EPISODE.190話〘試練を知る戦い――試される轟風焔霊との総力戦〙
トレン・リョウVS轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴン編・前編をお送り致します。
最後にお知らせがあります。
良かったら最後まで読んで頂けたら幸いです。
ギルド四天王達と別れ、それぞれがボス級魔物の元へ向かう中――。
トレンとリョウもまた、轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴンのいる場所へ向かっていた。
[初の敵っすね。]
[ああ、そうだな。]
トレンは苦笑する。
[よく考えたら、俺達って普通の敵よりボス級魔物と戦ってる回数の方が多い気がする。]
[正確には奇襲される回数っすね。]
[違いない。]
二人は思わず笑った。
だが、その笑いもすぐに消える。
[俺達、四天王達に色々言ったけどさ。]
[自分達も同じだったっすからね。]
リョウは静かに頷いた。
[試練を越えたと思ったら、また新しい試練が来る。]
[その度に自分達の弱さが見えてくるっす。]
[ああ。]
トレンも頷く。
[最初は単独だった。]
[あの頃の俺は全部一人で背負おうとしてたからな。]
[トレンが犠牲になろうとして、自分も従魔達も振り回されたっすからね。]
[今思えば悪かったよ。]
[リアルの仕事の癖が抜けてなかったんだ。]
[部下を守る上司だったっすからね。]
[次は慢心だったな。]
[モンギレイドの時っすね。]
[俺は守る事に拘り過ぎた。]
[自分は精神的に追い込まれてたっす。]
[勝てる訳がないって思ってた。]
トレンは遠くを見る。
[結局、俺は慢心。]
[リョウは恐怖心。]
[それぞれ別の弱さを抱えてた。]
[振り返ると全部試練だったっすね。]
[ああ。]
[そして俺達が一番挫折した相手。]
[黎玄武雷獣ライガボルドキャッツ。]
[相手にすらされなかったっすね。]
[帰れって感じだった。]
[あの時だったな。]
[俺達が本当に弱いって理解したのは。]
二人はしばらく無言になる。
そしてトレンが口を開いた。
[でも、だからこそ今がある。]
[俺達は弱い。]
[それは今でも変わらない。]
[だけど、折れない闘争心がある。]
[仲間を信頼する絆がある。]
[そして諦めない信念がある。]
[だから進めるんだ。]
[その通りっす。]
リョウは笑う。
[ギルド四天王達を見てて思ったっす。]
[前の自分達に似てた。]
[だからあの言葉を言ったんだ。]
[私情で戦うなら教えるつもりはない。]
[今の状態で挑めば死にます。]
そう。
トレンとリョウは経験していた。
だからこそ分かっていた。
答えを教えたところで意味はない。
自分で気付き、自分で乗り越えなければならない事を。
[さて。]
トレンが前を見た。
[位置的に、もうヤツがいるな。]
[っすね。]
[みんな。]
[派手に行くぞ。]
従魔達は一斉に頷く。
[[[[……コクッ]]]]
[せーの!]
[今だ!!]
次の瞬間――。
雷撃。
炎轟弾。
風刃。
水刃。
四つの攻撃が同時に放たれた。
[!? ゴガァァォォォォ!!]
轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴンが咆哮する。
[上手くいったっすね。]
[相変わらず従魔達の火力がおかしいな。]
トレンは苦笑した。
そして武器を構える。
[行くぞ。]
[轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴン討伐開始だ!]
こうしてトレンとリョウは、轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴンとの戦いへ挑むのであった。
だが、この時の二人はまだ知らない。
この戦いが、これまで以上に過酷な試練になる事を――。
今回、四部編になっております。
次回、トレン・リョウVS轟風焔霊バルベムヴォルゼロドラゴン編・中編をお送り致します。
お楽しみに。
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