。
ドッシュッ!!
その姿が掻き消える。
[【超闘神速】!!]
リョウが即座に反応する。
だが――。
速すぎる。
音だけが響く。
ドゴォォン!!
ドカァァン!!
凄まじい衝撃音が連続する。
一見すると互角。
しかし実際は違った。
徐々に押されているのはリョウだった。
[ちッ……!!]
[つ、強いっす……!!]
[だが……諦めるかよ!!]
リョウは歯を食いしばる。
だが覚醒ゼロドラゴンはさらに速度を上げた。
次の瞬間――。
リョウが完全に捉えられる。
[ぐあぁぁぁぁぁっ!!]
蹴り上げられる。
さらに空中から地面へ叩き落とされた。
ドゴォォォォォン!!
[ガハッ!!]
大地が砕ける。
それでもリョウは立ち上がった。
[喰らいやがれ!!]
[【波動圧拳】!!]
全力の拳圧がゼロドラゴンの腹部へ直撃する。
しかし――。
効いていない。
ゼロドラゴンは微動だにしなかった。
そして次の瞬間。
トレンの腹部へ拳を叩き込む。
[ぐわぁぁぁぁぁっ!!]
ドゴォォォォン!!
[ゴフッ!!]
トレンは大木へ激突した。
ゼロドラゴンは二人を無視するように従魔達へ視線を向ける。
その瞬間だった。
ゾクリ――。
凄まじい殺気が放たれる。
ゼロドラゴンは本能的に後退した。
[テメェ……何よそ見してんだよ!!]
[俺達を舐めるなぁぁぁぁぁ!!]
[俺達を無視してんじゃねぇ!!]
トレンとリョウの威圧が爆発する。
従魔達へ向けられた視線。
それだけは許せなかった。
[今のままじゃ勝てない……!!]
[だが、それでも諦められるかぁぁぁ!!]
二人はそれぞれ武器へ手を添える。
[ヴィグロッガズ……。]
[力を貸してくれ。]
[俺と共にヤツを倒す力を……。]
リョウも静かに言った。
[クライザーヴァイザ……。]
[自分と共に戦う力を……。]
[頼む……貸してくれ。]
激しい戦闘で負った傷から血が流れ落ちる。
そして、その血が武器へ滴り落ちた。
次の瞬間――。
突然、周囲の全てが停止した。
[なっ!?]
[突然止まった!?]
[トレン、これはどういう事っすか!?]
すると、それぞれの武器が眩い光を放ち始めた――。
――――――――――
運営Side
――――――――――
運営本部では、トレン達の戦いをリアルタイムで観測していた。
大型モニターには覚醒した轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴンとの戦闘映像が映し出されている。
その時、一人のスタッフが慌てた様子で声を上げた。
[主任、大変です!!]
[【光魔竜翼冷翠黎轟ジンライベルエアーバーン】の討伐イベントが開始しました!!]
主任はモニターから視線を外さず答える。
[分かった。]
[特にトレン達の武器には注視しておけ。]
[了解です。]
スタッフは頷く。
そして苦笑いを浮かべた。
[しかし本当に驚きましたよ。]
[まさかギルド四天王達まで戦い方が変化するなんて。]
[しかも能力そのものが成長しているように見えます。]
主任も小さく笑う。
[ああ。]
[俺達が作った最強NPC達だ。]
[だが、あれは単なる能力上昇じゃない。]
[進化……いや、開花だな。]
[トレン達の影響を受けて、自分達で成長し始めている。]
[想定外だが面白い。]
[主任、楽しそうっすね。]
[当然だろ。]
主任は腕を組む。
[西エリアのボスは未だ撃破されていない。]
[トレン達がどう攻略するのか見たい。]
[それに近いうちに南エリアも動き出す。]
[そうっすね。]
[俺も気になります。]
主任はモニターを見ながら言った。
[雑談はここまでだ。]
[ここからが本番だぞ。]
[了解っす!!]
スタッフ達は再び作業へ戻る。
そして――。
ついにその時が訪れた。
[主任!!]
[大変です!!]
[トレンとリョウの武器が反応しました!!]
主任の表情が変わる。
[やはり来たか……。]
そして静かに立ち上がった。
[例のプロジェクトプログラムを発動する。]
[全員、配置につけ。]
[ここから一秒も見逃すな。]
[[了解!!]]
運営室の空気が一変する。
全員がモニターへ集中した。
こうして運営側は、ある特殊プログラムを起動したのであった。
※運営Sideの続きはEPISODE.194話でお送りいたします。
ご了承下さい。
――――――――――
そして現在――。
――――――――――
停止した世界の中で、トレンとリョウは周囲を見回していた。
時間が止まっている。
風も。
音も。
覚醒ゼロドラゴンさえも。
全てが静止していた。
[な……何が起きているんだ?]
[本当に時間が止まってるっす……。]
すると二人が握っていた武器が激しく輝き始めた。
眩い光が溢れ出す。
やがて武器は二人の手から離れ、宙へ浮かび上がった。
[なっ!?]
[武器が……!?]
光は徐々に人型へと変化していく。
そして――。
二つの存在が姿を現した。
[やっとこうして対面できたな、トレン。]
[俺達の声はずっと届いていたぜ、リョウ。]
目の前に現れたのは――。
ヴィグロッガズ。
そしてクライザーヴァイザだった。
[ヴィグロッガズ……。]
[クライザーヴァイザ……。]
トレンとリョウは驚きながらも、その姿を見つめる。
するとヴィグロッガズが静かに言った。
[時間が無い。]
[よく聞け、トレン。]
クライザーヴァイザも続ける。
[リョウ、お前もだ。]
[お前達の想いは俺達に届いた。]
[ずっとな。]
ヴィグロッガズは微笑む。
[お前達は何度も壁を乗り越えてきた。]
[苦しみ、傷付き、それでも前へ進み続けた。]
[だから俺達も決めたんだ。]
[今度は俺達がお前達と共に戦う。]
クライザーヴァイザが力強く頷いた。
[もう武器として支えるだけじゃない。]
[共に戦い、共に勝つ。]
[その為に俺達は真の力を解放する。]
トレンとリョウは黙って聞いていた。
そしてヴィグロッガズが叫ぶ。
[トレン!!]
[我が名を呼べ!!]
クライザーヴァイザも続く。
[リョウ!!]
[俺の名を叫ぶんだ!!]
その瞬間――。
停止していた世界が再び動き出した。
風が吹く。
音が戻る。
時間が流れ始める。
トレンとリョウは互いを見た。
そして頷く。
[行くぞ、リョウ!!]
[了解っす!!]
トレンは拳を握り締めた。
[我に応えよ!!]
[魔人黎緑月麗ヴィグロズナックル!!]
リョウも槍を掲げる。
[我に応えよ!!]
[魔人轟緑麗炎雷ヴァイザランサー!!]
二人の身体から膨大な魔力が溢れ出した。
轟音が響く。
光が爆発する。
眩い閃光が周囲を包み込んだ。
そして――。
二人の姿が変化する。
身体の各所へ魔人の紋様が浮かび上がる。
魔力がさらに増幅される。
圧倒的な力が全身を巡る。
トレンは拳を握りながら笑った。
[ありがとう、ヴィグロッガズ。]
[一緒に戦おう。]
リョウも槍を構える。
[ありがとっす。]
[クライザーヴァイザ。]
[一緒に戦うっす。]
ヴィグロッガズとクライザーヴァイザは嬉しそうに笑った。
そして光となり武器へ戻っていく。
二人は新たな力を手にした。
トレンは拳を構える。
リョウは槍を構える。
二人の視線の先には――。
覚醒した轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴン。
[さて、リョウ。]
トレンは不敵に笑った。
[今度は俺達の逆襲だ。]
リョウも笑う。
[了解っす!!]
[ここからが本番っすよ!!]
覚醒ゼロドラゴンが咆哮する。
二人は一歩前へ踏み出した。
こうしてトレンとリョウは、真の進化を遂げた身体と武器を手に――。
覚醒した轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴンとの決着をつける為、最後の戦いへ挑むのであった。
次回、トレン・リョウVS轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴン編・後編(Part2)
をお送り致します。
お楽しみに。
これまで読んて頂いてる皆様、評価して頂いてる皆様、本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ
これも、ひとえに読んで頂いてる皆様のお陰です。本当にありがとうございます。
最後に、お願い致します。ブックマーク登録して頂けたら幸いです。




