15 王都を散策する_20
* *
その後しばらくの間、私(英子)にとってバルディ男爵邸での出来事は、まさにトラウマもんだったよ。
だって、……さ。
いまだに夢で見るんだからね。
奥方様やマギー達の、恐怖をひたすら押し隠した表情。
時おり男性陣の作った防衛線を突破したゴブリン達を、女性陣が老若拘わらず、力任せに叩き潰す、……。
身分の高い奥方様も使用人も、大人も子供も一緒になって、普段は料理に使うフライパンや、藁をすく鋤や大鎌を使って、……。
侵入してきたゴブリンを、寄ってたかって潰していく。
ゴキブリのような虫じゃぁないんだよ。
人間と同じ2足歩行の、子供ほどの背丈のゴブリンをやっつけるんだ。
これが戦場でなければ、一体何がそれなんだと、……。
つくづく思い知らされたよ。
「関わらなくてもいい戦闘に、英子さんを巻き込みたくなかったですな!」
後日、謝罪と共に、瀬田さんはそう言っていたけど。
まぁ、現代日本人の私に、こんな殺戮現場に関わらせたくなかったんだろうなぁ、……。
とは思うのだけど。
でも、私が直接手を下すことはほとんどできなかったけど。
何とか現場で一夜を過ごし、そして乗り切ることができた。
翌朝、日の出と共に、その惨劇を乗り切った時の達成感を、私は生涯忘れることはないだろう。
だから、……さ。
その後直ぐに訪れたトラヴィス伯爵邸での出来事は、何とも印象深いものだった。
あの惨劇を乗り切った私は、何というかクソ度胸のようなものが、自身の左胸に宿ったのではないかと思ったんだ。
実際、上位貴族のトラヴィス伯爵邸で、私はベテランのエージェントでもなかなか達成できないことをやってのけた。
私は、あくまで斎木さんのサポート役だったのだけど。
私達の行ったことは、上位貴族の転向、……。
反王党派の重鎮を、私達王党派に寝返らせることだった。
「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!
英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!
この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!
英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨




