EPISODE.113話〘傷ついた風と怒りの反撃〙
トレンVSデスダーグプッギ分身編です。
本日2話分の2本目の投稿致します。
最後まで読んで頂けたら幸いです。
トレンとリョウは二手に分かれ、デスダーグプッギの分身たちとの戦闘を開始した。
[さて、いきなり飛ばしていくぞ! ヴィーシュ!【火の烈風火】!!]
[クヴァァァァァァァ!!]
ヴィーシュは全身に灼熱の炎を纏い、上空から凄まじい速度で回転しながら急降下した。
轟音と共に突撃したヴィーシュは、その勢いのままデスダーグプッギの分身たちを次々と貫いていく。
[[[ボギャァァァァァァァァァ!!]]]
分身たちは黒焦げになり、苦しみながら次々と消滅していった。
だが――まだ数が多い。
[ペルナギ! レイディア! 二人で合わせるぞ! ペルナギは【氷魔術・上級】、レイディアは【雷魔術】だ!]
[……コク(いくよ、レイディア)]
[……コク(合わせるね)]
[……【ダイヤモンドブリザード】!!]
[……【ライジングサンダー】!!]
[[……【サンダーブリザードストリーム】!!]]
氷と雷が融合し、巨大な暴風渦となって分身たちへ直撃した。
凄まじい破壊力で周囲一帯を飲み込み、デスダーグプッギの分身たちは次々と吹き飛ばされ、消滅していく。
[……凄いな。いつの間にそんな連携が出来るようになったんだ? 負けてられないな。エアネス、俺たちも一気に殲滅するぞ!]
[ハイ……!!]
エアネスが力強く返事をした――その直後だった。
死角から現れた分身の鋭い枝刃が、エアネスの身体を貫いた。
[エアネスッ!!]
トレンの表情が一変した。
[消え失せろ……雑魚がァァァァ!!]
怒りの一撃で分身を瞬時に叩き潰し、トレンは倒れ込むエアネスを抱きかかえた。
[エアネス!! しっかりしろ!! レイディア!【回復魔術・上級】だ!!]
(!?【ゴッドホーリーエクストヒール】!!)
神聖な光がエアネスを包み込み、傷は完全に塞がっていく。
だが――意識が戻らない。
[エアネス……! エアネス!!]
トレンは必死に呼びかけ続けた。
【鑑定】で確認すると、命に別状はない。
しかし、“意識不明”状態だった。
[……【水圧壁】【風圧壁】【水防壁】【風防壁】]
トレンは無詠唱で連続発動し、周囲へ防御壁を展開した。
そして即座に装備を切り替える。
[ヴィーシュ、ペルナギ、レイディア……エアネスを頼む。絶対に守ってくれ]
[[[……コク(頷く)]]]
トレンは従魔たちの頭を優しく撫でると、静かに立ち上がった。
[……【超龍神速】]
空気を裂く鋭い音が洞窟内に響いた。
[――すべて消え失せろ。【翼神龍炎斬】!!]
神速の斬撃が閃いた瞬間、視界にいた分身たちは一斉に両断され、消滅した。
だが、トレンは止まらない。
ある一点で足を止めると、鋭く地面を睨みつけた。
[そこか……進化なんかさせるかよ、雑魚が。【空斬刃】!!]
凄まじい斬撃が地面ごと抉り飛ばし、地下に隠れていた“本体の根”を空中へ露出させた。
[逃がすかよ……。【暗黒神龍斬】!!]
闇を纏った斬撃が根元を飲み込み、本体ごと完全に消滅させた。
その瞬間――右側の戦域にいた分身たちも一斉に崩れ落ち、消えていった。
静寂が訪れる。
トレンはすぐにエアネスの元へ駆け戻った。
[……エアネス。俺がいながら守れなくて済まなかった……。ヴィーシュたちにも怖い思いをさせた……]
トレンは震える声で続けた。
[……でも、エアネス。君がいないと、俺は旅を続けられないんだ。だから……目を覚ましてくれ……っ]
堪えきれず、トレンの涙がエアネスの頬へ零れ落ちる。
すると――。
エアネスの指先が微かに動き、そっとトレンの涙に触れた。
[……! エアネス!!]
[大丈夫ですよ、トレン……。私は、どんなことがあってもあなたと一緒です。だから……泣かないでください]
優しく微笑むエアネスを見て、トレンは安堵したように息を吐いた。
[……本当に良かった]
トレンは愛おしそうにエアネスを抱きかかえると、リョウが戦う左側の戦域へ向かって駆け出した。
こうして――。
右側戦域における、トレンたちとデスダーグプッギ分身との戦いは、完全決着を迎えたのであった。
次回、リョウVSデスダーグプッギ分身編を
お送り致します。お楽しみに
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