15 王都を散策する_23
* *
再び時計を見たところ、……。
正午まで、もうあと少しとなっていた。
すると、……。
掃き出し窓の方から、カラカラと引き戸が開く音と共に、そよりと涼しげな風が入ってきた。
私(英子)は連絡帳を閉じると、……。
ひとこと「よしっ!」と呟いて、深く呼吸をする。
「エイコォ~~ッ! そろそろ、手は空いたかぁ~~っ?」
ベランダ側の声のする方を見ると、……。
フィルマが日本の子供用のビニルサンダルを片手に、そのまま慣れた調子で室内に入ってきた。
「うん。今、ちょうど終わったとこ!」
こちらがニッコリと微笑むと、フィルマもニッコリ。
トコトコとこちらまで近付いてくると、……。
机の片側に寄っかかりながら、私の髪を軽く弄ってきた。
「黒髪、……綺麗、……」
しばらくそのまま触らせていると、フィルマは私の髪で三つ編みを結おうとしてきた。
「時間ないでしょぉ~~っ? また今度ぉ~~っ!」
「はぁ~~いっ!」
そう言って、パッと手を止める辺りが、かなり節制が効いているというか、……。
ホンと、見た目は5歳の幼女だけど。
でも、その実、齢100歳の老女だったりして、……。
「ふふっ、フィルマって、何だか大人っぽい!」
私はそう言って、フィルマの煌びやかなプラチナヘアーを軽く撫でて上げると、……。
スゥ~~ンッと、お澄まし顔でされるがままだ。
こういうところに、彼女のナチュラルな気高さのようなものが感じられた。
フィルマが、王都の街に遊びにいこうと誘ってくる。
王都散策、……。
実質、フィルマと2人きりのデートだね。
「ほらっ、エイコ、エイコッ! 早く、早くぅ~~っ!」
「はぁ~~いっ!」
私はフィルマに手を取られると、自室を出て、王宮の内廊下を足早に歩いていった。
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