EPISODE.17話〘虹翼の山岳主〙
本日2話分投稿します(`・ω・´)ゞ
1本目です
ログアウトした俺たちは、リアルではちょうど夕方になっていた。
俺は西石へ連絡し、採取クエストについて相談する。
さらに、もしもの事態に備えて軽く打ち合わせを済ませた後、再びログインした。
[さてと、グラディア山岳へ向かうか。依頼クエストの【魔草】採取だ]
[了解っす!]
[はい、トレンさん!]
[ワォン!]
出発前、念のため準備も整える。
リョウから受け取った薬草を使い、俺は【錬金】と【調合】を発動。
【ポーション・上】を十個作成した。
準備を終えた俺たちは、そのままグラディア山岳へ向かう。
そして数時間後――。
俺たちは山岳入口へ到着した。
いよいよ目的である【魔草】採取のため、山岳内部へ足を踏み入れる。
しばらく進むと、中腹付近に草原が広がるエリアへ辿り着いた。
俺はすぐにスキル【捜査】を発動する。
すると、視界の先で紫色の反応が点滅した。
[あった……! あれが魔草か!]
俺はエアネスと共に採取を開始した。
その間、リョウとナイトディランは周囲を警戒してくれている。
運良く魔草は大量に自生しており、納品分だけでなく、自分たち用の素材も確保することが出来た。
納品用【魔草】×5
保存用【魔草】×20
[結構集まったな。街へ戻るか]
[そうっすね。戻りましょう]
俺たちは採取を終え、山を下り始めた。
――その時だった。
ヒュゴォォォォォ!!!!
上空から凄まじい風切り音が響く。
俺は反射的に空を見上げた。
[っ!? 避けろ!! 上から何か来るぞ!!]
巨大な水晶のような塊が、俺たち目掛けて落下してきた。
直撃する――そう思った瞬間。
ドゴォォォン!!
俺たちへ当たる直前、水晶の塊が空中で砕け散った。
[……え?]
振り返ると、そこには三重に展開された風の障壁が存在していた。
[エアネス!?]
どうやら先に危険へ気付いたナイトディランがエアネスへ伝え、即座に防御壁を展開してくれたらしい。
しかも三重防御。
完全に防ぎ切っていたのだ。
[助かったぞ、エアネス!]
俺はエアネスの頭を撫でる。
するとエアネスは少し嬉しそうに微笑んだ。
だが、その直後――。
上空から巨大な影が舞い降りた
虹色の翼を広げた巨大モンスター。
[……虹翼ルガーギス!?]
俺は目を見開いた。
[グラディア山岳の主ボスじゃねぇか……!!]
それほどまでに、“山岳の主”が放つ威圧感は凄まじかった。
そう考えた、その時だった。
エアネスが俺たち全員へ新たな支援魔法を発動する。
身体へ纏わり付く風の感覚が、今までとは明らかに違っていた。
[トレンさん、新しい魔法を覚えました!]
[新しい魔法?]
[【防風纏】です! 【風の纏】より強化された支援魔法になってます!]
どうやら【風属性】スキルLv5到達によって、新たな魔法を習得したらしい。
身体能力だけでなく、防御性能も大きく上がっている感覚があった。
俺は口元を吊り上げる。
[……これなら、やれるかもしれないな]
俺は武器を構えた。
[行くぞ!! リョウ!! エアネス!! ナイトディラン!!]
[虹翼ルガーギス討伐開始だ!!!]
[了解っす!!]
[はい、トレンさん!!]
[ワォォォォン!!!]
こうして俺たちは――。
グラディア山岳の主との戦闘へ突入するのだった。
だが、この時の俺たちはまだ知らなかった。
この戦いが、想像を遥かに超える激闘になることを。




