EPISODE.172話〘西エリアが繋ぐ現実と新たな依頼〙
ちょっと、コント的なストーリーになってるので
ご了承下さい。
休暇四日目――。
まさかリアルで繋がっているとは思わず、東条と西石は驚きを隠せなかった。
まさか、こんな身近でリアルに再会するとは夢にも思っていなかったのである。
[さて、ここからはフラットで話すわよ。]
[ちょっと待てよ! こっちは混乱してんねんって! フラットに出来るかアホンダラ!]
[やーね。だから社長クラスと喋れないのよ。まったくやれやれよ。ね♪ 西石部長]
[そうっすね。影でサポートしないといけないっすから大変っすよ。]
[なんでやねん! いつから同盟組んだんだよ! もうエエわ!]
[おお、凄いツッコミ。私も見習っていこうっと]
[見習わなくてエエわ! 普通にせんかい!!]
[参考になりますね。メモしておきます。渚さん]
[メモせんでええわ! もうエエわ! 全員でボケ加勢するんじゃねぇ!]
[[[[それが日常です。]]]]
[なんでやねん! んな訳あるかい! もういいわ!]
東条は開始早々、ツッコミラッシュを浴びせられる羽目になってしまったのである。
[それじゃ、乾杯!]
[[[[乾杯!]]]]
[ところでナナ、俺たちを呼んだ理由は何だ?]
[実はね。私たち、地の大精霊ノームヴァッシュログとの友好関係と、【炎國乃黎闘翠】のギルド四天王との友好関係を結べたのよ]
[へぇ〜そうなんだ。おめでとう]
[何呑気に言ってるのよ。今まで行けなかったエリアに行けるようになったのよ?]
[それは良かったっすね。俺たちは依頼こなし続け中っす]
[俺たちはギルドランク上げ中なんだよ]
するとナギサとバレグが、俺たちへ質問してきた。
[あの、トレンさん、リョウさんって従魔を所持していますよね?]
[ああ、従魔たちは居るけど、どうしたの?]
トレンが不思議そうに聞いた。
だが、次のバレグの一言で、俺たちは衝撃の事実を知る事になる。
[実は僕たち、ある特殊イベントを発見しているんです。まだ開始せず保留しているんですが、報酬が【光の精霊の卵】なんです]
[[[[!! 光の精霊の卵!?]]]]
全員が驚愕した。
[ナギサ、バレグ。場所は?]
[西エリアのスヴァログの街から南西にあるヴィレグルア森林樹、その中に洞窟があるの。そこにかなり強い魔物が居たのよ。だから協力お願い]
トレンとリョウは、その場所に心当たりがあった。
あそこは――通称“プレイヤー狩りモンスター”シーフキャッツが居たエリアだ。
※(参考:EPISODE.108話)
そして、司令塔になっている魔物も居るはずだ。
俺たちは【翠烈陣氷帝】へ連絡する事を決めた。 どうやらリョウも同じ事を考えていたらしい。
[わかった。俺たちで良ければ協力するよ。な、リョウ]
[そうっすね。協力するよ。ナギサ、バレグ]
[私たちはまだ西エリアへ行けそうに無いのよ。ごめんね]
[そうなんですね。わかりました。改めて、トレンさん、リョウさん、協力お願いします]
ナギサとバレグは頭を下げた。
[わかりました。協力しますよ。それから敬語無しでお願いね]
[わかりました。そうしますね]
[さて、ナギサ達の依頼は終わったみたいね。今度は私たちがトレン達に聞きたい事があるんだからね]
[答えられる範囲なら答えるけど]
[火の大精霊との友好関係アナウンスが流れたけど、あなた達なの?]
[知ってどうする?]
[全プレイヤーが我先に火の精霊を探している事態になってるのよ。知っているなら教えて欲しいの]
ナナの願いに、俺たちはこう告げた。
[……済まないけど、火の精霊の情報は知っている。だが俺もリョウも教えるつもりはない。あの災害を思い出したく無いんだよ]
[自分も火の精霊の情報は知っているっす。でも、自分も教えるつもりはないっす。申し訳ないっす]
[どうして? 私たちにも教えてくれないの?]
[ナナ、落ち着いて。トレン、リョウ、ごめんね。あなた達が言っていた“災害”って何かしら? 精霊の情報を教えたくないなら、それは構わないわ]
マイは薄々気付いていた。 トレン達の従魔達の中に、火の精霊が居る事を。
それでも、知らない振りをしていたのである。
トレンもまた、マイが察している事に気付いていた。
だから、災害の事だけを話す事にした。
[わかった。あの災害って言ったのは――精霊喰いだ]
場の空気が変わる。
[精霊達を喰い、精霊の魔力を喰い尽くす化け物。そしてプレイヤーの従魔達すら喰らう災害級魔物――黎極麗火獣ヴォルレッグタイガーだ]
[[…!!!?]]
ナナ達は戦慄していた。
本当は話したくなかった。 だが、誤解だけはされたく無かった。
トレンとリョウは、
精霊喰いとの戦い
精霊達を狙っていた事
従魔達を切り離して襲っていた事
を洗いざらい説明した。
[……という訳です]
[…つまり、前に言っていた“地の精霊の里の場所を公開しないで欲しい”ってお願いしたのは、その理由だったのね]
トレンとリョウは頷いた。
ナナは、以前マイに言われた言葉を思い出していた。
『トレン達を敵に回してはいけない』
あの時は意味が分からなかった。 だが今なら理解出来る。
[…ごめんなさい、私、あの時は何も分かって無くて…]
[いいよ。理解してくれたなら問題ない。今居る従魔達にも影響が出る可能性がある。だから俺達は従魔達を守るし、里も守るつもりだ]
[だから、バザドルの街で別れた後、自分がマイさんに連絡したっす]
[俺達が火の精霊の情報を公開したくない理由はそれなんだよ。災害級魔物が他にも居る可能性があるから、プレイヤー達には自力で探して欲しいと思ったんだ]
するとリョウが、ナギサとバレグが話についていけていない事に気付き、フォローへ入った。
[ところでナギサ、バレグ。この間、なんであんな苦戦していたっすか? 強いのは感じ取れたっすけど]
[え? あの時ですか? 実は素材集めと依頼をコツコツやってたんですけど、武器や防具が高過ぎて手が出せなかったんです]
するとバレグが補足した。
[実は僕達、先にホームを購入したんです。そこで拠点化してから武器や防具を揃える予定だったんです]
この後、俺達はホーム購入金額に驚愕する事になる。
[それで、不動産屋でいくらしたんっすか?]
[和風屋敷で5000万Gです。でも、あと1000万Gで鍛冶錬金工房を付けられると聞いて、今はそれを優先してるんです。この武器も南エリアで買った物が最後です]
[[5000万G!?]]
俺達は金額に驚愕した。
[まあ確かに、和風屋敷は和むよな。俺達も和風屋敷だし分かるよ。な、リョウ]
[そうっすね。鍛冶錬金工房も購入してるからいいっすよ]
するとナギサとバレグが前のめりになって頼み込んできた。
[トレン、リョウ、あなた達のホームを見せてくれませんか? お願いします]
[私からもお願い致します。見せて頂けたら、今最終段階の契約を私の権限で通しますので]
俺達は困惑した。
だが、リアル案件として考えれば、断る理由も薄い。
そこで、条件を提示した。
[わかりました。ただし、一つだけ条件があります]
[何でしょう?]
[俺達の従魔達やホームの情報を、一切外部へ漏らさない事です]
ナギサとバレグは即答した。
[[問題ありません。その条件を受け入れます]]
瞬殺だった。
普通なら迷うと思ったが、二人とも守ってくれそうだ。
その時――ナナとマイが驚愕する。
[ちょっと、私達には見せてくれないの!?]
[そうよ。私達も見たいわよ!]
するとナナが突然、電話を始めた。
[もしもし、パパ? 麗花だけど――]
嫌な予感しかしない。
数分後。
[トレン、リョウ。私達が予定している大型商業プロジェクト開発デザイン、あなた達へ依頼するから。だからホーム見せて?]
[ちょ……今の電話、父親に連絡したのか!?]
[ええ♪]
ナナはタブレット画像を見せてきた。
ちょっと待てよ!
なんでやねん!!
俺達の会社ですら参入困難な大型商業プロジェクト開発デザイン案件やないかい!!
普通なら絶対回って来ないヤツやんけ!!
ホンマにおかしいって!! 七瀬社長、娘甘やかし過ぎやっつ――の!!
なんでそうなるんだよぉぉぉぉ!!
断れない条件持って来るなアホンダラァァ!!
心の中で、トレンはミサイル級の雄叫びツッコミを放っていた。
ちなみにリョウはタブレット画像を見て、
[…飲みましょう。諦めるしか無いっすよ。自分は慣れましたから]
[慣れるかい!! リョウが慣れ過ぎなんだよ!!]
[おお、流れる様なツッコミですね。バレグ]
[はい、メモしておきます]
[メモするな!! もうエエわ!!]
こうしてトレンは、最後までツッコミをさせられる羽目になりながらも、 閉店まで全員で楽しく会話を続け、久しぶりにリアル側でリフレッシュするのであった。
次回もお楽しみに
これまで読んて頂いてる皆様、評価して頂いてる皆様、本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ
これも、ひとえに読んで頂いてる皆様のお陰です。本当にありがとうございます。
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