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魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


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15 王都を散策する_28

   *         *


 さて、……と。

 こうして席に着くことができたし、とりあえずひと心地付けるかな。


 私(英子)は、先ほどからずっと立ちっぱなしで足にきていたため、漸く座わることができて、内心ホッとしていた。


 フィルマもまた、子供用の椅子を用意して貰って席に着くと、とても興味深そうに周りの親子連れが食事をしている様子を見ていた。


「フィルマ。こういう店って、よくきたりするの?」


 私が率直に訊ねると、フィルマは笑顔で首を横に振った。


「うぅん。私のいた里では、食堂というものがなかった」


「なら、王都こっちにきてからは、誰かに連れていって貰ったりしたの?」


「……ない」


「そっかぁ~っ!」


 どうやら、王都にきてからは、ほとんど王宮で国王の瀬田さん達と一緒に過ごしていて、こうして街に降りてくることはなかったのかも。


「ふむ」


「なら、王宮の食事もいいけど、こういう店もなかなかいいんだよ!」


「ふむっ!」


「楽しみだねぇ~っ! 一体何を食べたいのかな?」


「美味しいものっ!」


「おっ、おぅ、……」


 やはり、フィルマはなかなかハードルが高い、……。


 私達に用意された席は、このオープンスペースの中でも比較的裕福な親子連れ向けの席なのか、……。

 入口付近の席に比べ、客の服装(身なり)は正式フォーマルなものが多く見受けられた。


 席のテーブルには、メニュー表のようなものは一切なく、……。

 席に着くなり、直ぐに陶器の水差しと木製のコップが2つ用意された。


 今日は日差しが強かったから、こうして水を飲めるのは正直ありがたい。


のど乾いたでしょ? 飲みなぁ!」


「ふむっ!」


 さっそくコップに口を着けて、こくこくと喉を鳴らしているフィルマ。


 なら、私も、……。

 おやぁ!?


 そうしたら、一瞬、何だかよからぬ疑念が心にあふれてきた。


 この水って、……さ。

 飲んでも、お腹壊したりしないよね?


 地球でも海外に旅行にいった際は、水とか生の食材については細心の注意を払ったものだった。


 学生の時がちょうどエスニックブームで、夏休みを利用してアジアの各地を回ったものでさ、……。


 私は、幸いにして腹を壊すことはなかったけど。クラスメイトの中には、吐いたりした者もいたっけね。


 しまった。フィルマは嬉しそうに、こくこくと水を飲んでいるのだけど。

 もう、今さら止めても間に合わないのか?

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

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