15 王都を散策する_19
* *
そう言えば、……さ。
私(英子)は退院後直ぐに、霞が関にある役所の施設に入所してさ。
そこで専門官の皆さんから、集中トレーニングをして貰ったっけ。
ホンと、ヤムントの語学から貴族のマナーに至るまで、多種様々なことを教わったんだよ。
満を持して、このヤムントにやってきたと思ったけど。
でも、実際は想定外のことが次から次へと起こり出してさ。
もう、ホンと毎日が緊張感の連続だったって感じだよね。
でも、……さ。
それもこれも、今となっては全て楽しい思い出だよ。
バルディ男爵邸で、奥方様を始めとする女性陣に対し、日本式の化粧術を施したりして仲良くなったり、……。
かと思えば、真夜中にはそんな貴族の邸宅に、現地のゴブリン達が攻め込んでくる。
あの時はびっくりしたよ。
だって、これから男爵邸がその襲撃に備えるというのに、……さ。
斎木さんは、そのまま私だけを連れて、現場を離脱しようとしたんだからね。
あの時は、何てこの人は薄情で、優しくない人なんだと思ったものだけどさ。
でも、……ね。
現在の私なら、何となくワカる。
この私、大藪英子を何とか無事に王宮まで連れていき、国王陛下の瀬田さんとフィルマにどうしても会わせたかったんだろうなぁってね。
あの時、斎木さんが私を連れて現場を離脱しなかったのは、……さ。
結局、私からの信頼を失いたくなかったからだと思うんだ。
もし私を連れてバルディ邸を出ていったら、……。
現代日本兵器、ライフルを使用することなく、現地の劣った兵器のみで、あのホブゴブリンと闘わなくてはならなかった。
その場合、バルディ家が被災した結果、最悪死人すら出てもおかしくなかったんだ。
私があの時に斎木さんを現地に引き留めた結果、誰も死なずに済んだ。
バルディ男爵家はホブゴブリンの財宝を手に入れ、今後はもっと防衛力を高めることもできるのだろうね。
「魁!断筆姉さん!!」をお読み頂き、ありがとうございます!
英子の作家魂や、仲間たちとの冒険を楽しんで頂けたら嬉しいです!
この物語を気に入って下さったら、☆評価やブックマークで応援して頂けると、作者の励みになります!
英子と一緒に次の展開を盛り上げるため、ぜひ力を貸してください!✨




