EPISODE.187話〘精神の恐怖――玄巌地翠との再戦〙
【翠烈陣氷帝】VS玄巌地翠ドルスダークドライガー編・前編をお送り致します。
最後にお知らせがあります。
良かったら最後まで読んで頂けたら幸いです。
それぞれ別れて移動する【翠烈陣氷帝】のメンバー達は、玄巌地翠ドルスダークドライガーのいる場所へ向かっていた。
[しかし分からないな。何故トレン達は俺達にあんな事を言ったんだろうな。]
すると、ローリエナとギールオルドラは顔を見合わせた。
二人は既にトレンの言葉の意味に気付いていた。
[トレン達が言った意味は、つまり精神面――メンタルの事だよ。]
[そうね。私達は恐怖に怯え、精神的に弱いのよ。もちろん私も含めてね。]
[その通りだ。俺とローリエナは気付いたが、ミューレイミ、デルタス、ヴァイザーはまだ理解していないようだな。]
[どういう意味だ? ギールオルドラ。]
ローリエナは静かに口を開いた。
[私が説明するわ。ギールオルドラ、忘れたなら言わせてもらうけど……ただし、メンタルが崩れても知らないわよ。]
[それは緑地樹怨デスダーグプッギと戦った時の事よ。]
※(EPISODE.112話参照)
[[[ッ!?]]]
ローリエナの言葉に三人は戦慄する。
[頭では理解していても、体が恐怖を覚えて動けなくなる。]
[それが私達の弱さよ。]
[俺達全員、精神面――メンタルが脆いんだ。]
[トレン達が言った「このままでは全滅する」という意味はそこにある。]
ローリエナは続けた。
[私はトレンたちと一緒に緑地樹怨デスダーグプッギと戦っていて気付いたの。]
[ミューレイミ、あなたは覚醒した緑地樹怨デスダーグプッギが師匠ネイザーラルファの姿へ変化した時、何も出来なかったでしょう?]
[……。]
[私達も同じだった。勝てる訳がないと心のどこかで逃げていたのよ。]
ミューレイミは何も言い返せなかった。
するとギールオルドラが静かに言った。
[頭では分かっていても、体が拒絶する。]
[俺もローリエナもそれを理解している。]
[だからトレン達は「私情を持ち込むな」と遠回しに言ったんだ。]
[トレン達の護衛をしていた時、彼らは常に警戒していた。]
[そして私は彼らの戦い方を見て理解した。]
[俺達は真に強い敵を前にすると、精神的に怯えてしまうんだ。]
さらにギールオルドラは続ける。
[俺が気付いたのは黎極麗火獣ヴォルレッグタイガーとの戦いだ。]
※(EPISODE.137話参照)
[あの時、俺はトレン達の集中力を見ていた。]
[視線は一瞬たりとも敵から離れなかった。]
[だが、あの領域の動きは……師匠ネイザーラルファだけが辿り着いていた領域だった。]
[そしてトレン達には――。]
[凄まじい執念。]
[諦めない信念。]
[決して折れない闘争心があった。]
そしてギールオルドラは師の言葉を口にする。
[師匠ネイザーラルファの言葉を思い出したんだ。]
[『まだ足りない。自惚れるな。』
『今のままでは、強いだけだ。』
『本当の強者には届かん。』
『それに気付かなければ――死ぬぞ。』]
[[[!!!]]]
三人はようやく理解した。
[確かにそうだな……。]
[俺も精神的に脆かった。]
[トレン達の戦い方を思い返すと、一緒に戦っていた時と今では全然違う。]
[そうだな。]
[トレン達がいる時の安心感と、いない時の不安感が異常なんだ。]
[ギールオルドラとローリエナの言う通りだ。]
[私も同じよ。]
[あの時は精神的に壊れて何も出来なかった。]
[振り返れば、私は今も変わっていなかったわ。]
三人は自分達の弱さを認める。
そして心を引き締めた。
[その状態を維持しろよ。]
[さっきから気配がバレバレなんだよ。]
[そうね。一撃ぶち込んでみる?]
[私にやらせて。お願い。]
ミューレイミは頭を下げた。
[分かった。但し、派手にやれよ。]
[任せて。]
[【メテオショットガン】]
魔法陣が展開される。
次の瞬間――。
無数の炎焔巌玉が放たれた。
[ボガォォォォ!!]
轟音が森に響き渡る。
[さて、行くぞ。]
[玄巌地翠ドルスダークドライガーの討伐開始だ!]
[[[[おう!!]]]]
こうして【翠烈陣氷帝】のメンバー達は、玄巌地翠ドルスダークドライガーとの戦いへ挑むのであった。
だが、この後待ち受ける壮絶な戦いを、彼らはまだ知らない。
今回、三部編になっておりますのでご了承下さい。
次回、【翠烈陣氷帝】VS玄巌地翠ドルスダークドライガー編・中編をお送り致します。
お楽しみに。
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