EPISODE.135話〘翠烈陣氷帝との再出発〙
翌日、俺たちはいつも通り会社で仕事を開始しようとしていた。
すると突然、社長と専務が部署に来られた。
社員たちは騒然となった。
俺は事前に知っていたから、驚くフリをしていた。
[社長!専務、こちらに来られた理由は……?]
[東条部長、本日付けをもって本部長に昇進だ。おめでとう、東条本部長。昨日の役員会議で正式に決定した。東条本部長が手掛けたプロジェクトが高く評価された。]
[おめでとうございます。東条本部長]
[ありがとうございます。今後も精進致します。]
社員たちから、おめでとうの拍手が響いた。
[それと、もう1人。西石はいるかな?]
[はい]
西石が返事をすると、社長と専務が西石の元へ向かった。
[西石、本日付けをもって部長に昇進を辞令する。君は新規契約や大手企業との契約など、多くの成果を上げ、取引先からの評価も非常に高い。その実績が役員会議で正式に認められ、部長昇進が決定した。おめでとう、西石部長]
[あ……ありがとうございます。今後も精進致します]
再び社員たちから祝福の声と拍手が響いた。
[それと、もう1つある]
社員たちは緊張した表情で社長の話を聞いた。
[本日付けをもって、会社の方針を正式に転換する。東条本部長が手掛けたプロジェクトを正式採用し、今月今日から始動する]
社員のひとりが恐る恐る質問した。
[社長……つまり、その……仕事が全て終わったら、早く退社していいという事でしょうか?]
[その通りだ。役員会議で正式に決定した。これからはその方針になる。早く退社しても給料は減らない。安心して仕事に励んでくれたまえ。以上だ。東条本部長、西石部長、後は頼むよ。それでは失礼する]
[[はい、わかりました]]
社長と専務は部署を後にした。
[ちょっと驚いたけど、それじゃ仕事を始めよう。西石部長、引き継ぎは後で書類を作成して渡すから、いつも通り仕事をしてくれ]
[わかりました]
[みんなもいつも通りでいいからね。仕事が早く終わったら退社出来るから、安心して仕事を頼んだよ]
[[はい、東条本部長]]
その後、社員たちは凄まじい勢いで仕事をこなし、それぞれ休憩を取りながら、午後の仕事も終えた社員から順番に退社していった。
俺は引き継ぎ書類を専務に提出し、退社した。
帰宅後、食事と入浴を済ませてログインすると、西石は既にログインしていた。
[それじゃ、指名依頼に行くか]
[了解っす]
俺たちは商業ギルドへ向かった。
商業ギルド内に入ると、受付嬢にギルド長室へ案内された。
[失礼します。トレンさんとリョウさんをお連れしました]
[入ってくれ]
[[失礼します]]
[来たか、トレン、リョウ]
[ギールオルドラさん!皆さん!]
[久しぶりね]
[またよろしくな]
[さて、再会はそこら辺にして、トレン、リョウ。今回もお願いするね]
[わかりました。それじゃ行くか、リョウ]
トレンとリョウ、そして護衛ギルド【翠烈陣氷帝】は、東南のデヴァランザ山岳へ出発するのであった。
だが、この後待ち受ける事になる出来事を、トレンたちはまだ知らないのであった。
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