EPISODE.180話〘受け継がれし想い――雷炎竜討伐の終焉〙
【月乃轟璃雷】VS雷炎竜ライファバーン編・後編
をお送り致します。
最後にお知らせがあります。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
覚醒した雷炎竜ライファバーンは、漆黒のオーラを纏っていた。
そして次の瞬間――。
漆黒の雷鎚を放つ。
[グルガァァァァォォォ!!]
[ゼッキ!!]
[聖なる大盾!!]
轟音と共に、凄まじい雷鎚が叩きつけられる。
ゼッキは巨大な光の盾を展開し、その一撃を受け止めた。
だが、ライファバーンの猛攻は止まらない。
嘴を大きく開き、無数の炎轟弾を放った。
[ッ!!【聖神速】! 弾けろ!【クロス斬空刃】!!]
シンシュンが加速する。
放たれた斬空刃が炎轟弾を次々と弾き飛ばしていく。
しかし――。
その隙をライファバーンは見逃さなかった。
超飛行で一気に加速すると、【月乃轟璃雷】の真上へ回り込む。
そして、
雷鎌鼬と烈風炎を無差別に放った。
ドゴォォォォン!!
[なっ!? ぐわぁぁぁぁ!!]
[キャァァァァァァ!!]
大盾が砕け散る。
イザギーラ達は吹き飛ばされ、大木へ激突した。
[ガッハッ……ヤロー……]
[なんつう……威力だ……]
[アージェラ……ネイラ……大丈夫か?]
[ええ……何とか]
[かなり……予想以上に強いわ……]
ライファバーンは確実に仕留めたつもりだったのだろう。
だが、まだ生きている。
その事実が怒りへと変わる。
嘴の前に巨大な雷轟炎大玉が生み出された。
[そうはさせるかぁぁぁ!!]
ゼッキが立ち上がる。
全身から光が溢れ出した。
[[[ゼッキ!!]]]
[我が名はゼッキ! 我が魔力と命を対価に捧げる!]
[汝の守護の力よ! 我に応えろ!]
[奥義!!【カウンターリフレクバーストストリーム】!!]
ライファバーンが雷轟炎大玉を放つ。
周囲一帯を消し飛ばしかねないほどの威力だった。
だが、ゼッキは自らの魔力と体力の八割を代償に結界を展開した。
ドーム状のバリアが周囲を覆う。
結界の中にいるのは――。
ゼッキとライファバーンだけ。
仲間は巻き込ませない。
一対一。
ゼッキはそう決めた。
黒炎翼ラウザーバードとの戦い。
あの時、自らを犠牲にして仲間を護ったトレンの姿が脳裏に浮かぶ。
本来なら避けられた。
だが避けなかった。
仲間を護るために。
[フッ……まさか俺も……トレンの気持ちが分かる気がするよ……]
[ゴフッ!!]
[それでも……生き延びてやるぜ!!]
雷轟炎大玉が直撃する。
ゼッキの全身が裂け、血が噴き出した。
それでも倒れない。
歯を食いしばりながら受け止める。
そして――。
跳ね返した。
[グルガァ!?]
ライファバーンは回避できない。
直撃。
ドズゥゥゥゥン!!
凄まじい大爆発が巻き起こる。
[グルガァァァァァァァ!!]
断末魔が響いた。
だが、ゼッキもまた爆風を受ける。
[ハァ……ハァ……ハァ……]
[ゴフッ……]
[ヤロー……バリアも消えたな……]
[だが……ここまで負わせたぞ……]
膝をつく。
もう立つことも難しい。
しかしライファバーンも大ダメージを負っていた。
それでも怒りは消えない。
ゼッキへトドメを刺そうと突撃する。
ゼッキは静かに目を閉じた。
その瞬間――。
[そうはさせるかぁぁぁ!!]
[影忍流派秘奥義!!【廻天烈脚天龍乱舞】!!]
シンシュンだった。
ライファバーンの頭部を蹴り上げる。
さらに上空へ舞い上がりながら連続蹴りを叩き込み、最後に渾身の一撃で地面へ叩き落とした。
ドゴォォン!!
[ネイラ!! アージェラ!! イザギーラ!!]
[後は頼んだぞ!!]
[ネイラ! アージェラ! バフ付与!!]
[【アタックプロテクパワー】!!]
[【シールドフェーズガード】!!]
[ああ!! 絶対に許さねぇ!!]
ハァァァァァ!!
その時――。
イザギーラは【闘神】から【聖闘神】へ覚醒していた。
[最終型奥義!!【覇王煉氷昇流星烈波】!!]
一瞬だった。
聖神速で死角へ回り込む。
そして放たれた渾身の一撃が――。
ライファバーンの頭部を粉砕した。
ドゴォォォォン!!
[グルガァァァァァ!!]
断末魔を上げながら、雷炎竜ライファバーンは消滅していった。
[アージェラ!! ゼッキに回復魔法を!!]
[【エクストラヒール】!!]
アージェラはすぐさま回復魔法を発動する。
だが、ゼッキの傷は深すぎた。
[ゼッキの容体は!?]
[相当酷いわ……でも絶対に助ける。私の魔力が尽きるまで回復を続けるわ!]
その時だった。
アージェラのアクセサリーが光を放つ。
そして声が聞こえた。
その声はアージェラにしか聞こえない。
[アージェラさん、虹色結晶を出して。早く]
[ゼッキは回復だけじゃ厳しいから]
[その声は……ナーチ!?]
[わかったわ!]
アージェラは虹色結晶を取り出した。
すると虹色結晶は光となり、ゼッキの体へ吸い込まれていく。
次の瞬間――。
ゼッキの全身が虹色に輝き始めた。
[これは……どういう事なの? ナーチ]
[虹色結晶は別名【生命の雫結晶】]
[ゼッキは完全回復するから安心していいよ]
[実はトレンから頼まれてたんだ]
[君達に何かあったら助けて欲しいってね]
[そうだったのね……ありがとう、ナーチ]
[ゼッキが助かるなら良かった]
[僕から一言だけ]
[トレンと協力するなら連携してね]
[君達は単独行動が多い]
[それだけは忘れないで]
[それじゃ――トレンをお願いね]
そう言い残し、ナーチの声は消えた。
しばらくして――。
[……ん?]
[俺は……傷が……治ってる?]
[[[ゼッキ!!]]]
アージェラはナーチとの会話と虹色結晶の事をゼッキへ説明した。
[そうか……ナーチが虹色結晶で助けてくれたのか]
[アージェラ、ありがとう]
[ナーチにも礼を伝えてくれ]
そしてイザギーラが口を開く。
[でもゼッキよ……何故そこまでした]
[あの時は、このままじゃ全滅すると悟ったんだ]
[その時、トレンなら前に出て仲間を護るだろうって思った]
[そしたら自然と体が動いていたんだ]
[だからって、あの奥義を……]
[イザギーラ]
アージェラが静かに言う。
[トレンの言葉を忘れたの?]
[ゼッキは倒すために、自分で選んであの奥義を使ったのよ]
[……]
[それにイザギーラ、あなたも変わったわ]
[私とネイラにバフ付与を指示した時、周りがちゃんと見えていた]
[どうして?]
イザギーラは少し笑った。
[確かに俺は無意識に私情を持ち込んでいた]
[だが、ゼッキが俺達を護った時、一瞬トレンと重なったんだ]
[トレンならそうするってな]
[それで自然と集中できた]
[気付いたら倒していたよ]
[結局俺達も、トレンと一緒に戦ってきたから同じ事をしていたんだな]
[確かにな]
[俺達も人の事言えねぇな]
[だな]
自然と笑いが起こる。
[トレンとリョウのやり方が分かった気がするわね]
[ネイラ、私達がトレン達に協力したくなる理由が分かったでしょ?]
[ええ、よく分かったわ]
戦いを終えた【月乃轟璃雷】のメンバー達は自然と笑顔になっていた。
そしてアージェラはナーチの言葉を皆へ伝える。
戦い方が単独になり過ぎていること。
このままでは合流しても全滅しかねないこと。
もっと仲間を信じて連携すること。
アージェラはナーチの言葉を一つ残らず皆へ伝えた。
[……確かに俺達は単独が多かったな]
[無意識だったんだろう]
[でも今なら変われる]
イザギーラは仲間達へ頭を下げた。
[みんな、力を貸してくれ]
[当然だろ]
[合流する頃にはもっと連携できるようになろうぜ]
[私も援護を意識して動くわ]
[改めて結束できたわね]
[私達もトレン達と肩を並べられるように頑張りましょう]
イザギーラは立ち上がった。
[よし! 休息したらヤツの所へ向かうぞ!!]
[[[[おおおおぉぉぉ!!]]]]
こうして――。
【月乃轟璃雷】VS雷炎竜ライファバーンの戦いは終わった。
【月乃轟璃雷】は束の間の休息を取りながら、更なる強敵――【光魔竜翼冷翠黎轟ジンライベルエアーバーン】が待つ地へ向かうのであった。
次回、【光冥乃氷輪】VS炎帝ガーゴルドラゴン・前編をお送り致します。
お楽しみに。
これまで読んて頂いてる皆様、評価して頂いてる皆様、本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ
これも、ひとえに読んで頂いてる皆様のお陰です。本当にありがとうございます。
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