EPISODE.167話〘返還が導く四属獣【水虎】〙
トレンとリョウは、南エリア南東にある森林入口まで【ワープ】で移動した。
[流石にMPが減ったな。マジックポーションを大量に作っておいて良かったよ]
[今後は、自分もレベル15まで上がってるっすから協力するっす]
[ああ、頼むよ。それじゃ、ペルナギ、サクメ。案内頼んだよ]
[[…コクコク(頷く)]]
ペルナギとサクメは『水の精霊の里』まで道案内した。
道中の敵は従魔達が殲滅していく。
相変わらず本当に強い。
森林入口から数時間後――。
ようやく『水の精霊の里』へ到着した。
すると突然、声が聞こえた。
[久しぶりですね、トレン、リョウ。ようこそ里へ]
[[ウンディーメード様!!!?]]
まさか、大精霊ウンディーメード様自ら出迎えてくれるとは思わなかった。
[まさかウンディーメード様自ら出迎えて頂けるとは恐縮です]
[フフ(笑) いつも通りでいいわよ。そんなに固くならないで。逆に気を遣うわ]
[わかりました。そうさせて頂きます]
[それじゃ、私の館へ案内するわね]
俺達は里へ入り、大精霊の館へ案内された。
館へ到着した俺達は中へ入り、大聖堂のような場所へ通された。
[さて、里へ来た理由を教えてくれるかしら?]
[実は、これを返還しに来ました]
トレンはマジックボックスから、
【水轟極霊氷縁黎雫鉱石】×15
を取り出した。
[俺達は採掘と採取の許可を頂いた上で素材を持ち帰りました。でも、その場で確認しなかった俺達にも責任があります]
[そうっす。自分達が確認せずに持ち帰ってしまったのが原因っす。それと、もう一つ返還したい素材があるんです]
[ええ、いいわよ。見せてくれる?]
リョウはマジックボックスから、
【生命の雫花】×10
を取り出した。
[まさか、あの時咲いていたのね……。年に一度しか咲かない【生命の雫花】が。しかも十輪も]
[[この二つの素材を返還しに来ました]]
トレンとリョウはウンディーメードへ頭を下げた。
ウンディーメードは、二人の純粋さに静かに微笑んでいた。
実は、あの時採掘・採取していた素材の内容をウンディーメードは把握していた。
超幻希少鉱石と超幻希少素材――。
それを承知の上で、トレンとリョウへ託したのである。
それでも返還しに来た二人の純粋さに、ウンディーメードは更に支援する事を決めていた。
[顔を上げなさい、トレン、リョウ。その素材はあなた達が持ちなさい。いつか必ず必要になる時が来るわ]
[…わかりました。ウンディーメード様、そうします]
トレンとリョウは素材を再びマジックボックスへ収納した。
すると、その直後――。
ウンディーメードから予想外の行動が起きた。
[トレン、リョウ。手を出しなさい]
俺達は言われた通り手を差し出した。
すると、ウンディーメードの手から光が溢れ、俺達の手へ流れ込んでいく。
やがて光は静かに収まった。
[ウンディーメード様、一体これは……?]
[トレン、リョウ。あなた達へ四属獣『水虎』を授けます]
[[!?]]
[あなた達は既に授かっているのでしょう? イフリードライムとノームヴァッシュログから四属獣を]
[そして、私も今後あなた達を支援するつもりです。トレン、リョウ……ペルナギとサクメをよろしくお願いするわね]
ウンディーメードは二人へ頭を下げた。
[頭を上げて下さい(汗)]
[そうっすよ。上げて下さいっす]
[俺達は変わりません。それに、もし里を襲うプレイヤー達が現れたら、俺達が殲滅するつもりです]
ウンディーメードはトレンとリョウの言葉を聞き、嬉しそうに微笑んでいた。
[わかりました。その気持ち、確かに受け取りました。今日は里でゆっくり休んでいきなさい。宿屋を手配しておくわ]
その後、ウンディーメードが宿屋の主人へ話を通し、俺達は宿屋で一泊する事になった。
こうしてトレン達は、水の精霊の里でゆっくりと休息を取るのであった。
次回もお楽しみに
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