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魁!断筆姉さん!!  作者: 西洋司


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15 王都を散策する_21

   *         *


 トラヴィス伯爵は、上位貴族だ。

 しかも、反王党派の重鎮でもある。


 斎木さんと私(英子)は、伯爵領に一日だけ滞在する予定はあったものの、……。

 あくまで、伯爵領は移動の経由地という位置づけだった。


 そもそも、斎木さんも私も日本人で、日本政府の役人で……。

 王直属の人間であり、王党派という扱いになるのだと思う。


 だから、伯爵側からの晩餐会のお誘いがなければ、決して顔を合わせることもなかったのだと思う。


 それが、夕刻になって急遽呼び出しを受けると、斎木さんは一気に活動を再開する。


 こちら側も指導官(メンター役)の斎木さんが動くとあらば、私も事前研修で教わったとおり、特別な対応を求められることとなった。

 

 伯爵側は、前日のバルディ男爵邸でのゴブリン襲撃を、既に察知していた。

 斎木さんによると、おそらく男爵邸のメイドか執事の中に、伯爵から送られた間諜スパイがいたのではないかという。


 男爵が襲撃を防ぎ切った翌朝、伯爵側は早馬を何頭も潰しながら、その情報を得ることに成功する。


 斎木さんの運転するパジェロ(自衛隊車両)が伯爵領に入るや否や、さっそく接触を試みてきたというのが、その真相なのだろうって話だね。

 

 相手は上位貴族故にしたたかで、……。

 手練手管、様々なやり方に慣れている人物タフ・ネゴシエーターだ。


 そんな伯爵が斎木さんを招いたのは、余程のことだったのだろう。


 魔物達の暴走スタンピードに、絶えず悩まされ続けてきた地方貴族達。

 そんな一人でもあるトラヴィス伯爵は、今回斎木さんが使用した日本製のライフル、その攻撃力に注目したのは当然と言えるだろうね。


 私は、斎木さんから奥方様、ご息女様の歓心を得るように行動することが求められた。


 これは今さら言いたくない話なのだけど、……。

 私は、斎木さんから「美の伝道師」という役割を求められている。


 日本発の最新式の化粧術を、中世のこのヤムントの上流社会に齎すこと。

 時にはメソッドだけでなく、その化粧品も分け与えること。


 更には、……。

 ヤムントではまだ貴重な宝石や宝飾具を使って、女性達をたらし込むことが求められていたんだよね。

「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!

英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!

この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!

英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨

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