EPISODE.114話〘傷ついた狼王と怒りの覚醒〙
リョウVSデスダーグプッギ分身編を
お送り致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
左側で、リョウはデスダーグプッギ分身たちとの戦闘を開始した。
[いくぞ! ナイトディラン!【インフェルウルフの王権】!!]
[ワォォォォォォォォォォォォン!!]
ナイトディランのスキルが発動した瞬間、デスダーグプッギ分身たちの動きが一瞬止まった。
[今だ! ヴェイルガー!【龍號砲】!!]
[クワァァァァァァァ!!]
ヴェイルガーの放った龍號砲が一直線に分身たちを貫き、次々と吹き飛ばしていく。
だが、それでもまだ相当数の分身が残っていた。
[サクメ!【氷魔術・上級】! ニーナシュン!【雷魔術】だ! 派手にやっちゃいな!!]
[…コク(いくよ、ニーナシュン)]
[…コク(わかった。合わせるね、サクメ)]
[…コク(ダイヤモンドブリザード)!!]
[…コク(ライジングサンダー)!!]
[[……コクコク(サンダーブリザードストリーム)!!]]
二人の魔術が混ざり合い、雷光を纏った氷の渦となって分身たちを呑み込んでいく。
周囲の敵が一気に殲滅されていった。
[かなり減ったな。残りを片付けて、トレンと合流するか――]
その時だった。
リョウの死角から、一体の分身が頭部を狙って襲いかかってきた。
それに気づいたのは、ナイトディランだった。
[……っ!?]
ナイトディランは【狼神速】を発動し、リョウを突き飛ばして身代わりになる。
鈍い衝撃音が響き、ナイトディランの体が宙を舞った。
[……どわっ!? ……カハッ!?]
[キャィィン!!]
[!? ナイトディラン!? ……この野郎!!【衝撃波】!!]
リョウの放った衝撃波が分身を吹き飛ばす。
リョウはすぐにナイトディランを抱きかかえた。
[ナイトディラン!! ニーナシュン!【回復魔術・上級】だ!! 急げ!!]
[…!! コクコク(わかった。【ゴッドホーリーエクストヒール】!!)]
ニーナシュンの最上位回復魔術によって、ナイトディランの傷口は瞬時に塞がっていく。
リョウは震える手で【鑑定】を発動した。
意識は失っているが、命に別状はない。
それを確認した瞬間、リョウは安堵の息を漏らした。
[……サクメは【防圧壁】、ニーナシュンは【雷光壁】を展開して守りを固めてくれ。ヴェイルガー、ナイトディランを頼んだよ]
[[……コク]]
リョウはヴェイルガーたちにナイトディランを託し、【黎翠月黒炎翼剣】と【黎翠雷虹翼剣】へ装備チェンジを行った。
これまでとは明らかに違う威圧感が、リョウの全身から溢れ出す。
その姿に、デスダーグプッギ分身たちが一瞬怯んだ。
だが次の瞬間、分身たちはリョウの死角から一斉に襲いかかる。
[舐めるなぁぁぁぁぁぁぁぁ!! 雑魚がぁぁぁぁぁ!!【黒炎剣】!!【雷氷剣】!!]
リョウの怒りに呼応するように、極限まで高まった力が解放される。
それはまさに、“覚醒”と呼ぶにふさわしい力だった。
[ハァァァァァァァ!! 消えろぉぉぉ!! デスダーグプッキ分身共がぁぁぁ!!]
黒炎と雷光が交差した瞬間、視界にいた分身たちは一瞬で塵となって消滅した。
リョウは即座に【鑑定】を継続し、ある地点で足を止める。
[見つけたぞ……!!]
リョウは渾身の【衝撃波】を地面へ叩きつけた。
ドォォォォォン!!
衝撃によって地面が爆ぜ、隠れていた“根元”が露わになる。
[逃がすか!! 雑魚は消え失せろ!!【雷斬撃】!!]
一閃。
雷を纏った斬撃が根元を両断し、左側戦域にいた分身たちは完全に沈黙した。
リョウは剣を収める間も惜しみ、ナイトディランの元へ駆け寄った。
[ナイトディラン!! しっかりしろ!! お前がいないと旅を続けられないんだ……! ヴェイルガーもサクメもニーナシュンも、みんな一緒じゃなきゃ意味がない……! だから、目を覚ましてくれよ……っ]
リョウの瞳から零れ落ちた涙が、ナイトディランの頬を濡らした。
すると――。
[ペロ]
[……ナイトディラン!? 気がついたのか!?]
[ワォン!]
[……よかった。本当によかった……っ。お前がいないと、ダメなんだよ]
リョウは優しくナイトディランを抱き寄せた。
[ワォォン?]
[少しの間だけ、このまま歩こう。さあ、みんなでトレンのところへ合流するぞ]
リョウたちは一歩ずつ、確かな足取りで合流地点へ向かう。
だが――。
本当の戦いは、まだ始まったばかりだった。
次回、緑地樹怨デスダーグプッギ編激闘編を
お送り致します。お楽しみに
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