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魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


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15 王都を散策する_26

   *         *


「びぃえええええぇぇ~~~んっ!!」


 大勢の人々でごった返す市場マーケットのど真ん中で、……。

 全くお構いなく、火がついたように泣き出すフィルマ。


 突き刺さる、周囲まわりからの無数の視線。


 えっ!? ちょっと、……。

 ホンと、どうすればいいの?


 未婚の私(英子)には、あまりにも荷が重すぎて、……。

 どうやったら、フィルマは直ぐに泣き止んでくれるのかと。


 とてもじゃないけど。

 その声が、ちょっとやそっとで止むとは到底思えなかったんだ。


「……」


 私は何とか一回だけ、深く息を吸って長く吐いた。

 

 よしっ! 覚悟完了っ!!

 何とかはらを決めた私は、フィルマの背丈に合わせて身をかがめると、……。


 その小さく華奢な身体からだを、包むように抱き締めていた。


「ホンと、ホンと怖かったねぇ~~っ!!」


 こちらも一心不乱で、フィルマの背中をポンポンと優しく叩いてあやし続けていたら、……。

 そんな時間を忘れた頃を見計らったかのように、……。


「すんっ、ぐすんっ、……」


 フィルマは肩をしゃくり上げながら、ようやく泣き止んでくれた。


 よかった。ホンとによかった。

 私には、正直まだ育児は荷が重過ぎる、……。


「もう、大丈夫? フィルマ?」


 私の問いかけに対し、無言でこくりと頷くフィルマ。


 可哀そうなことに、美しい瞳のふちが、赤く腫れぼったくなっている。

 私はポケットからハンカチを取り出すと、目じりに溜まった涙と鼻を軽く拭いてあげた。


「ごめん、……なさい、なのっ。エイコ、……」


「いいよ。フィルマ、……」


 子供ながらに、まるで大人顔負けの仕事をこなすフィルマに、私はどう対応していいものか、これまでよくワカらないでいた。


 でも、彼女はまだ5歳の小さな女の子だ。

 怖ければ泣き出すし、楽しければケラケラと笑う。


 ちゃんと子供してるんだって、内心ホッとしたんだよ。


「もう、歩ける? フィルマ?」


「うん!」


 私は立ち上がってフィルマの手を取ると、そのまま食堂エリアまでゆっくりと進んでいった。

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

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