EPISODE.140話〘託された火の大精霊の意志と災厄覚醒前夜〙
【翠烈陣氷帝】ギールオルドラ・ヴァイザー・デルタスVS黎極麗火獣ヴォルレッグタイガー編を
お送り致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
本気モードとなった黎極麗火獣ヴォルレッグタイガー――。
それを迎え撃つのは、ギールオルドラ、ヴァイザー、デルタスの三人だった。
トレンとリョウは、ローリエナとミューレイミへ任されている。
二人が回復するまで時間を稼ぐ――。
だが、それでも彼らの信念は変わらない。
“必ず倒す”
その覚悟だけは、誰一人として折れていなかった。
[さあ、いくぞ!! ヴァイザー!! デルタス!!]
[【聖賢武神】!!]
[【聖神騎士】!!]
[【聖闘拳神】!!]
三人の身体から凄まじい闘気が噴き上がる。
[カォォォォォォォォォ!!]
ヴォルレッグタイガーの周囲に、無数の炎刃が出現した。
次の瞬間――一斉射出される。
[ここは俺に任せな!! ギールオルドラ!! デルタス!! 次に備えろ!!]
ヴァイザーが前へ飛び出した。
[ハァァァァァァァ!! 【千烈連撃轟昇拳】!!]
拳の乱撃が、迫り来る炎刃を次々と粉砕していく。
破壊。
粉砕。
迎撃。
それでもヴォルレッグタイガーは止まらない。
次々と炎刃を生成し続ける。
だが――。
[甘いんだよォ!!]
ヴァイザーは猛進を止めない。
炎刃を破壊しながら、そのまま災獣へ突撃していく。
[いくぜ!! 奥義――【ラッシュフリーズストーン】!!]
ヴァイザーは両腕へ氷魔力を纏わせる。
そして――。
クロスした両腕を、勢いよく振り下ろした。
轟音と共に、巨大な氷撃波がヴォルレッグタイガーへ直撃する。
[カォォォォォォォォォォ!!]
ヴォルレッグタイガーは大きく吹き飛ばされ、ダメージを負った。
だが次の瞬間――。
災獣は即座に反撃へ移る。
しかし。
[させるかァ!!]
ヴァイザーの背後から現れたデルタスが、大剣でその攻撃を弾き返した。
そのまま一気に踏み込む。
[このまま行くぜ!! 喰らいやがれ!! 奥義――【ファイナリブラストフラッシュ】!!]
閃光のような斬撃が放たれる。
[カォォォォォォォォォォ!!]
ヴォルレッグタイガーの右脚が深く斬り裂かれ、巨体が大きく体勢を崩した。
更なるダメージが蓄積されていく。
ギールオルドラは、その姿を見据えながら静かに呟く。
[トレン……リョウ……。お前たちが戻って来るまで、俺たちが必ず守る]
そして――。
[行くぞ!! ヴォルレッグタイガー!!]
覚醒した武神は、再び災獣へ駆け出していくのであった。
…………………………………………………………
――――数分前――――
ローリエナとミューレイミは、重傷を負ったトレンとリョウの治療を懸命に続けていた。
[あれだけのダメージを負いながら、それでも仲間を庇うなんて……本当に無茶しすぎよ]
ミューレイミが悔しそうに呟く。
するとローリエナは、静かに二人を見つめながら口を開いた。
[……でも、何となく分かる気がするのよ]
[ローリエナ……?]
[トレンとリョウは、自分を犠牲にしてでも従魔たちを守ろうとしてる。あの子たちにとって、“仲間を守る”っていうのは、それだけ絶対なのよ]
ミューレイミは苦笑しながら頷いた。
[確かにね……。あの二人、異常なくらい集中力が凄いし、倒れる寸前でも戦意を切らさないもの]
[ええ。もしかしたら、もう私たちより強いのかもしれないわね]
[……そうかもね]
二人は再び治療へ集中する。
[早く回復してもらわないとね。私たちも、ヴォルレッグタイガーとの戦いへ戻るわよ]
[ええ、もちろんよ]
ローリエナとミューレイミは、治療を続けるのであった。
――――?????――――
[……ここは……?]
トレンはゆっくりと目を開けた。
[そうだ……ヴォルレッグタイガーと戦って――]
周囲を見渡す。
そこは、現実とは異なる不思議な空間だった。
“ここは異空間の狭間の世界だよ、トレン”
突然、声が響く。
次の瞬間――。
圧倒的な存在感を纏った人物が現れた。
[初めましてだね、トレン。我が名は、火の大精霊イフリードライム]
[えっ……!? 火の大精霊イフリードライム様!?]
[驚くのも無理はない。だが、トレンよ。お主へ頼みがある]
トレンは真っ直ぐ頷いた。
[言われなくても分かります。黎極麗火獣ヴォルレッグタイガーに捕らえられている火の精霊たちの救出ですよね]
[……ほう]
[もちろん、全員救出します。リョウも同じ気持ちです]
その瞬間――。
トレンのマジックボックスが光り始めた。
収納されていた【精霊の指輪・火】が強く輝き出す。
[その指輪を取り出してごらん]
トレンが指輪を取り出した瞬間――。
光の中から、小さな火の精霊が誕生した。
[これは……]
[トレンよ。その子を託そう。そして、ヴォルレッグタイガーを倒し、火の精霊たちを救ってほしい]
すると――。
火の大精霊イフリードライムは、静かに頭を下げた。
[火の大精霊様……頭を上げて下さい]
トレンは真っ直ぐ答える。
[必ず倒します。そして、必ず救出します]
イフリードライムは微笑んだ。
[ありがとう、トレン。お主へ“火の精霊の加護”と【火属性・極】を授けよう]
[……!!]
[リョウにも同じ加護を与える。そして、救出した火の精霊はリョウを選んだようだ]
[分かりました]
トレンは強く頷く。
[必ず、救出します]
[頼んだよ、トレン]
そして――。
イフリードライムは、さらに言葉を続けた。
[それともう一つ。ヴィーシュを呼び出すんだ]
[……やっぱり、まだ隠していたんですね。ヤツは]
[ああ。間もなく、“覚醒黎極麗火獣ヴォルレッグタイガー”が目覚める]
トレンの表情が険しくなる。
[分かりました]
[では、戻る時だ。頼んだよ、トレン――神の加護を]
その言葉と共に、イフリードライムの姿は光の中へ消えていった。
そして――。
トレンの意識は、再び現実へ戻っていく。
この後、トレンとリョウは目を覚ます事となるのであった。
次回【翠烈陣氷帝】ギールオルドラ・ヴァイザー・デルタスVS黎極麗火獣ヴォルレッグタイガー激闘編
をお送り致します。
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