EPISODE.141話〘覚醒火喰種獣と共闘作戦、そして最終決戦〙
トレンとリョウは、異空間の狭間で火の大精霊イフリードライムと対面し、新たな精霊と契約を交わした。
そして――。
異空間から現実世界へ戻った二人は、ゆっくりと意識を取り戻す。
[……ロー……リエナさん……]
[トレン!! 気が付いたのね!!]
その直後――。
[…ミュー……レイミさん……]
[リョウ!! よかった……!!]
リョウもまた、意識を取り戻していた。
俺たちはゆっくりと身体を起こそうとする。 だが――。
[まだ無理しちゃダメよ。もう少しで治療が終わるから]
[そうよ。あと少しだけ我慢してね、トレン、リョウ]
俺たちは静かに頷き、ローリエナとミューレイミの治療を受け続けた。
すると――。
従魔たちが、俺たちの意識が戻ったことに気付き、一斉に駆け寄ってくる。
[エアネス、ペルナギ、レイディア、セフィラ]
[ナイトディラン、サクメ、ニーナシュン、シドレア]
従魔たちは嬉しそうに鳴き声を上げていた。
[リョウ……イフリードライム様から加護を受けたか?]
[受けたっす。火の大精霊イフリードライム様から、“火属性・極”と加護を授かったっす。それに……助けた火の精霊が、自分と一緒にいたいって言って契約したっす]
その会話を聞いた瞬間――。
[[えっ!? 火の大精霊イフリードライム様の加護ですって!?]]
ローリエナとミューレイミが同時に叫ぶ。
[ちょっと待って!? どういう事なの!?]
[いつ加護なんて受けたのよ!?]
俺たちは、異空間で火の大精霊イフリードライムと出会ったこと。
新たな精霊と契約したこと。
そして――。
黎極麗火獣ヴォルレッグタイガーが“覚醒”することを説明した。
説明を聞き終えた二人は、驚きながらも真剣な表情を浮かべる。
[……というわけです。信じてもらえないかもしれませんけど]
[信じるわよ。何言ってるのよ]
[ええ。驚いたのは確かだけど……私たちはトレンとリョウを信じてる]
[もちろん、ギールオルドラたちもね]
[ありがとうございます]
すると、ローリエナが小さく笑った。
[よし。これで治療は完了よ]
[ここからは私たちも参戦するわよ、トレン、リョウ]
[わかりました。その前に――セフィラ、ここからはヴィーシュと交代だ]
[ギシャァ!!]
[シドレアもヴェイルガーと交代だ]
[ギシャァ!!]
[セフィラ帰還!! ヴィーシュ召喚!!]
[クヴァァ!!]
[シドレア帰還!! ヴェイルガー召喚!!]
[クワァァ!!]
そしてトレンは、ローリエナとミューレイミへアイテムを手渡した。
[これは……ポーション?]
[…っ!? トレン、まさかこれ……!!]
[どうしたのよローリエナ。何のポーションなの?]
[分からないの!? これ、“エリクサーポーション”よ!!]
[えぇぇっ!?]
[これなら、お二人は遠距離支援に専念できると思います]
[それと――ヴィーシュ、ペルナギ、レイディア、ヴェイルガー、サクメ、ニーナシュンは、お二人に預けます。指示は出してあります]
[わかったわ]
[ええ、任せてね]
[それじゃ――行きましょう。【ワープ】]
こうして俺たちは、再び黎極麗火獣ヴォルレッグタイガーの元へ向かうのであった――。
――――――――――
一方その頃――。
ギールオルドラたちは、トレンたちが戻るまで、黎極麗火獣ヴォルレッグタイガーとの戦闘を続けていた。
[オラァ!! 【断罪斬】!!]
[カォォォォォ!!]
[…おかしい]
[どうした? デルタス]
[ヤツ……攻撃を受けているのに、“効いている感じ”がしないんだ]
[確かに……わざと受けてるようにも見えるな]
[……まだ何か隠してるのかもしれねぇ]
その瞬間――。
[カォォォォォォォォォォォォォォォン!!]
ヴォルレッグタイガーが巨大な咆哮を上げた。
[警戒しろ!!]
すると突然、背後に空間の裂け目が現れる。
そこから現れたのは――。
[ギールオルドラさん!! ヤツは覚醒します!! 真の姿に!!]
[[[トレン!! リョウ!!]]]
[私たちもいるわよ]
[なんとか間に合ったわね]
[ローリエナ!! ミューレイミ!!]
[ギールオルドラさん。ここから先、ヤツは本当の姿になるっすよ。]
[今までの攻撃は、ほとんど通っていませんでした。気を付けてください]
[[[[[なっ……!?]]]]]
【翠烈陣氷帝】の全員が驚愕する。
[だから途中から、攻撃を受け続けていたのか……]
[なるほどな……]
[トレン、リョウ。何か作戦がある顔してるな?]
俺たちは【翠烈陣氷帝】のメンバー全員へ作戦を説明した。
[……という作戦です。ただ、皆さんへの負担が大きくて――]
するとギールオルドラが、静かにトレンの肩へ手を置いた。
[気にするな。やろうぜ、その作戦]
[なっ? みんなもそう思うだろ?]
[いいじゃねぇか。面白い作戦だ]
[乗らない理由はないな]
[トレン、私たちの事は気にしないで]
[あなたたちは、ヴォルレッグタイガーを倒す事だけ考えなさい]
[……皆さん、ありがとうございます]
[リョウ。そろそろ来るぞ。準備はいいな?]
[もちろんっすよ]
その時――。
[カォォォォォォォォォォォン!!]
黎極麗火獣ヴォルレッグタイガーは、ついに覚醒し、真の姿へ変貌した。
[なるほどな……“火獣”じゃない。“火喰種獣”か]
[そうっすね。やられた分、倍返しっす]
[行くぞ!! みんな!!]
[覚醒黎極麗火獣ヴォルレッグタイガー――最終決戦開始だ!!]
[[[[[おおおおっ!!]]]]]
こうして――。
トレン、リョウ、そして【翠烈陣氷帝】による、共闘作戦が幕を開けるのであった。
次回もお楽しみに
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