EPISODE.119話〘樹怨終焉、結晶雫の魂還〙
覚醒緑地樹怨デスダーグプッギ編最終決戦編後編をお送り致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
覚醒した緑地樹怨デスダーグプッギは、轟怪猿【モンギレイド】の姿へと魔獣化していた。
これまで数多の魔獣や冒険者を喰らい、その能力と姿を奪って強化を重ねてきたデスダーグプッギ。だが今、目の前にいるトレンとリョウだけは、これまでの戦法では倒せないと本能で悟っていた。
だからこそ切り札として、轟怪猿【モンギレイド】の姿を解放したのだ。
この姿なら勝てる――。 デスダーグプッギは確信していた。
[ボギヤァァァァォォォォ!!]
咆哮と共に、周囲に魔物が次々と現れる。
モンギニア五十体。 モンギベクドム五十体。
大量の魔獣が、一斉にトレンとリョウへ襲い掛かった。
[[……来るなら、容赦はしない!! 雑魚共がぁぁぁぁ!!]]
[リョウ、モンギニアを頼む!! 俺はモンギベクドムを殲滅する!]
[了解っす! さっさと終わらせるっすよ!]
モンギニアたちはリョウを包囲した。
以前の自分なら、確実に押し潰されていた。 だが今のリョウは違う。
極限まで研ぎ澄まされた集中。 そして、“覚醒”――。
[…幼稚な囲み方だな。雑魚が。さっさと来いよ、クズ共がぁ!!]
リョウが睨みつけた瞬間、モンギニアたちは戦慄した。
[[!!!!?]]
だが数の暴力で押し切れると判断し、一斉に飛び掛かる。
[ボギヤァァァァ!!]
[…虹翼ルガーギス、黒炎翼ラウザーバード。共に戦おう。]
リョウは二振りの剣を構え、叫んだ。
[【黎翠極雷虹龍神剣】!!] [【黎翠極月黒炎龍神剣】!!]
[力を貸してくれ――【超龍神速】!!]
次の瞬間、リョウの姿が消えた。
[喰らいやがれ!!【黒炎烈風孤月斬】!!]
[ボギャァッ――!?]
モンギニアたちは、何が起きたのか理解できないまま斬り裂かれていく。
速すぎた。
視認すら出来なかった。
[まだまだいくぞ!! クズ共がぁ!!【虹龍雷氷斬】!!]
放たれた氷刃をモンギニアたちは回避した――その瞬間。
上空から轟雷が落ちた。
氷刃に雷が直撃し、氷が爆散。 無数の氷片が敵へ突き刺さり、そこへ更なる雷撃が連鎖する。
[ボギャァァァァァァ!?]
雷と氷の連撃により、モンギニアたちは全滅した。
[…終わったな。]
リョウは剣を振り払い、ナイトディランへ声を掛ける。
[トレンは大丈夫っすね。ナイトディラン、ヤツの所へ向かうぞ。]
[ワォン!!]
リョウはナイトディランに跨り、デスダーグプッギの元へ駆け出した。
────────────────
一方その頃。
トレンはモンギベクドムの群れを前に、静かに睨み据えていた。
その瞬間、モンギベクドムたちの動きが止まる。
トレンから放たれる圧倒的威圧に、本能が恐怖していたのだ。
[…どうした? かかって来いよ、クズ共が。]
[来ないなら、こっちから行くぞ!!]
[【超龍神速】!!]
…シュンッ!!
トレンの姿が掻き消えた。
[!!? ボギャッ!?]
モンギベクドムたちは周囲を警戒するが、既に遅い。
[ここだ!! 喰らえ!!【黒神龍双】!!]
背後から放たれた双剣の斬撃が、一体を真っ二つに断ち切った。
[全員、逃げられると思うなよ!!]
[ハァァァァァァ!!【翼神龍炎斬】!!]
巨大な炎龍が解き放たれ、モンギベクドムたちを飲み込む。
[ボギャァァァァァァァ!!]
炎龍は一瞬で群れを焼き尽くし、全滅させた。
[…雑魚が。]
トレンは既にリョウの戦闘が終わっている事を察する。
[俺たちも行くぞ、エアネス。]
[ハイ!]
トレンとエアネスは、デスダーグプッギの元へ急行した。
────────────────
先に到着したリョウは、即座に攻撃へ移る。
[いくぞ!!【超龍神速】!!]
再び姿が消える。
デスダーグプッギは周囲を見渡し、警戒を強めた。
[どこ見てんだよ。]
[ここだぜ!!【虹龍雷氷斬】!!]
[ボギヤァァォォォォ!!]
強烈な斬撃が炸裂する。
さらに――。
[ナイトディラン!!【炎雷】!!]
[ワォォォォォン!!]
上空から落ちる轟雷。
そこへナイトディランの炎が重なり、“轟雷炎”となって直撃した。
[ボギャァァァァァァ!!]
大ダメージを受けたデスダーグプッギは膝をつく。
[どうした? その程度かよ、クズが。]
[こっちは本気出してんだよ。雑魚が。]
[ボギヤァァァァァァァァァァ!!]
怒り狂ったデスダーグプッギが、凄まじい速度で突撃する。
だが――リョウは動かない。
次の瞬間。
空間が裂けた。
[ハァァァァァ!! 喰らいやがれ!!【黒神龍流水】!!]
突如現れたトレンの斬撃が炸裂し、デスダーグプッギを吹き飛ばした。
[ボギャァァォォォ!!]
[…悪い、遅くなった。]
[どこがっすか? 美味しい所だけ持っていったクセによく言うっすよ。]
その時――。
デスダーグプッギが両腕を地面へ叩きつけ、巨大な衝撃波を放った。
[[ハァァァァァァァァ!! オラァァ!!]]
トレンとリョウは同時に剣を振るう。
双剣と二刀が衝撃波を弾き返し、威力を増幅。 そのままデスダーグプッギ自身へ叩き返した。
[!? ボギャァァァォォォ!!]
岩壁へ激突し、大きく体勢を崩す。
[リョウ、やるぞ!!]
[了解っす!! 二人でトドメだぁぁ!!]
[[【超龍神速】!!]]
二人は左右へ高速移動し、デスダーグプッギを挟撃する。
右にリョウ。 左にトレン。
完全包囲――。
トレンは双剣へ静かに手を添えた。
[…【黎極黒神龍双剣】、【黎極白神龍双剣】。俺に力を貸してくれ。]
リョウもまた、二振りへ語り掛ける。
[…【黎翠極月黒炎龍神剣】、【黎翠極雷虹龍神剣】。デスダーグプッギを倒す力を貸してくれ。]
その瞬間、武器が眩く発光した。
トレンとリョウの全身を、膨大な龍神のオーラが包み込む。
そして二人は、感謝を込めて最後の一撃を放った。
[ハァァァァァ!!]
[最終双剣型秘奥義――【四神龍夢幻覇斬鉄無双】!!]
四龍神が顕現する。
青龍の雷刃。 白龍の風刃。 玄武龍の地刃。 朱雀龍の炎刃。
四神の力が、デスダーグプッギを切り裂いた。
同時にリョウも叫ぶ。
[ハァァァァァ!!] [二刀流奥義――【七龍神雷虹斬鉄剣】!!]
七龍神が現れる。
白龍。 青龍。 黒龍。 赤龍。 金龍。 光龍。 闇龍。
七つの龍が一閃し、デスダーグプッギを貫いた。
[ボギャァァァォォォォ…………]
ズドォォォォォン!!
覚醒デスダーグプッギは、真っ二つに斬り裂かれ、完全に崩れ落ちた。
────────────────
すると、デスダーグプッギの身体から、無数の白い光が現れた。
そのうちの一つが、トレンとリョウの前で人の姿へ変わる。
[君たちのお陰で、ようやく解放された。]
[俺たちはデスダーグプッギに殺され、喰われ、能力を利用され続けていた。ヤツが死なない限り、永遠に支配されたままだったんだ。]
[だから……本当に、ありがとう。]
周囲の白い光たちも、感謝を伝えるように輝いていた。
その時、トレンの杖が光る。
[トレン、お願い。虹色結晶を二つ出して。]
[ナーチ? ……わかった。]
トレンはマジックボックスから虹色結晶を取り出した。
[これでいいか?]
[うん、大丈夫。]
虹色結晶が浮かび、白い光の前へ移動する。
そして――砕けた。
砕けた結晶は白い光へ溶け込み、輝き始める。
すると、半数の光が“人”の姿へ戻っていった。
[ナーチ、これは……?]
[虹色結晶は別名、“生命の結晶雫”なんだよ。詳しい説明は後でするね。]
残る半数にも同じ事を行う。
今度は魔獣たちが姿を取り戻していった。
敵意は無い。
ただ感謝だけを伝えていた。
トレンとリョウは魔獣たちから贈り物を受け取り、困った時は必ず助けると約束する。
魔獣たちは森林樹へ帰っていった。
[ナーチ、お疲れ。]
[うん。トレンたちもね。]
ナーチの声は、そこで消えた。
────────────────
その後、トレンとリョウは復活した冒険者たちへ事情を説明した。
数年前、緊急討伐招集で行方不明となった強者たち。 彼らは全員、デスダーグプッギに喰われていたのだ。
さらに彼らから、風烈緑麗鉱石の場所も教えられる。
そして二人は、【翠烈陣氷帝】の元へ戻った。
【ワープ】で現れたトレンたちに、ギールオルドラたちは安堵する。
トレンは全ての経緯を説明した
。
緑地樹怨デスダーグプッギの討伐。
行方不明者たちの生存。
そして解放された事実を。
するとミューレイミが涙を浮かべ、トレンへ詰め寄った。
[トレン!! 師匠は!? 師匠は無事なの!?]
[ミューレイミ、落ち着け!!]
ヴァイザーとデルタスが彼女を止める。
トレンは深呼吸し、静かに告げた。
[今から皆さんを案内します。ただし条件があります。]
[……条件とは?]
[俺の【ワープ】を、絶対に口外しない事です。]
その瞬間、空気が張り詰めた。
だがギールオルドラは笑った。
[安心しろ。俺たちは条件を呑む。誓約書を書いてもいいぜ。]
[……え?]
[イザギーラ達から聞いてなかったのか?]
[俺たち【ギルド四天王】だぜ?]
――ちょっと待てぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!
なんでやねん!!! そんな超重要情報、今さら言うなやぁぁぁぁぁ!!!
知るわけないやろアホンダラァァァ!!
トレンが心の中で全力ツッコミを炸裂させた、その直後――。
【おめでとうございます。初めてNPCギルド団【翠烈陣氷帝】と友好関係になりました。今後、協力・護衛などの支援が可能になります。】
……絶対狙ったやろ運営。
タイミング完璧すぎるやろ!!
[運・営ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!]
こうしてトレンは、またしても運営に全力ツッコミを入れるのであった。
次回もお楽しみに
これまで読んて頂いてる皆様、評価して頂いてる皆様、本当にありがとうございます。(`・ω・´)ゞ
これも、ひとえに読んで頂いてる皆様のお陰です。本当にありがとうございます。
最後に、お願い致します。ブックマーク登録して頂けたら幸いです。
※誤字脱字などはあると思います。
ご了承下さい。後日修正します。(`・ω・´)ゞ




