15 王都を散策する_27
* *
私(英子)とフィルマは、市場に隣接する食堂エリアで、遅めのランチを取ることにした。
さて、どの店にしようかな?
「ねぇ、フィルマ、……。何か食べたいものあるぅ?」
「何でもいい、……」
むぅ。難しい返しをしてきたなぁ、……。
「なら、私は辛くて苦いものが好みだから、フィルマもそれでいい?」
「やっ! 美味しいものっ!」
「それも、難しいんだよなぁ、……」
たくさんの食堂が並んではいるものの、……。
どの店も内廊下からは内部の様子がワカらないため、この異世界の一見さんとしては、なかなか入店するのにも勇気がいる。
フィルマは先ほどのショックから回復したばかりだし、あまり相談相手には相応しくないように思われた。
すると、……。
中ほどまで進んだところに、80㎡くらいのオープンスペースがあり、……。
多くの親子連れが食事をとっていて、大変賑わっていた。
うん。ここなら子供を連れて入っても、たぶん大丈夫そうかも。
「フィルマ。ここにしましょうか?」
「ふむっ。エイコに任せておけば、OッKェ~なのだっ!」
そう言って、私を見上げて笑うフィルマ。
「……」
先ほどは、……さ。
市場のど真ん中で、火がついたように泣き出すフィルマを見て、……。
一体、この私に何ができるものかと、心底焦ったんだからね。
現在のフィルマは、いつもの明るくて元気で、どこか気高さのある、大変かわいらしい少女だ。
でも、さっきのフィルマは、……さ。
世間一般の若いママさん方を苦しめる、そんな無垢な子供そのものだった。
まぁ、私の方にもかなり問題があった。
明らかに油断していた。迂闊だった。
「ぎゃふん」
「えっ!? なぁに?」
小首を傾げながら、あどけない表情で私を見上げてくる。
「うぅん、何でもないよぉ、フィルマ!」
そうしたら、若くてよく働きそうな女の給仕がこちらにやってきて、……。
私とフィルマの身なり(服装)を瞬時に見抜くと、満面の笑み(スマイル)を浮かべた。
「さぁ、どうぞ、どうぞ! 庶民相手のいたって普通の店ですが、どうぞ、こちらへ!」
どうにも、謙遜にもほどがある。
この店に既に入っている客達に、何だか申しワケないような気がした。
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