EPISODE.118話〘双龍、静かなる逆鱗覚醒〙
覚醒緑地樹怨デスダーグプッギ編最終決戦編前編
をお送り致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
【翠烈陣氷帝】のメンバー達は、覚醒デスダーグプッギとの激しい戦闘を続けていた。
[私の最大奥義を叩き込んでも、まだ半分しか削れてないなんて……っ]
[ヤツは今まで喰ってきた冒険者たちの能力まで使ってやがる。厄介過ぎるぜ]
[全くだ。極魔法を使ってこないだけ、まだ救いがあるがな]
[……!? 何か来るわ! 集中して!!]
【翠烈陣氷帝】のメンバー達はさらに警戒を強めた。
その時――覚醒デスダーグプッギが咆哮を上げる。
[ボギヤァァァォォォァァァォォァァ!!]
[また姿が……変わった?]
[…!? う……嘘……でしょ……いやぁぁぁぁぁぁ!!]
ミューレイミは、その姿を見た瞬間、泣き崩れ絶叫した。
ギールオルドラ達は異変を察知し、すぐさま駆け寄る。
[おい! しっかりしろ、ミューレイミ!! ヤツの姿に心当たりがあるのか!?]
[あ……あ……あ……]
[ミューレイミ!! 落ち着け!!]
ミューレイミは理性を失いかけ、震え続けていた。
その時、ヴァイザーが静かに声を掛ける。
[ミューレイミ……。俺たちも知ってる奴なんだな? 答えにくいなら、頷くだけでいい]
[…コク……]
ミューレイミは震える手で地面に文字を書き始めた。
カリ……カリ……カリ……
そして書かれた名前を見た瞬間――全員が戦慄した。
[なっ……ネイザーラルファ……!?]
[嘘だろ……俺たちの師匠だと……!?]
[俺たちが一人前になった後、緊急討伐招集に呼ばれて……そのまま消息不明になった……]
[ヤツが……師匠を……!!]
ギールオルドラの怒りが爆発した。
[ウオォォォォォォォォ!!]
[落ち着け!! ギールオルドラ!!]
デルタスの制止も聞かず、ギールオルドラは飛び出した。
[テメェだけは絶対に許さねぇぇぇ!!]
ギールオルドラは怒涛の連撃を叩き込む。
だが――。
[なっ!?]
覚醒デスダーグプッギは、“ネイザーラルファ”の能力を使い、その攻撃を受け流した。
次の瞬間。
[グブァァァァッ!!]
[ギールオルドラ!!]
強烈なカウンターを受け、ギールオルドラは岩壁へ叩きつけられる。
[ぐわぁぁぁぁぁっ!!……ガハッ……]
さらに、覚醒デスダーグプッギは構えを取った。
それを見たミューレイミの顔から血の気が引く。
[あ……あぁ……ネイザーラルファ師匠の……最終型闘格奥義……【煉舞烈脚衝撃乱舞】……]
絶望が場を支配した。
ギールオルドラへ、とどめが放たれようとした――その瞬間。
[……雷撃!!]
轟雷が上空から降り注ぎ、覚醒デスダーグプッキへ直撃した。
[ボギヤァァァォォォァァァ!!]
[…ギリギリ間に合ったっすね。大丈夫っすか? ギールオルドラさん]
[…ああ……何とかな……]
リョウは静かに覚醒デスダーグプッキを見据えた。
[…人間に変化してる……あれは何なんすか?]
[今まで喰ってきた冒険者の能力と姿を取り込み、戦ってくる状態だ]
[…それで、みんなあんな顔を……。あの姿の冒険者は誰なんすか?]
ギールオルドラは拳を震わせながら答える。
[…俺たちを鍛えてくれた師匠だ。最強四天王――【闘神聖】ネイザーラルファ……]
沈黙の後、リョウは静かに頷いた。
[…分かりました。後は俺とトレンに任せてください。ナイトディラン、【雷光壁】]
[ワォォォン!!]
雷光がギールオルドラを包み込む。
そしてリョウはナイトディランへ跨った。
[…行くぞ、ナイトディラン。【狼神速】]
一方その頃。
トレンはミューレイミの元へ到着していた。
彼女の異常な顔色と、まともに喋れない状態を見て、ただ事ではないと察する。
ヴァイザーとデルタスから事情を聞き終えた瞬間――トレンの内側で怒りが爆発した。
[…ヴァイザーさん、デルタスさん。ミューレイミさんをお願いします。ヤツは俺とリョウで終わらせます]
[エアネス、【風神壁】だ]
[ハイ!【風神壁】]
防御壁が三人を包み込む。
そして。
[行くぞ、エアネス]
[ハイ]
[【ワープ】]
空間が裂け、トレン達はその中へ消えていった。
覚醒デスダーグプッギは周囲を警戒する。
その死角から――。
[テメェは絶対に許さねぇ!! 【居合抜刀剣】!!]
一閃。
[……ポトッ]
覚醒デスダーグプッキの腕が地面へ落ちた。
[ボギヤァァァォォォ!!]
回避したはずだった。
だが、“斬られていた”。
激昂した覚醒デスダーグプッキはリョウへ襲い掛かる。
しかし――ヤツはまだ気づいていなかった。
[どこ見てんだよ。俺が相手だ!!]
空間から現れたトレンが装備チェンジと同時に斬り込む。
[喰らえ!! 【暗黒神龍斬】!!]
もう片方の腕が宙を舞った。
覚醒デスダーグプッキは地面へ崩れ落ちる。
[何勝手に倒れてんだよ。雑魚が]
[俺たちが本気出してんのに、その程度かよ]
その瞬間――。
覚醒デスダーグプッギの全身が激しく発光した。
やがて、その姿は巨大な魔獣へと変貌していく。
[…なるほどな。まさかアイツまで喰ってたとは]
[本当っすよ。でも――所詮、俺たちの敵じゃないっす]
現れたのは、偽・轟怪猿【モンギレイド】。
[ボギヤァァァァァァァァァァァァ!!]
[さて、さっさと終わらせるぞ。リョウ]
[了解っす!!]
トレンとリョウは、変貌した偽・轟怪猿【モンギレイド】へ向かい、再び駆け出した。
覚醒デスダーグプッギとの戦いは、ついに最終局面へ突入するのであった。
次回、覚醒緑地樹怨デスダーグプッギ編最終決戦編後編をお送り致します。お楽しみに
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