EPISODE.116話〘覚醒樹怨と総力戦の開幕〙
緑地樹怨デスダーグプッギ編激闘編を
お送り致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
トレンはエアネスを抱きかかえながら、リョウとの合流地点へ向かっていた。
一方、リョウもまた、ナイトディランを背負いながら合流地点へ急いでいた。
先に到着したのはリョウだった。
[着いたっす……。ナイトディラン、降ろすぞ]
[ワォン♪]
リョウは優しくナイトディランを地面へ降ろした。
その直後――。
[リョウ!]
トレンがエアネスを抱えたまま到着した。
[エアネス、降ろすよ]
[あ……ありがとうございます]
トレンはゆっくりとエアネスを座らせた。
[トレン、そっちも殲滅完了したっすね]
[ああ……苦戦したけどな]
トレンは静かに息を吐いた。
[……今回の戦いで、自分達に足りないものを痛感したよ。まだまだ未熟だ]
[そうっすね……。自分も同じっす]
リョウはナイトディランを見つめながら呟いた。
[ナイトディランが俺を庇って傷ついた時、自分の未熟さを思い知らされたっす。でも……それでも前に進むしかないっすからね]
[ああ]
トレンは静かに頷く。
[俺は、エアネス・ヴィーシュ・ペルナギ・レイディア、それに孵化中の従魔達……そして精霊の指輪達とも、これから先も一緒にいたい]
[自分もっすよ。ナイトディラン・ヴェイルガー・サクメ・ニーナシュン、孵化中の従魔達、精霊達と一緒に、のんびり旅を続けたいっす]
一瞬、静かな空気が流れる。
だが――。
[……さて、雑談はここまでだ]
トレンが視線を鋭くした。
[…バレバレっすね。二重三重に気配を隠してるけど、準備はOKっす]
[それじゃ――戦闘再開だ!!]
トレンとリョウは同時に装備チェンジを行った。
トレンは双剣を。
リョウは二本の剣を構える。
そして従魔達へ指示を飛ばした。
[エアネス!【風神壁】【支援魔法】! ペルナギ!【氷魔術・上級】! レイディア!【雷光壁】【聖魔術】!]
[ナイトディラン!【炎雷】! サクメ!【雷魔術・上級】! ニーナシュン!【雷光壁】【雷魔術】!]
従魔達の一斉攻撃が地面へ叩き込まれる。
すると――。
[ボギャァァァァァァァァァァァァァァ!!?]
耐えきれなくなったデスダーグプッギが地中から姿を現した。
[ヴィーシュ! いくぞ!!]
[ヴェイルガー! 合わせろ!!]
[[協力合体魔法――【ストリームゾーダス】!!]]
ヴィーシュの炎とヴェイルガーの暴風が融合する。
二体は超高速で上空を旋回し、そのまま炎と暴風の巨大な竜巻となってデスダーグプッギへ突撃した。
ドゴォォォォォォォォン!!
[ボギャァァァァァォォォォォォォォォ!!]
直撃を受けたデスダーグプッギは大きく吹き飛ばされる。
[それでも四割程度しか削れてないのかよ……!]
[トレン! 来るっすよ!!]
[了解!!]
トレンは即座に無詠唱で支援魔法を展開した。
[【水圧壁】【風圧壁】【水防壁】【風防壁】!!【シールドフェーズバリア】!!【ブロックプロテクガード】!!【アタックプロテクパワー】!!]
複数の防御・強化魔法が全員へ付与される。
その直後――。
トレンは既に次の詠唱へ入っていた。
[我が名はトレン――汝に命ずる。聖なる光の加護を受け、その力を我に与えよ!! 光魔術奥義――【アルティメットホーリーエクストリングレイン】!!]
無数の光弾が空を埋め尽くし、回避不能の光の雨となって降り注ぐ。
[ボギャァァァァァァァァァァァァァァ!!]
凄まじい光の爆撃により、デスダーグプッギは大ダメージを受け地面へ崩れ落ちた。
だが次の瞬間――。
デスダーグプッギの体が眩く発光した。
[くっ……まさか……!]
[トレン!! ヤツは覚醒するっす!! 前に戦った連中と同じっすよ!!]
[くそっ……! あと少しで倒せたのに!!]
やがて光が収まる。
そして現れた姿を見て、トレン達は息を呑んだ。
[……やっぱりな。違和感の正体はこれだったのか]
[なっ……!? ヤツ、人間の姿に変化した……!?]
覚醒した緑地樹怨デスダーグプッギは、人型へと変貌していた。
それは、これまで喰らってきた冒険者達を取り込み続けた異形の姿だった。
次の瞬間――。
[シュンッ!!]
デスダーグプッギが消える。
そして従魔達を一撃で吹き飛ばした。
[エアネス!! ヴィーシュ!! ペルナギ!! レイディア!!]
[ナイトディラン!! ヴェイルガー!! サクメ!! ニーナシュン!!]
[テメェ……!!]
トレンの怒気が爆発する。
[我が名はトレン――汝に命ずる。我が声に応え、その力を我に与えよ!! 対価として我が血を捧げる!! 奥義――【エクセルエアーストリームバースト】!!!]
暴風が荒れ狂う。
トレンと覚醒デスダーグプッギを巨大な風の渦が包み込んだ。
無数の風刃が互いの体を切り裂き、凄まじいダメージを与え合う。
だが、その代償としてトレン自身のHPも大きく削られていった。
[ボギャァァァァァァァァァァァァァァァ!!!]
怒り狂ったデスダーグプッギはトレンへ集中攻撃を叩き込む。
[ぐあぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!]
ドゴォォォォォン!!
トレンは岩壁へ激突した。
[トレン!!]
リョウも助けに入ろうとするが、同時に吹き飛ばされる。
デスダーグプッギはそのままトドメを刺そうと踏み込んだ。
だが――。
[……何勝ち誇ってんだよ、クズが]
死角から現れたトレンが双剣を振り抜いた。
[【空斬刃】!!]
ザシュッ――。
[…ボトッ]
覚醒デスダーグプッギの腕が宙を舞った。
[ギャァァァァァァァァァァ!!]
怒り狂ったデスダーグプッギはトレンへ猛攻を叩き込む。
拳、蹴り、連撃。
トレンは血を吐きながらも立ち続けた。
[……まだだ……! テメェの相手は……俺だ!!]
凄まじい殺気が放たれる。
デスダーグプッギはトレンへトドメを刺そうと迫った。
だがその瞬間――。
[させるかよ!!【聖神剣】!! 喰らいな!!【斬影天翔剣】!!]
ドォォォォォォォン!!
覚醒デスダーグプッギが吹き飛ばされる。
[間に合ったぜ!! 大丈夫か、トレン! リョウ!]
そこへ駆けつけたのは【翠烈陣氷帝】だった。
[ローリエナ!! 二人の回復を頼む!!]
[わかったわ!!]
[さて……準備はいいぜ、ギールオルドラ!!]
[こっちも準備万端よ!!]
[いつでも行けるぜ!!]
ギールオルドラは武器を構えた。
[いくぞ!! ミューレイミ!! ヴァイザー!! デルタス!!]
[[[了解!!]]]
こうして――。
【翠烈陣氷帝】を加えた総力戦が、ついに始まるのであった。
次回、覚醒緑地樹怨デスダーグプッギ編をお送り致します。お楽しみに
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