EPISODE.171話〘西エリアが繋いだ現実の再会〙
休暇四日目の朝――。
東条はいつも通りジョギングを終え、帰宅後に軽くシャワーを浴びて朝食を済ませると、西石へ連絡した。
[もしもし、西石。今大丈夫か?]
[大丈夫っすよ。どうしました?]
[実は昨日、ガルロードとギーガルスが製作した武器を試そうと思ってな]
[いいっすね。初の属性専用武器って、かっこいいっすよ東条先輩]
[テンション高いな。まあ確かに、初の地属性専用武器だな。……こうなると、そのうち各属性専用武器を作るハメになるぞ。全部リョウが委託製作で]
[ちょっと待ってくださいよ!? なんで自分なんすか!? トレンもやるっしょ!?]
[俺は現場監督兼指導役だよ。リョウ(笑)]
[なんでやねん!! 自分一人じゃ絶対失敗作っすよ(笑)]
俺達は軽くボケとツッコミを交わした。
今回連れて行く従魔は、
トレン側が、
エアネス、ペルナギ、レイディア、ファヴァン、ガルロード。
リョウ側が、
ナイトディラン、サクメ、ニーナシュン、ヴァルーラ、ギーガルス。
今回はヴィーシュ、ヴェイルガー、セフィラ、シドレアの飛行組がお留守番だ。
俺達が軽く撫でると、従魔達は嬉しそうに鳴いた。
[さて、まずはファヴァンとヴァルーラの初単独戦闘だ。他のみんなは支援頼むな]
従魔達は理解したように頷いた。
俺達はスヴァログの街を出て、南東に位置するガレヴァラ森林へ向かった。
[さて、リョウ。やりますか]
[了解っす]
[[【捜査】【鑑定】]]
トレンとリョウはスキルを発動した。
[いた。スヴァワームラだ]
[こっちはベグボワイパーっす]
[それじゃ、お互い派手にいくぞ!]
[了解っす!]
トレンとリョウは二手に分かれて討伐を開始した。
[まずは小手調べだ。ファヴァン! 【炎抜刀】!!]
ファヴァンは両手から炎刀を生成し、炎を纏った双刀で攻撃を仕掛けた。
俺は念のためエアネスへ指示を出す。
[エアネス、ファヴァンとヴァルーラに見えないように【風神壁】を頼む]
[わかりました。お任せ下さい]
エアネスは【風神壁】を見えない形で展開した。
ファヴァンは炎舞廻天のように舞いながら斬撃を放ち、スヴァワームラを一撃で倒した。
一方、リョウ側。
[ヴァルーラ! 【煉炎轟掌拳】だ!!]
ヴァルーラは拳へ力を溜め、全身から炎のオーラを放出する。
型を構え、一気にベグボワイパーへ突撃した。
ベグボワイパーはヴァルーラを見失っていた。
その瞬間――。
背後から渾身の一撃が炸裂した。
ベグボワイパーは炎に包まれ、そのまま消滅していった。
[改めて単独でやらせたけど、強いな]
[そうっすね。従魔達を連れて行くメンバー編成で悩むっすよ]
俺達はファヴァンとヴァルーラの頭を撫でた。
二体は嬉しそうに微笑んだ。
[さて、今度は僕達の番だな]
[そうっすね。やりますか]
俺達はガルロードとギーガルスが製作した武器へ装備変更した。
トレンは拳武器――
【地玄轟極グローアース】
リョウは槍武器――
【地玄タイガーランサー】
[…お、丁度スヴァワームラの親玉が現れたな。試しにアレを使ってみるか。いくぞ! 【地玄昇拳】!!]
[ギャゥァァ!?]
トレンは【地玄昇拳】を放ち、スヴァワームラの顎を打ち上げた。
[こいつでトドメだ!! 【スクリュークロス】!!]
トレンは脚へ力を溜めて跳躍し、全身を回転させながら拳を叩き込んだ。
スヴァワームラは綺麗に消滅していった。
[威力が凄い……まるで精霊が宿ってる感じだ]
一方、リョウ側。
ベグボワイパーの親玉が現れた。
[いきなり親玉とかヤバいっしょ。早速試すっす! 【神速螺旋斬】!!]
リョウは神速のステップで連続攻撃を放つ。
[プシャァァァァ!!]
[こいつでトドメだ!! 【スクリューフラッシュ】!!]
槍を牙突のように構えたリョウは、一気に跳躍。
槍を回転させながら貫いた。
ベグボワイパーの頭部は粉砕され、消滅した。
[ヤバいっしょ。この槍武器……属性専用とはいえ威力おかしいっす]
[とりあえず武器の試運転と、ファヴァンとヴァルーラの実力は把握したしな。それじゃ――]
トレンが言いかけた、その瞬間だった。
ガルロードとギーガルスが突然地面へ手を添え、
【反動防壁】を発動した。
次の瞬間――。
凄まじい岩石が俺達へ飛来した。
だが、ガルロードとギーガルスの【反動防壁】によって岩石は跳ね返され、神速並みの速度で逆方向へ飛んでいった。
その岩石は魔物の頭部を粉砕した。
[[……]]
トレンとリョウは唖然としていた。
[なんつうスキルだよ……ガルロード、今のは?]
エアネスが話を聞いてくれた。
[凄いスピードで岩石が飛んできたので、咄嗟に【反動防壁】を発動したそうです]
俺達は二体へ、
[よくやった]
と言って頭を撫でた。
二体は嬉しそうだった。
[この後、ガルロードとギーガルスを試す予定だったけど、今ので十分だな]
[そうっすね。ホームに戻りましょう]
俺達は街へ戻り、ホームへ帰還。
留守番していた従魔達と遊び、みんなで楽しんだ。
[さて、リョウ。オークション出品どうする?]
[そうっすね。今のところ鉱石だけっすから、アイテムと素材を出品登録するっす]
[だな。運営に問い合わせするか]
俺達はアイテム四種類と素材二種類を問い合わせした。
5分後――。
運営からの返答は、
「出品登録は問題ありません。ただし個数制限あり」
だった。
[多分ゲームバランス考えてだろうな]
[そうっすね。自分達は普通にプレイしてるだけなんすけど、従魔達が優秀すぎるっす]
俺達はそう言って新たな出品登録を済ませた。
【マジックポーション】×2
【ポーション・極】×5
【リフレクトポーション】×5
【エリクサーポーション】×1
【緑地樹怨デスダーグプッギの大木樹】×1
【硬巌玄甲轟ダードライアンヴァーの甲巌】×1
[これで出品登録完了っと]
[トレン、そろそろログアウトしましょう]
[そうだな。約束の時間に遅れたらまずいしな]
俺達はログアウトした。
時刻は丁度昼前。
東条は昼食を済ませ、掲示板を見ながら時間を潰していた。
しばらくすると――。
インターホンが鳴った。
俺はドアを開ける。
[東条様、七瀬社長のご指示でお迎えに参りました]
[わかりました。ありがとうございます]
車へ乗り込むと、西石も乗っていた。
そして例の行きつけの店へ到着。
店員に案内され、個室へ入る。
そこには、初対面の二人がいた。
[待っていたわ。東条本部長、西石部長]
[七瀬社長、井野秘書。今度は何ですか? それに、そちらのお二人は?]
すると二人が自己紹介した。
[初めまして。私、井澤渚と申します]
[初めまして。馬場蓮仁と申します]
その瞬間――。
東条は気付いた。
[!? もしかして、自分が今最終契約前で担当している井澤グループの社員さんですか?]
[そうです。私も本部長ですので、担当者から報告を聞いております]
東条は嫌な予感を感じていた。
[……失礼承知で聞きます。井澤渚さん]
[はい、何でしょうか?]
[もしかして、自分が担当している会社って……超大企業の井澤グループですか?]
[ええ、そうです。私は井澤グループの娘です]
[[え?……えええぇぇぇぇぇぇ――――!!]]
やっぱりか――――――い!!
なんでそうなるの――――――!!
だが、この後、更なる出来事が起こる。
[でも、リアルで会うのは初めてですけど、会うのは二度目ですよね?]
[そうですね。あの時は助けて頂き、本当に感謝してました]
……助けた?
いつだ?
東条と西石はまだ気付いていなかった。
すると七瀬社長と井野秘書がクスクス笑っていた。
[まだわからない? ヒントは名前よ]
[名前……!!]
[え!? もしかして――]
[西エリア、スヴァログの街近くで助けたナギサとバレグ!?]
二人は頷いた。
[[ええええええぇぇぇぇぇぇぇぇ!!]]
東条と西石は、再びリアルで新たな人物と再会し、雄叫びを上げるのであった。
次回もお楽しみに
これまで読んて頂いてる皆様、評価して頂いてる皆様、本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ
これも、ひとえに読んで頂いてる皆様のお陰です。本当にありがとうございます。
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